第十四話 "Junge Japaner"
やっとシリアスになってきました...
いやあ、12話は酷かった。自分でも反省しています。
あともう少しかな、第2章までにたどり着くまで...
あれから数日後...
新兵を紹介する時だって言うのに、アイバーは完全に不機嫌そうだ...
まさかアイバーの父親だけでなく、もう1人新兵がいたとは...
これが何を意味するか。他から部隊を借りることもなく行動しろということだろう。
「はーい、注目!」
アイバーがかなりご機嫌斜めそうに俺とすみれを呼んだ。
「ラファイエット=ウィリアムズです。どうぞよろしく。」
アイバーの父親が、自己紹介をした。
「赤城大和であります!よろしくであります!」
なんか典型的でめんどくさそうな日本男児キター(・ω・)。
「そして、あんた!喜びなさい!」
アイバーがかなり不機嫌そうに、俺のことを指差してきた。そんな言い方で言われて、どうやって喜べと…
「高橋龍河軍曹、、あなたを曹長に任命します。」
異例の出世か...17歳でこんなに出世することは、何か裏があるのか...?まあ、どうでもよいか。
「ということは...アイバーと同じ階級か?」
「残念でしたぁー。私も少尉に上がったの。まだまだ私の下で働くのよ。あと、ついでに、赤城一等兵にこの施設を案内しなさい!」
「はいはい。わかりました。」
そういって大和専用のルームキーを受けとって、彼と一緒に歩き始めた。
「いやー、あの人がアイバーさんでありますかー。やっぱり本物はすごいであります。」
「どういうことだ?」
「あれ、知らないでありますか?加恋さんは、アイバー財閥の後継者ですよ。」
「はああああああああああああああああああああ?そんな、財閥なんて...なんでそんなやつが、軍隊所属なんだ?金は有り余ってるはずなのに...」
「アイバー家は、男女問わず軍隊に行って鍛えて来いという家訓があると聞いたごとがあるであります!」
やはり、あの女、並大抵の魔法使いじゃねえ...
「射撃場はどこでありますか?」
唐突に聞いてきたので、拍子抜けした。
「ああ、地下にあるけど、行く?」
そういって射撃場へと足を運ぶ。
「うわさだと射撃に関しては、腕が利くと聞いたでありますが、お相手なさってくださいであります。」
別に断る理由はなかったので、相手をすることにした。お互いに同じ拳銃を手に取る。
装弾数は、12発か...予備のマガジンはたくさんあるから弾数を気にすることはないが、次々に現れる的をはずすとしばらく撃てないシステムだ。多きすはずせばタイムロスになるし、かといって撃たなければ点数を稼げない。お互い同じ条件で同じ的を撃つ。自分の前方にある的を撃つだけだ。敵のを撃ったら反則。自分と敵はかなり離れているので誤射はめったにない。
絶対に勝つ。そして、意地を見せてやる。そう心に誓った。
試合時間は3分か…
「3、2、1、GO!」
サイレンの音とともに射撃を開始する。レベルは、特殊部隊向けで当たり前だが異常に難しい。訓練用なので、難しく設定されているのは当たり前なのだが。バンッ、バンッと銃声が鳴り響く。ただ目の前のものを撃ち抜くる。それだけだ。しかし、この新兵もなかなか腕が良い。むしろ、俺よりもうまいんじゃないか。いいや、そんなはずはない。AUGUSTAのバカに大きい反動で鍛えてるんだ。負けるはずがない。いや、負けられない。
しゅんと的をかすめる音がする。まずい、はずした!5秒間弾を撃つことができない。冷静になれ、冷静になるんだ。ペナルティーが解除されても一向に手がぶれて撃てない。しかし、バカの遺伝子はとめられない。気が付くと叫んでいた。
世界が変わっていき、自分だけ取り残される。そして俺は何かに取りつかれるような感覚になる。自分だけ世界をすべて見通しているような感覚。
何だ…この感覚は…今の自分?さっきはずす前まで戻っていく…?なんだったんだ?制限時間が20秒、いや、確かに20秒間ほど戻っている。うそだろ。しかし、かまわず射撃を続けている。
結果はぎりぎり自分が勝ったらしい。俺は全弾命中、大和は1発外したとなっている...
しかし、なんだったんだ?時間が戻った?時間を戻す?そんなことが可能なのか?放送で呼ばれていても全く耳に入らない。
「しっかりしてくださいであります。高橋大佐、放送で呼ばれているであります。急いでくださいであります!」
俺はうなずいて、すぐに指令室に向かう。