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ヴェルデドラードの日常  作者: 雨根
本編幕間
14/74

モザイクプリーズ

拍手小話No.19

本編29話の後 チェスナット視点

「ふあぁぁ」


 ――午前5時。俺起床。


 隣で雑魚寝のファーとウィロウを足でつついて起こして、俺らは師匠の牧場へ向かう。


 昨日あんなことがあったからなぁ。

 師匠とライカリスさん、仲直りできてっかなぁ。


 そんなことを考えながら、牧場へついた俺たちを出迎えたのは――。



「ああ、おはようございます」



 世にも珍しく俺たちに笑顔で挨拶をくれたライカリスさんと、その腕の中に抱え込まれて藻掻いている師匠だった。


「ちょ、ホントにいい加減降ろしてっ。ライカ!」

「あはは。嫌です」


『………………』


 ええぇぇ……。

 何がどうなってこうなったんだ……?


 立ち尽くす俺たちに、ライカリスさんが流し目をくれた。

 いつも通り冷ややかではあるが、それでも機嫌がいいと一目で分かる。


「ぼーっとしてないで、早く作業に入ってください」

「作業の前に助けて! こいつ何とかしてーっ」



 無理です。



 師匠命令にしても、可能なヤツを頼みます。

 こんなの邪魔したら、俺たち全員墓場逝きッスよ……。


「へぇ? そんなこと言うんですね。私以外の人間に助けを求めるなんて、いい度胸です」

「黙れ加害者! ――く、クイーン……っ」


 その瞬間のライカリスさんの顔といったら……もう、まさに魔王降臨? って感じだった。

 に~っと楽しそうに笑って、師匠の顔を覗き込む。


 ちょ、顔近いなっ。

 うわあああっ、もう見てられん……っ。


 目を覆った俺だが、残念。音がしっかりと耳に入ってくるんだな!

 しまったっ、耳を塞ぐべきだった!


「いいんですか? 私には攻撃できないんでしょう……?」

「いや、もう、今ならできる気がするんだけどっ」

「……ふぅん。そうですか」


 ライカリスさんの声のトーンが下がる。

 ……で、


「――えい」

「~~~~っ?!」


 師匠の声にならない悲鳴が聞こえた気がした。


 え、何? 何したんスか、ライカリスさん?!

 うおおおおっ、想像するな! 考えるんじゃねぇよ俺ぇ!


 その時、目を瞑り、耳を塞いで硬直する俺の肩を誰かがつついた。

 師匠たちの方を見ないようにちょっとだけ目を開けると、何か、悟ったみたいな顔をしたウィロウが、俺の肩を掴む。

 くいっと畑の方を顎で示され、俺も悟った。


 ああ、いい考えだ。


 俺たちは頷きあって、そろりそろりと移動を開始した。

 その時、うっかり視界に入ってしまった2人は……ぎゃっ。



 ――うぅ、立体物(ニンゲン)にモザイクってどうやって貼ればいいんだ……?

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