第九話 "しんたいへんか。"
糞、アイバー、早く気付いてくれ。あいつなら、打開策を何か知っているはずだ...
一か八か、かなりの魔力を消費してでも発動する価値があるか...
入隊テストの時に発動した、刀を地面に刺して魔法をかけて一気に衝撃波、爆発を起こす技。あの時は魔法の扱い方がわからなかったけど、今ならいけるか。まだ名前は決めてない。名前を決めればいちいち説明しなければならない(作者の)労力を省くことができる。
「零式波動波!」
ものすごく痛いネーム。だが仕方ない。あくまで末期厨二病発症者である作者が書いた小説だ。ここは我慢しよう。
辺り一面俺を中心に、恐ろしい爆発音、そしてフラッシュグレネードのような光。周りの者が吹き飛び、バラバラになる。あの時の比ではない威力だ。
「骨のあるやつが出てきたじゃねえか。おもしれえ...!」
少女、まだ生きてます。あんな爆発を食らい、体中から血を流していて、それでもまだ満面の笑み。効果はあったが、消費した体力に見合うほどではない。
その時、俺の顔を後ろから来た矢がかすめる。
「待たせたわね。」
その声だけで、救われた気分になる。
「目標、手足を変化させる能力を有しています!」
「そいつは身体変化よ!」
「トランス?」
相手の攻撃を捌き、弓矢で支援してもらいながら遠い距離での会話だ。はっきりと、わかりにくい言葉を使わずに話すように努める。
「非常にまれなタイプな魔法使いよ!弱点は電気!普通の魔法使いは電気に弱いけど、それ以上に弱いはずよ!電気系の魔法を発動できる人もまれだけど。」
じゃあ、どうする?
待てよ、電気...?
レールガンは、電気を使う。
魔法を電気に変える。そしてそれを推進力として使う。
刀をしまい、素手で戦う。軍で学んだ戦闘術。非常事態以外には使うなと言われた術。
使いようによっては軽く人も殺せる。
相手の動きは早い。だが、付ける隙はある。
「チェストォォォォ!」
みぞおちにグーを一発、相手がうなだれている間にさらに蹴りを入れて、
AUGUSTAをLv.1、レールガンを弾を装填せずにフル充電のみの状態で、銃口を相手の口に押し込む。
そして...引き金を引く。
「ぎゅだsfbjdklfhなlshfごいあ;g!!!!!!!!」
大電流に痺れ、言葉とも取れない獣が発するような言葉を発しながら、少女は白目をむいて倒れる。
「よく、そんなこと思いついたわね。感心するわ。」
アイバーが少女の姿を見ながら、若干引き気味に俺に近づきながら話す。
「おそらく、まだ生きてるわ。早いうちに...移送しましょう。」
相手が少女だったことを、改めて思い、なぜあんな方法で無力化したか後悔した。
だんだん、人としてのまともな思考が薄れてきているのかもしれない。
そうかもしれない...