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禁煙日記2

今日は禁煙を始めてから三日目だった。



禁煙初日がまるで嘘のように、僕は一日の中でタバコを吸いたいという欲求を忘れ、寝起きも食前食後も車の運転中も、タバコを吸いたいなんて思わず、禁煙生活三日目にしてようやく希望の光が見えてきましたということは一切なかった。



僕はタバコが吸いたいのだ。


まるで恋する乙女のように、寝ても覚めてもタバコのことばかり考えてしまう。



………今思えば僕は何故タバ子と別れたのか?

本当にこれで良かったのか?

いくら自問自答を繰り返したところで答えは出ない。


しかし、タバ子と過ごしたあの日々は決して無駄ではなかったと僕は思う。


結果として今僕はタバ子と離れ新しい生活を歩み始めているが、タバ子との過去をなかったことにはしたくはないのだ。


タバ子はいつも一番近くで僕を見守っていてくれた。


会社で嫌なことがあったり、寝起きで意識がはっきりしない時も、タバ子が僕の唇に優しく触れるとすぐ元気になった。


けれどある日、タバ子に頼りきりになっている自分に嫌気がさした。


いつもタバ子に甘えてばかりいる自分を変えたいと思った。


タバ子には本当に色々苦労をかけてしまったと思う。

十年近く一緒にいた家族みたいなものだ。


タバ子…僕は君のことを忘れないよ。


もう君と唇を重ねることはないのだろうけど、それでも僕は君といた時間を忘れない!



本当に今までありがとう!

ほら!そんな顔しないで!

僕は元気でやるよ!

だからタバ子も幸せにな!

じゃあな!



失ってはじめてアイツの大切さに気付いた…


ハハハ、本当馬鹿だよな僕…



………とまぁ、こんな妄想をするぐらい僕はタバコが吸いたいのだ。



禁煙への道はなかなかに厳しい…


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