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面談前  作者: 葵枝燕
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面談前6.第十回目面談(二〇一七年十二月九日)

 いつもと違う面談日。いつもと違う面談時間。そんな時間を、やはりいつもどおりに心臓を痛めながら待っている。

 予定されていた今週の面談は、水曜日の十九時から十九時半。先生が前々日から県外への出張があるとかで、時間をずらして行われる――はずだった。

 先生から面談の延期のメールが届いたのは、その日の十四時。出張先で風邪を引いてしまった、どうしても予定どおりに面談ができない、申し訳ないが明日以降に延期する、新しい日程の連絡は明日以降する――そういった内容のメールだった。

 どこか安堵する自分と、何のためにここに来たのかと思う自分と、先生でも風邪を引くのかと思う自分とが、あのとき混在していたのを憶えている。

 今日が最後の個人面談だ。あと約三十分で、私の番になる。

 結局何度繰り返しても、この面談の時間に慣れることはなかった。ずっと、(しん)(ない)が痛かった。

 願うならば、誰かに代わってほしいと思った。何度も何度も、週に一回のこの時間の度に、そう思ってきた。けれど、それが無理だとわかっていた。

 朝イチの講義開始の鐘が鳴る。いよいよ最後の面談が始まる。

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