第十二話 "思い出せ!"
目が覚める...俺が起きたということは、おそらく朝。
なぜこんなあいまいな表現かというと、委員会の中の尋問室で俺は今鉄製の椅子に座っていて体は縛り付けられ、手足は手錠がかけられ自由がない。手は椅子の後ろにあり、手錠がどうなってるかなんて分かりもしない。そうそう、アイバーと戦う前のあの部屋。
誰がこんなことをした...?とりあえず落ち着くんだ、高橋龍河。焦っても仕方ない。記憶をたどってみよう。
京都のことで俺が落ち込んでいて、それでアイバーが酒飲もうって言って...アイバーの部屋に行った。とりあえずここまでは分かった。その次、ウォッカをがぶ飲みして...俺たち二人ともヘロヘロ。
で、キスしてタッチして...
「...ちょっと待てぇ!キスしてタッチしてピーだとぉ!いや、そこまでしたっけな…いや、酔った勢いでキスされたのは確実...いや、あいつ酔ってたのか?もしかして...それで俺を...」
思わず叫ぶ。
そこにご本人登場。
「目は覚めた?キスの時に口移しで睡眠薬仕込ませちゃった。手荒な真似してごめんねぇ。」
悪気はなかったの、てへっ♪みたいな感覚で俺の頭に拳銃を突きつける。言ってることとやってることが全然違う。
「キスの後はこんなプレイか?どうやら変わった趣味してるらしいな、曹長さん。」
思わずふざけた台詞を吐く。
「そうそう、この部屋は魔法妖術制限領域かかってるのと変なことしたらこうなるわよ。」
そういって彼女は手に持っている煙草の箱ぐらいの大きさのプラスチックのようなものを俺の首に押し付ける。
「うがっ!」
体中に一瞬にして痛みが走る。スタンガンか...こいつ正気じゃねえ...魔法使いにとってスタンガンを使われることがどれだけ苦痛か。
「さて、本題に入るわよ。京都での軍事衝突の時、あなたは何をしていた?」
ECSを俺が撃ったときか...
「特に普通の任務だよ。それがどうしt…うわぁぁぁぁx!」
またもや大電流が走る。瞳孔は思いっきり開き、口は閉められずよだれがあふれる。
「素直に白状しなさい。S級任務を受けときながら黙っとくつもり?何をやったの?核?衛星砲?魔法?そうそう、次はもう1000000Vあげるわよ。」
人のやることかよ...次拒否したら心臓がおそらく止まるだろう。アニメやドラマではスタンガンは簡単に気絶するように演出されている...実際はそうではない。痛みが走るか死ぬかのどちらだ。
「...俺は何も知らない...うぇくぃいjfwlbkmdこsぴgじぇt!...」
「死んだわね。」
一瞬にして視界が奪われ、体から力が抜ける。
...また目が覚める。俺は今度は地面に横たわっている。またアイバーとキスしている。
こいつ...ヤンデレかよ...
「あ、生き返った。心臓止まったからどうなるかと思ったわ。心肺蘇生術で何とかしたけど。次言わなかったらもう一回ね。」
「元帥に...命令されて...AUGU...STAにでかい装置を取り付...けて...ECS拡散砲として...使って...京都を...破壊した...その時に女に襲われて......ブラックに...助けられた...」
「よし、ありがと。ごめんなさいね。こうしたくはなかったけど、こうでもしない限りはなさないでしょ、どうせ。」
確かにそうだ。だが、ここまでしなくても...
彼女の背中で運んでもらい、部屋まで行く。
「なぁ...昨日の夜、俺たちは何をしていたんだ?」
「覚えてないの?キスして、それから...
――――――――大人の事情により省かせていただきます。――――――――――――
龍河「作者ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」