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夜空の星を数え終わる頃に

 部屋の明かりを消してベッドに入る。

 今日の出来事は彼女達にどんな傷痕を残し、明日からどんな表情を浮かばせるのだろうか。


(ま、何にせよ)


 俺のする事は変わらない。

 皆を愛し、幸せにするだけだ。


「おやすみ」


 目を瞑り、明日に向けて皆に就寝の挨拶を告げる。


「いやいやいやいや、何当たり前の様に人のベッドに入ってきてるの?」

「え?」

「おかしいよね? 私部屋の窓も閉めてたし、他のドアとか窓の戸締りはお母さんがしてる筈だし」

「そりゃお前。小日向の居る所、俺位湧くだろう」

「虫とかカビみたいな気持ち悪さだね」

「俺は小日向が居れば無菌室でも密閉空間でも湧くからな。あんな虫だの菌類だのと一緒にされるのは心外だ」

「怖い! 本当に何なのこの人!」

「と、まぁその話は置いておいて」

「置いて欲しくないんだけど……」

「小日向にちょっとお願いがあるんだけど」

「絶対に断る前提で何?」

「いつでもどこでもヤラせてくれる、俺専用の服着て歩く肉便器になってくれ」

「別れましょう私達」

「嘘ですごめんなさい話聞いて下さい」


 小日向が眉を寄せて愛に溢れた瞳と表情で俺を見つめる。


「まぁ聞いて下さいよ小日向さん。言い方悪かったって言いますか、ちょっと誤解があるみたいなんですけど」

「誤解の生じようが無いレベルでアウトだったけどね」

「要は、俺がムラッと来た時に解消してくれればそれで」

「やっぱり全然誤解じゃなかった!」


 おかしい。

 話が通じない。


「別にただお前をどうこうしたいって訳じゃないんだ。他で興奮した欲求をお前で発散させてほしいってだけの話で」

「余計酷くなった! 最低だこの人! 信じられない!」


 端的に言っても中々通じない。

 仕方ない、一から説明するか。


「妹達が女に見える様になってしまったんだ」

「捕まれロリコン」

「待て。何故警察に電話しようとする。そして俺はロリコンじゃない。桃香ちゃんや紅梨ちゃんだけじゃなく、姉さんも女に見える」

「訂正。捕まれ犯罪者」

「だから待て。警察に電話しようとするのはやめるんだ」


 マズい。

 小日向の俺を見る目がガチだ。

 今度こそ丁寧に一から説明をする。

 さっきの姉さんとのやり取りの事だ。


「……………………」


 すると視線の冷たさは変わらないが、携帯は手放してくれた。


「俺だってそんな目で見るつもりは無いし、何かするつもりは無いぞ? でもな? もう生理現象的な物はどうしようもないんだよ、男ってやつは」

「……………………」

「だって桃香ちゃんと紅梨ちゃん……。あれ駄目だろ、ズルいだろ。何あのエロボディ。無理だって。特に紅梨ちゃん。あんなちっちゃい体でランドセル背負って、乳ゆっさゆっさ揺らすんだぞ? あんなの見たら誰だってはいすみませんでした申し訳ありませんでしたごめんなさい携帯を手から放して、ね?」

「…………………………はぁ~……」


 物凄く、物凄~く深いため息をされた。


「言いたい事はわかったよ変態。ただその話、私以外に絶対しちゃ駄目だよ変態? 多分誰に言ってもドン引かれて、警察に通報された後二度と話しかけてくれなくなるよ変態」


 つまり、他の奴に言ったらドン引かれる様な事も、俺の事を愛している小日向には言っても大丈夫という事か。


「って、何で服脱ぎ始めてるの!?」

「え、理解してくれたところで早速するんじゃないのか?」

「しないよ!」

「年頃の男女が一緒に布団に入って十秒経ったら手を出しても良いってサインだぞ普通」

「そんな普通はこの世の中に存在しないよ」

「したい、したいです! お願いします! させて下さい!」

「ど、土下座……」


 ベッドから飛び降り、必死に土下座する。


「……ていうかこういう時、いっつも納得いかんのですわ、俺」

「? 何が?」

「本当は小日向の方がエロいのに、何か俺にばっかりこうやって上手く誘わせて、俺がエロいみたいなキャラ付けしてさ……」

「!? な、何言ってるのよ! エロくないし私! 全然エロくなんかないし!」

「嘘つけ。そんなエロい身体しといてエロくないとか絶対嘘だろ」

「か、身体!?」

「お前あれだからな? アンケート部が一年の男子から集計したアンケートで堂々の四位だからな?」

「四位? 何のアンケートで?」

「…………に、人気ランキング」

「人気ランキング? 何の人気ランキングなの?」

「さ、さぁ……」

「さぁって」


『一年女子人気オカズランキング』とはまさか本人に言えない。


「と、ともかくあれだ。小日向だってエロい事大好きな癖に、俺にばっかその責任負わすのはズルいと思う」

「好きじゃないですー。もう私全~然そういうの好きじゃないです」

「嘘つけ。俺がお願いしたからってあんなプレイにノリノリで付き合うなんて……」

「あーもう怒った! じゃあもう知らない! 知らないです! 私寝るから。もう寝るから、私」

「ひぃぃいい! すいません! すいませんでした小日向様! 図に乗りましたすいませんでした!」

「……わかったから、もういいよ。こんな事で土下座とか止めなよ、情けない。……本当にさ。容姿は何だかんだで言うまでもなく最高だし、それで更にスポーツも出来て勉強も出来るのに。どうして中身がこうなんだろうね。性格のただ一点だけで平均点をゼロにするどころか、マイナスにまで引き下げてる感じだよ、日景は」

「あれだよ。優秀過ぎても近寄りがたくなっちゃうからな。あえての隙さ。親しみやすくなるだろ?」

「親しみやすいどころか異常過ぎてむしろ余計に近寄りたくない感じだけどね」


 酷い言い草だ。


「さて、と」

「?」

「そろそろいいだろ?」

「そろそろいいって何…………が!? あれ!? 何で私全裸になってるの!?」

「脱がしたからだよ」

「いつの間に!?」

「さ、小日向」


 肩を掴む。


「共に楽しもうじゃないか」

「何を!?」

「大丈夫」

「何が!?」

「夜空の星を数え終わる頃には終わるよ」

「永遠に終わらないよそれ!」

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