第八話 "Das Kind"
今回は作者公認幼j...ゲホゲホ、なんでもありません
第八話、お楽しみください。
北海道から帰ってきて数日後、傷も完治して久しぶりに特殊機関らしくないまったりとした雰囲気の中で過ごしていた。なんかこういう時ってたいていフラグが立つんだよね~
ほらぁ、俺の後頭部に冷たく硬い拳銃の銃口が突きつけられてる...
...拳銃?
「アイバー曹長、すみませんでしたぁぁぁ!どうか命だけは取らないでぇ!」
「仕事よ。さっさと行くわよ。戦闘服に着替えなさい。こんなものにビビってるなら、遺書でも書いておくべきね。」
「仕事内容は?」
「...通信局が一つやられた。1個小隊の動員、攻撃魔法使用許可及び、戦闘員に対する無制限の無力化も許可されているわ。」
無制限の無力化...それが意味するものは手段を問わない殺傷。
「武器は突撃銃か、サブマシンガンか、拳銃のみか、それとも持たなくていいか...」
「あんたが必要だと思うものを持っていきなさい。」
それもそうか。なら、銃火器系はAUGUSTAでいい。魔法妖術制限領域になってもあらかじめ装填しておけば7発は撃てる。腰に帯剣し、比較的軽量化した防御服を装備する。
「早く乗って。」
装甲車のエンジン全開で基地局まで向かう。大した距離じゃない、およそ30分ぐらいだろうか。
通信局の裏口のドアの横で壁に寄り添う。どうやら制限領域はかかっていないらしい。
ドアを開けて突入!するが...もぬけの殻。代わりに死体とガラスの破片がそこらじゅうに飛び散っていた。強烈な死臭にむせそうになる。
手信号で意思疎通し、3人一組でわかれて捜索を開始する。アイバーとは別の班だ。
一つ一つの部屋をくまなく探し、印をつけていく。
ちょうど7つ目の部屋に2人で入り、1人が廊下で見張りをしているとき、廊下から叫び声が聞こえた。急いで廊下に出る。
見張りが病んだ眼をした少女に首をつかんであげられ、もがいている。
「ハハハハハハハ、そうそう、そのもがき様だよぉ!」
なんだこの少女...俺よりも2,3歳若いぐらいか...
そんなことより、抜刀して切りかかる。相手が少女だろうが関係ない。
少女はつまらなさそうに見張りを放り投げ、戦闘態勢に入る。
見た限りでは武器は持っていない。おまけに服もみすぼらしくぼろぼろだ。どうやって基地局を襲った?
「さっさと楽しませろよ、まとめて全員内臓までぐちゃぐちゃにしてやるよ!」
汚い言葉とともに、空手のように素手を振りかざしてくるので、後ろによけた。
頬が切れた?
こいつ、手を剣に変化させた!?そんな魔法聞いたことがない。しかも切れ味もいい。AUGUSTAを撃っても、手を盾に変化させて防御してくる。
「どうした、おめーら兵士じゃねえのか?脳みそかき回すぞ?」
防御するのが精いっぱい、とても反撃に転じる余裕はない。
こちらが荒い息をしているのに、少女は疲れた素振りしか見せない。
どうする、俺!