くじ引きタイム
拍手小話No.7
本編18話参照
都合により音声のみでお送りします
「ライカ、逃げないように押さえといて」
「はい」
「何が出るかな~? ……おっと、第一弾からまたマニアックな……」
「?! プギィイイ!!」
「尻尾にリボンでも結んでみようか」
「……知らないうちに肉になってそうですね」
「プギッ?!」
「…………さーて次いってみよ~」
「お次は――あ、これは当たり?」
「ニャーッ!」
「餌はネズミでいいんでしょうか」
「ミギャ?! フギャーッ! シャーッ!!」
「え? 嫌? 贅沢だなぁ。んじゃ、次ね」
「……ネズミが嫌だと言ってるんじゃないと思いますけどね」
「ハイ、第3弾~! あれま、可愛くなったね」
「ピ! ピィピィッ!!」
「餌ネタ引っ張るなら、今度はミミズかなぁ」
「ピピィ?!」
「飛ばしたら帰ってこないんじゃないですか? 猛禽類とかにやられて」
「ピ?!」
「ハイ、次~」
「第4弾は ――……うわわっ?!」
「おや」
「おい! 貴様らいい加減にしろ!」
「ちょ、こっち見ないで、気持ち悪い」
「へぇ、これが口を利くってことは、あの人面芋虫って喋れるってことですかね」
「いや、どうでもいいっていうか無理無理無理無理。次!!」
「だから、やめ……っ」
「ハイハイ、お次は! あ、虫続き」
「……!」
「そういえばリコさん、蜘蛛は平気ですよね」
「うん、なんともない。けど、これ持って帰ったらペオニアたち泣きそうだよね」
「まぁ、そうでしょうね」
「仕方ない、次」
「第6弾! お、初の爬虫類」
「シャーッ!!」
「蜘蛛も蛇も平気で、どうしてあの芋虫だけダメなんです?」
「こっちが訊きたいそんなのー」
「はあ。とりあえず、これも無理でしょうね」
「そうだねぇ」
「はい、次。もうそろそろ飽きてきたよ? って、珍しいの出た」
「これは豚以上に食べられそうですけど」
「ミソ美味しいよね。中身はちゃんと詰まってるかな?」
「?!?!」
「あなたが食べるんですか? お腹壊しますよ」
「あ、泡吹いてる。もったいないけど、食べたくなるから次で」
「次…… あ! ちょ、水ないのに!」
「海産物続きですね。テトロドトキシンは猛毒なので、素人にはお薦めしませんが」
「いや、食べないから! さっきの冗談だから! 水ないし、次次!」
――中略。
「なんかもっとこう、さぁ。無難なとこ引かないの?」
「猫が一番マシでしたか」
「ゲコ! グェーコッ!!」
「蝿とかとってくれるかな」
「絶対無理だと思います」
「だよねぇ。もう次でラストにしよ。――祈れ」
「?!」
「おやおや」
「わぉ。最後の最後で当たりかな」
「グルルルルッ」
「何? まだやる?」
「…………ワゥン」
「よし。納得したみたいだし、あんた今日からうちの番犬」
「歯向かったら、麻酔なしで牙を全部引き抜いてあげますから、そのつもりで」
「毛毟るくらいで許してあげようよ。――さて、町長かなり待たせちゃったな。行くよ、ウィード」
「グルゥ……」