表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/123

第二部5話── 森の只中、雑魚とは言え数が多い!**

【公国へ向かう街道横の深い森】


 王国を発って二日。

 公国へ抜ける街道の端には、

 獣道のような細い道が続いていた。


「この先の森を抜ければ、公国の境よ。」


「思ったより暗いな……」


「魔物も多いしね。気をつけて。」


 ソフィアはローブの裾を軽く押さえながら進む。


 だが次の瞬間──


ガサガサガサッッ!!


 木の上、茂み、地面。

 あらゆる方向から魔物の気配が湧き上がった。


「うわっ、多くね!?」


「うん、多いねぇ……っと来るわよ、タク!」


 黒い影が木陰から飛び出す。


犬のようで、猿のようで、

口から毒液を垂らす魔物たち──

“腐れ猿犬ロットハウンド” の群れだった。


 


      ◆ ◆ ◆


【戦闘開始】


「タク、右から三体!」


「任せろ! 一式──如水・水刀鋭斬!!」


 タクが跳ねるように踏み込み、

 水の軌跡が空を裂く。


 薄く、ほとんど見えない刃が

 正面の魔物をまとめて三体、音もなく切り裂いた。


 


シュッ……!


ガギャァッ!!


「さすがね! じゃあ私も──

 光風ライトゲイル!」


 ソフィアが指を鳴らすと、

 風に乗った光の矢が数十本、木々の間を駆け抜けた。


ズババババッ!!!


 矢は弧を描きながら魔物を撃ち抜き、

 その光だけが残像のようにキラキラと森に散った。


「お前……今のすげぇな!?

 もっとなんか、こう……“どっかーん!”ってできねぇの?

 大魔法使いなんだよな?」


「はぁ?すると思う?」


「いや、なんか大爆発とか――」


「しないわよ。」


「ケチだなー」


「ケチじゃない。バカなの?」


「バカって言った!?」


 魔物がさらに迫る。


 


      ◆ ◆ ◆


【タクの疑問 → 世界観説明】


「でもよ、ソフィア。

 お前ほど強けりゃ……もっと強い魔法撃てんだろ?」


「撃てるわよ?」


「じゃあなんで使わねぇんだよ!

 “核撃魔法”とか……なんか派手なやつ!」


「タク。」


「なんだよ。」


「そんな魔法、この森で使ったら――」


「使ったら?」


「間違いなく“お尋ね者”になるわ。」


「…………は?」


 ソフィアは魔物を焼き払いながら淡々と続ける。


「ただの盗賊団どころじゃないわよ?

 軍、騎士団、ギルド、帝国の魔術管理局──

 全員に追われることになるわ。」


「えっ……なんで?」


「“核撃魔法”は国家級魔法。

 街ひとつ吹っ飛ぶの。」


「そ……そんな危険な……」


「そうよ。

 雑魚退治にあんなの使ったら、

 私がまずアンタを縛って連れて帰るわ。」


「お前が捕まえるのかよ!!」


「当然でしょ。

 ……ほら、喋ってないで手を動かして!」


「うわっ、まだ来るのかよ!?」


 


      ◆ ◆ ◆


【連携の進化】


 タクは深く息を吸う。


(まずは理を読む……右斜め後ろ……!)


「ソフィア、後ろ三体!」


「任せて!」


「接近──一式、二連!!

 如水・水刀二段!!」


 タクの刃が二重に重なり、

 迫る魔物の群れを一瞬で切り裂いた。


「タク、上! 木の上!!」


「くっ! 迅雷──空歩!!」


 タクが空気を蹴って跳び、

 雷撃で空中の魔物を貫く。


ズガァァッッ!!


「やるじゃん!」


「お前もな!」


「うん、私は天才だから♪」


「……自分で言うな!!」


 言い合いながらも戦いは確実に終わりへ向かう。


 数分後。

 あたりは静寂に包まれた。


 


      ◆ ◆ ◆


【異変──気配】


「……終わったか?」


「終わったね。

 でも……」


 ソフィアが眉を寄せた。


「タク、感じない?」


「……何か、奥に……」


 タクは“理”で風を読む。


 森の奥の奥。

 腐った血の匂い。

 小さな呼吸と、苦しそうな心臓のリズム。


「誰か──倒れてる?」


「行こ!」


 二人は森の奥へ駆けた。


木々の間で――


血まみれで倒れている、

猫耳の少女を見つけた。


胸が上下し、呼吸は浅い。

背中には深い裂傷。

牙の跡。

爪の跡。


「ソフィア!!」


「わかってる! 今すぐ治療する!!」


こうして――

キャスとの運命の出会いが訪れる。


───────────────────────────

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ