女王様のご主人様と奴隷
拍手小話No.1
SとかMとか+微妙にぬるい表現があります
苦手な方は飛ばしてください
私――いいえ、今の現状では『ワタクシ』と言うべきかしら?
ともかく、ワタクシは今、人生最大級の危機を連続で体験中よ。
どういうことか?
そんなの、ワタクシの方が説明してほしいわっ!
「この僕を2年以上も待たせるなんて……ソニアは悪い子だね? どんなお仕置きをしてあげようか……?」
低い声が耳元に囁きかけ。
「2年以上放置されるなんて、俺もう……もう……っ。ああ、でもソニア様のその蔑むような目、ずっと待っていました……もっと、もっと蔑んでください!」
黒いピンヒールを履いた足が持ち上げられ、その爪先に唇が落とされる。
目の前にいる2人の男――そっくりな見た目で、中身が正反対の双子は、ワタクシの制止の声など聞きもせず。
片方はワタクシの顎を掬い上げ不穏なことをのたまい、もう片方はワタクシの前に平伏し気持ちの悪い発言を繰り返す。思わず睨みつければ、輪をかけて恍惚とした表情を浮かべるという悪循環。
変態。
まごうことなきド変態だわ。
見た目が美しくなかったら、より一層救いがないところ。しかし幸いなことに2人とも真っ黒で艶々とした髪に、緑の瞳で、とても麗しい顔をしている。
ええ、顔だけね!
「ちょ、ちょっとお待ちなさい、あなたたち――」
「もう黙って……ソニア」
囁き声と共に目の前の瞳が妖しく輝いて、問答無用で唇が重ねられた。
悲鳴すら飲み込むように深く深く。無理やり侵入してきた舌が、ワタクシのそれを絡めとって、ねっとりと舐め上げる。
「んぅっ……んんっ!」
かと思ったら、舌先を噛まれて鈍い痛み。
顔を顰めれば、うっとりと吐息が零された。
「ああ……ソニア、その顔すごくいい…… もっと見せて……」
(ひぃぃっ)
上だけでも手に負えないのに、もう1人に掴まれた足がいつの間にか素足にされ、指の間に丁寧に舌を這わされる。
「やっ……ぁ、ん、んぅ……」
驚いて上げた悲鳴もまた、再び被さってきた唇に掻き消されてしまった。
「素敵なお仕置きのお礼に、今度は俺にご奉仕させてください……ご主人さま」
いらない。
本当にいらない。
しかしいつの間にかベッドに押しつけられ、抵抗もできないままワタクシはどんどん力が抜けていって――……。
結果から言うと、2人ともやたら上手かったわね。何が? ……聞かないでちょうだい。
死ぬ気で抵抗できなかったのにも一応訳があるのよ。
ワタクシも状況が分からないから詳しくは言えないけれど、ワタクシはあの変態双子を知っていたから。
“初めて”会った時の、2人のあの目を見てしまったから。
今思えば、目を合わせたのが失敗だったと思うわ。
あれさえなければ、『私』は……双子のために『ワタクシ』でいようとは思わなかったのに。心からそう思うわ。
「ソニアは本当に素敵だね。さぁ、今日はどうしてほしい? どうされたい? 正直に言ってごらん?」
「なら何もしないでいてほしいわ、リビダ……」
ワタクシがげんなりと言えば、弟の方が悲しげな声を上げる。
「ああ、ソニア様っ! 兄さんにばかりそんな羨ましい……」
「ビフィダはその辺に転がってなさいっ!」
俺にも! と足に擦り寄ってきたのを蹴飛ばせば、嬉しそうな悲鳴を上げて地面に転がった。
嗚呼、ワタクシの前途は多難だわ。
……言うほど嫌ではないなんて、絶対に認めないからっ!!
18歳以上の方へ。
この短編のロング版がムーンにございます。
激しく微妙なことになっていますが、それでもという方はムーンライトノベルズにて、
『女王様の受難』または作者名『雨沐』で探してみてくださいませ。




