第二部21話── 公国中央都市。禁書庫に眠る“500年の闇”**
【中央都市セントラル──白石造りの大都市】
公国の中心──セントラル。
石畳の大通りには商人と旅人が溢れ、
港町とも軍事都市とも違う“知と文化”の空気が漂っていた。
「わぁぁ……!!」
キャスの尻尾がぶんぶん揺れる。
「建物、全部大きい……!」
「中央都市は王様はいないけど、
“行政と学問の中心”だからね。」
ソフィアが得意げに解説する。
タクは街の奥にそびえる巨大な建物に目を向けた。
「……あれが、“中央図書院”か。」
「そうよ。
屍人(黒い人)のことを調べるなら、まずはここ。」
三人は白い階段を登り、
大理石の柱が並ぶ図書院へと足を踏み入れた。
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【中央図書院──古文書の閲覧室】
薄暗い部屋の中、
古い羊皮紙と魔術書が整然と並んでいる。
ソフィアは受付で手続きを済ませ、
三人は案内された閲覧室へ。
「ここが“闇関連の禁書”の部屋。」
ソフィアの表情がいつになく真剣だ。
タク「禁書……」
キャス「なんか、怖い……」
ソフィア「読むだけなら大丈夫。
触ったら呪われる本もあるけど。」
「そんな軽く言うなよ!!」
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【古文書の一節──500年前の記録】
ソフィアが慎重に手袋をつけ、
棚から一冊の古文書を取り出した。
「これ……“世界の核と闇落ち” に関する最古の記録。」
ページを開くと、黒い古代文字が並んでいた。
ソフィアがゆっくり読み上げる。
──黒い影、最初に現れしは約500年前。
その姿、人の如くして人に非ず。
闇に侵されし者は、北を目指す習性あり。
一所に留まる者もおるが、
時と共に、必ず“終焉の地”へ向かう。
──そは強く、
火・水・土・雷の魔法、一切効かず。
打ち滅ぼすは“光”のみ。
また、無の理も効果あり。
──闘えば、闇に落とされるであろう。
近づくべからず。
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【キャス──震える声】
キャス「……お兄ちゃん……
この本、昨日の黒い人のこと……そのままだよ……」
タク「……ああ。」
キャスはタクの袖をぎゅっと握る。
「ねぇ……みんな北に行くってことは……
お兄ちゃんたちと戦ったあの人も……
あれも……」
ソフィア「“終焉の地”へ向かう可能性が高い。」
キャスは小さく震えた。
「じゃあ……また会うの……?」
タク「……会うだろうな。」
キャス「……やだ……」
タクはキャスの頭に手を置く。
「大丈夫だ。
そのために、今調べてるんだろ?」
キャスは涙をこらえて頷いた。
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【ソフィアの解説──理の話】
ソフィアは更にページをめくる。
「ここも重要よ。」
──屍人は、理の強き者ほど狙う。
白石・赤石・黒石の血筋は特に危険。
闇は“理の力”を糧とし、それを奪う。
タク「……やっぱり白石と関係してんのか。」
ソフィアはタクを見つめる。
「タク。
あなたが狙われる理由、これで分かったでしょ?」
タク「……理を餌にされる……ってことか。」
「でも逆に言えば、
理を伸ばせば“対抗できる”ってこと。」
タク「そういうもんか……」
ソフィアは笑う。
「そういうもんなのよ。」
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【黒石初代との遭遇が“偶然ではなかった”と判明】
ソフィアは小声でタクに言う。
「タク、昨日のあれ……
黒石初代 清九郎 盛隆。
彼があなたの理に気づいた理由もこれよ。」
タク「……俺の“理の匂い”か。」
キャス「うん……お兄ちゃんの匂い、
黒い人……すごく反応してた……」
(……なるほど。
どれだけ逃げても絶対に来るってわけか。)
タクの目に、静かな闘志が灯った。
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【図書院・閉館時間】
「タク。
今日分かったことだけでも“大きな前進”よ。」
「そうだな……」
「明日からは“具体的な対策”を集めるわ。」
キャス「……屍人、ぜったい負けない……」
タク「よし。
三人でやるぞ。」
図書院を出ると、
夕日が中央都市の石畳を黄金に染めていた。
こうして──
黒い影(屍人)の正体が“文献”として初めて明かされ、
三人は次なる情報と対策を求めて歩き出した。
みなさま、年末年始は如何お過ごしですか?
私は、執筆に勤しんでおります。
少しでも正月気分を満喫しようと、お節料理を頼んでみました。では、引き続き、小説の方もよろしくお願いします。




