表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/17

憑依合体されて困ってます。

榛名サイドです。

異世界から戻ったあの日、私は何と無く家康君のマンションまで送って行った。

彼との研修の日々は、これまでの魅了の恐怖も起こらず。

むしろ彼の無意識の力の作用で、私の魅了の力が彼のそばだとかき消されていた。

何と言う平穏な日々だろう。

怖い程に静かなそれは、異世界に渡っても続いた。

だから、私に隙が生まれたのかもしれない。

彼の側は余りに居心地が良いのだ。

これは、人見知りの淡海君が懐くのもうなづける。

彼は私に魅了され無い。

その事がとても嬉しくて。

けれど、最近は少し寂しくなった。

魅了が無ければ、私は女として意識されてすら居無いのだと思うと、何故だかちょっと悔しい。

自分の中の変化に戸惑う。

これは、なんだろう?

この淡くてふわふわした気持ちは?

幼い少女達が家康と仲睦まじく共に居たのを見た時。

微笑ましく思う気持ちに、ほんの少しの引っかかりを覚えた。

その日も、双子の少女達が、こちらを伺うように家康君を待っていた。

私を見て、あからさまなショックと嫉妬心を瞳に覗かせながら。

それを見て、始めて自覚する。

私は家康君に惹かれ始めて居たんだと。

困ったなぁ。

と思ったタイミングで、家康君は何も気付かず彼女らを家族と称した。

家族…私よりも近しい存在だ。

彼にとって、彼女らは身近過ぎるのかもしれ無い。

彼にとって、私は高嶺の花過ぎて対象外なのかも知れ無い。

そう思ったら、ささやかな嫉妬心は消え。

仲間意識が生まれた。

少し、鈍感野郎を蹴飛ばしたくなったが。

召喚魔法陣が発動する気配に気付く。

周囲を見ると、双子の少女の足元に召喚陣が発生していた。

止める間もなく、私も含めて召喚事故に巻き込まれた。

尋常では無い事態だ。

私が又巻き込まれるなんて。

意識が途切れた後に、女神と名乗る人物が。

私に加護をねじ込んだ。

これは、女神の加護なのだろうか?

これまでで一番力が弱いのに、何より何かしらのざらっとした不快感が強い。

かなり、ヤバイモノに遭遇したと理解する。

しかも、ここは神の領域では無い。

神の領域は、もっと清浄で穏やかだ。

だが、ここは異質な不快感が有る。

邪神の類いかも知れ無い。

今迄の加護と身体が拒絶反応を示し始めた。

そのタイミングで隣の家康君は、激しい拒絶反応を示し、何処かへ転移してしまった。

女神もどきの焦る声が聞こえるが、何を言っているのか、言語が分からなかった。

彼の封印された力は、私が考える以上に強いのだろうか?

だって、既に加護の二つ有る私が対応出来無いのに、無意識に神力に似た力を無理矢理弾くなんて。

抵抗も虚しく、何かの加護を与えられた。

こうなると、加護と言うより呪いだわ。

と、苦笑する。

ああ、身体が魂がキモチワルイ。

こんなキモチワルイ何かを与えるのだから、やはり、この人は禍々しい何かだろうか?

不意に転移がなされ、意識が朦朧とする。

これは、ヤバイ。

意識を刈り取られたら。

多分、何かヤバイ事態になる予感がした。

無理矢理目覚めようとしたタイミングで、身体に何かが注ぎ込まれた。

どくん、どくん。

心臓の音が耳に響く。

アレが、私に降臨したのだと気付いた

クソアマ…。

声になら無い声が、呻き声になった後。

私の意識は完全に精神の片隅に封じられた。

それが、意識が無いならまだマシだった。

すべてあの女神もどきのした行動が、記憶に残っているのだ。

私の身体なのに。

私の心なのに。

男達に媚を売り、妖艶に振る舞う。

巫女姫の力が衰えるから性的関係にこそならないが。

魅了を構わず使いまくる。

どうでもいい男達に、身体を触れさせたり、口付けさせたり。

ロクデモナイ。

榛名の事を知る響達が合流したら、気付いてくれるだろうか?

止めてくれるだろうか?

家康君に軽蔑され無いだろうか?


巫女姫だから、身体に神を降臨は出来る。

けれど、こいつは神では無いと知った。

加護と言う呪いを媒介にした、完全に悪質な憑依だ。

憑依されて分かったのだが。

彼女は元人間で、前世地球人がこの異世界に転生し、無双出来るギフトを貰い。

そこで悪意ある使用を始めた。

その力で、この異世界の乗っ取りを図ろうとしたのだ。

しかし、数千年前に神を怒らせ、次元の狭間に幽閉されていた。

彼女は嫉妬深く、自分より美しい女や自分より強い女を嫌い。

この世界で一番魔力の高いダークエルフの乙女を魔王と罵り、人類種族を煽ったのだ。

この異世界の人類種はまだ魂が若く、悪い感情への影響が強く出て。

結果、女神もどきを祭る宗教が、人類種族に流行ってしまい。

元々の神々が衰退し始めたのだろう、と推察した。

「榛名!大丈夫か?」

数日後、響と合流した。

ああ、彼は私の状態異常に気が付いてくれなかったよ。

ははは、本当こいつは私の事が好きだと思い込んだ馬鹿って事なのかな?

幼馴染だから、少し期待していたんだけど。

「榛名…無事で良かった。」

もう一人の赤髪赤い瞳の焔狐元神官のマーズ・カルアさんも、残念ながら気付いてくれなかった。

これはもう、呪いが強過ぎるのだと思う事にした。


しかし、女神もどきは彼らも翻弄した。

私の声で甘い言葉を紡ぎ。

甘える様なキスをする。

幾度も繰り返し、彼らの思考を恋愛脳に偏らせ奪う。

悪質な手口に吐き気が出そうだ。

私の身体で、やらかしやがって。

彼らの好意は知っている。

でも、その好意を私は返せ無いから、これまで見ないふりをしていた。

ツケが回ってきたのかも知れ無い。

だって、今は家康君の事ばかりしか考えられ無いのに。

他の男達といちゃつくとか、こんな自分を殴りたい。

無事でいるだろうか?

異世界に翻弄されて居ないだろうか?

私の事を、少しは思い出してくれて居るだろうか?

女神に思考を読まれ無いように。

思考を閉じながら考える。

多分、私のこの状態は、彼の試練の一部だと知っていた。

こんな形だとは知らなかったけれど。

家康君と、共にいた時間は少ないけれど。

これだけはわかる。

彼は私も双子達も見捨て無いだろう。

双子は、私に心を閉ざして居る。

こんな風に、女神もどきが私を使って男遊びをして居れば。

幼い少女では潔癖に拒絶反応を示すだろう。

初めは半狂乱に家康を探すと喚いていた。

だが、魔物の強さを知り、現状を理解すると静かになった。

今はそれぞれ修行に没頭して居る。

ああ、悔しい。

この女神もどきを弾き出したい。

封じられた中で、力を練る。

穿つ力を溜め込む。

女神もどきの力の制御は、とても雑。

だから、抜け道が有るかも。

と、探っている。

内側から、こいつを穿つ力。

これが、家康君の助けになる様に。

もしかしたら、私の身体が持た無いかも知れないけれど。

こんな悪霊みたいなクソアマに、操られ好き勝っ手にされるくらいなら。

諸共死んでも構わなかった。

壮大な決意は、家康君と再会した時に脆くも崩れる。

突然転移して来た家康君が、魔王といちゃつく姿を見るまでは。

いやぁ、家康君はフラグ立て過ぎ。

あと、榛名たんの反転にご期待下さい?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ