表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
99/123

第二部37話── 蒼光水(そうこうすい)。光と理が交わる瞬間

【公国郊外・宿裏の練習場】


 翌朝。

 宿屋の裏手にある、簡易訓練場。


 朝日の色が薄青く、

 タクの背中の新刀が静かに光を返していた。


「……やるか。」


 タクはゆっくり刀を抜く。


 刀身には、夜よりもはっきりと

 光のルーンが脈打っている。


(グラドさんが言ってたな……)


 昨夜の言葉が脳裏に蘇る。



【回想──グラド】


『昔のぉ。源蔵が言っておった。

 だいぶ飲んでおったが……』


『“水には、静と動の二つの要素がある”とな!』


タク「……静と、動?」


『そうじゃ!!

 水は流れ、止まり、斬り、包み、砕きもする。

 そこに“光”を合わせると──』


グラドは胸を張って言った。


『“蒼光水そうこうすい”になるんじゃッ!!』


『名付け親はわしじゃ!すごいじゃろ!?ハハハ!』


タク「(いや源蔵が考えてたんじゃ……?)」


『源蔵も“それでええ”と言っとった!!』


(酔ってただけじゃねぇのか……?)



タクは苦笑しながらも、

刀を両手で構えた。


「……蒼光水そうこうすいか……。

 やってみるしかねぇだろ。」


ソフィアが腕を組んで見守る。


「焦らなくていいよ。

 光は急に扱うと暴れるから。」


キャスは隣でぴょんぴょんしながら、


「お兄ちゃんの新技!!見るーーー!!」


タク「いや見るだけじゃなくて避ける準備しとけ。」


キャス「えっ!?なんで!?」


タク「暴発したら迷惑かける。」


キャス「やだぁぁぁ!!」


 



【タク──蒼光水そうこうすい初実験】


タクは深呼吸し、

胸の奥の“理”へ意識を落とした。


(水の理……流れを読む……

 静の一点……動の裂流……)


 刀に“水の気配”が乗る。


そこへ──

ルーンの“光”が、薄く反応した。


ピシュッ……!


(動いた……!)


 刀身が蒼白い光を帯び、

 水色の残像がゆらりと伸びる。


ソフィア「……すご……。

 本当に水理と光が溶けてる……!」


キャス「わぁぁぁぁ!!きれーーい!!」


タクは半歩踏み込み、


「──如水・蒼光!」


スパァァァッ!!


 地面を“光の水”が走り、

 雑草の列が静かに裂けた。


 遅れて、砂が“蒼光”に照らされて弾ける。


タク「……これが……“蒼光水”……!」


だが次の瞬間、光が暴れた。


ピシッ!!


「うおっ!!?」


ソフィア「ちょ、タク!!広がりすぎ!!」


キャス「お兄ちゃああああん!!まってぇ!!」


光水が暴走し、

訓練場の地面に“蒼白の線”がガンガン伸びる。


タク「止まれ止まれ止まれえええ!!」


ソフィア「だから言ったのに!!」


キャス「ふゃああああああ!!!」


結局、

訓練場の地面に“謎の蒼光ライン”が10本ほど残った。


タク「……まだ制御できねぇな。」


ソフィア「当たり前よ。

 水理の“動”に光を乗せたら暴走するわよ。」


キャス「でもすっごく強そう!!」


 



【キャス──新篭手テスト】


キャスは胸を張って言う。


「次!キャスのばん!!

 えいっ!とうっ!やぁぁぁ!!」


 獣人用ガントレットをつけると──


キャスの跳躍が

明らかに3倍になった。


タク「お前、飛びすぎ!!」


キャス「すごーい!!お兄ちゃん見て!!」


タク「おい!戻ってこい!!」


キャス「やぁぁぁあぁぁ!!」


バシュンッ!!


ソフィア「ちょっと!?距離感バグってるわよ!?

 それ、完全に“獣王国の戦士クラス”の跳躍じゃん!」


キャス「えっへん!!」


タク(……可愛いけど、これ敵が見たら絶対引くな……)


 



【三人の未来の“形”】


蒼光を拾い、

タクは静かに刀に触れる。


タク「……この刀で、初代に届く日は来るのか……」


ソフィアは微笑む。


「来るよ。

 そのための光だし、

 そのための仲間なんだから。」


キャスがタクの腕に抱きつく。


「お兄ちゃんは、ぜったい負けない!」


タクは二人の顔を見て──

ゆっくり頷いた。


「……よし。

 蒼光水を使いこなす。

 キャスもその篭手に慣れろ。

 ソフィアは……杖だけで我慢しろ。」


ソフィア「なんでよ!!?」


タク「いや箒は危ないだろ。」


ソフィア「なんでバレた!?」


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ