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Infinite Justice  作者: 32F°大佐
第1章 "Si Vis Pacem, Para Bellum"
7/56

第六話 "雪、雪、雪。"

どうして、こうなった...

寒い寒い北海道の雪の上で横たわる。全く動けやしない。

死ぬのかな、俺。ゆっくりと意識が遠のいてきて、深い眠りに落ちた。


――――時を少し、遡ってみてみることにしよう。


 NSC(国家安全保障委員会)にいた俺は、目の前のパソコンがテレビ電話を着信したことに気付く。上官からの着信なので、拒否するわけにもいかない。

「北海道でNSC(国家安全保障委員会)の要員が一人MIA(行方不明)になった。至急捜索に向かってくれ。」

なんで北海道?

「連隊かなんか、動かせないんですか?しかも北海道ですよ。連合軍に任せればいいんじゃ...」

「こっちのことは、こちらで処理しろとのお達しが来た。これ以上、被害を増やしても困るんでな。一人での任務だ。地図情報と、要員の情報を転送する。飛行機は手配してあるんで、頼んだぞ。」

ようするに捨て駒って意味だろ...ったく、誰だよ要員って...


思わず要員情報を見て、コーヒーを吹き出す。アイバー曹長ですか。アイバーですか。アイバー曹長ですかぁぁぁぁぁぁぁぁ?

何やらかしたんだよ、あいつ。早く助けに行かないと、殺される気が...



で、北海道到着。


 もともとあまり都会的ではなかったらしいが、おそらく戦争のせいだろう、札幌都市部以外は破壊されてる建物が結構あった。もともと自衛隊が陸戦に備えていたおかげで、基地だけは相当数ある。経済効果がある一方、戦争が起きたら割と優先的に狙われる、二面性を持った場所だ。普段なら暑くてとても着ていられない戦闘服も、この寒さでは全く気にならない。


 

 タクシーで平野のこれる場所まで来る。幸い、この土地は軍人が住む町とだけあって、街中で軍服を着ていても何も睨まれることもない。東京だったら、左翼団体がギャーギャー喚きだすだろう。形だけの、情報操作された左翼が。世間話をしていたが、降りるときになってなんでこんな場所に来るのかということを聞かれたので、無言で通常の運賃の2倍の金をつかませておいた。金を使う場所もあるわけじゃない。


 さっそく平野に突入するが、これが意外ときつい。鍛えられた体でさえ、魔法なしでは悲鳴を上げる。魔法使用許可は出てないけど...身体能力ぐらいいだろ。さっそく命令を破って体を楽にするのであった。 


 遥か後ろに、人の気配がする。銃声とともに、自分の頭をかすめる。こんな時にスナイパーが狙ってきやがった。

とっさに匍匐姿勢にはいるが、AUGUSTAで狙える限界の距離は、せいぜい200m。

 おそらく距離は、800~1200m。当たらなかっただけ幸運といえよう。

「ちっ、正当防衛だから、魔法攻撃でも問題ないはずだよなぁ...AUGUSTA、Lv.1(レールガン)になってもらおうか...」

レールガンを改めて構える。射程は2000~3000m。こう見えても自分の戦闘力は日々磨いている。

充電して、引き金を引く。おそらく命中したが...


 その時だった。

「久しぶりだなぁ、高橋龍河。」

この声は...ブラック!相変わらず黒い服にフードをかぶっている。逃げるか?戦うか?

とりあえず、レールガンの引き金を引く。

「どうした?この程度の攻撃か?」

彼の手にはレールガンの弾が握られていた。

冗談だろ?レールガンの弾だぞ?ヘリや戦車を一発で落とすような兵器を、いともたやすく手で受け止めただと...?

「どうした、下衆チキン坊主、さっさとかかってこないのか?」

その言葉で、一気に頭に血が上った。刀を引き抜いて、突撃し、一太刀浴びせようとする。

「戦場で、挑発に乗ることが、命取りになることがわからないのか!!」

激しい言葉とともに激しい膝蹴りをみぞおちにぶち当てられる。相手の動きが全く見えない。吐血してうずくまる俺の背中にわざわざ銃弾をぶち込む。

「雪とともに死ね。」


もはや、その言葉さえ聞こえてなかった。口と背中から血を垂れ流し、白い景色が赤く染められていく。助けを呼ぶにも、手が動かない。足も動かない。


どうしてこうなった...

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