虫眼鏡人間
初投稿です。
目を覚ました
足や
手の先の感触が
やけにツルツルしている
その感触は太陽の養分を受け
生き生きと
脈を巡らせている葉や
暴雨に耐えた
うざったいくらいに
しなしなしている葉とは何か違う
辺りを見回して見た
小さいモノがいち、
大きい物がニ、、、3と
並べてあった。
入れ物
足の入れ物
人間界でいう
恐らくそれは"靴"なんだと思う
辺りはシーンとしている
ついこの前までは、
車のエンジン音が
親子供の晴れやかな声が
吹き抜ける風の音が…
見慣れない世界を目の当たりにした
虫の僕は
あぁ
捕まえられたんだ
僕
よく考えてみれば息苦しい
外の世界とは違う
酸素が足りないのか?
いや違う、
根本的な問題なのだ。
周りに意識を向けていた"自分"から
手を伸ばして、
掴んで、
現に考えてる
"自分自身"を辿ってみた
恐らく
透明なフィルムが四方八方にあり、
自分は
捕まえられた虫であり、
これは要するに
物理的な息苦しさ、というより
心理的な閉鎖感による息苦しさ
なのだ。
監視されてる気分なのは
薄々感じる
上を見たら複数の通気孔
…
怖い
左目の視界にある餌は
僕が生きる為の唯一の糧なのだろう
捕まって何日目なのだろう
そして
後何日持つのだろう
虫眼鏡人間
観察するのは楽しいです。