表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/123

第55話── 二段攻撃。迅雷を超える“殺意”**

 双頭の大蛇は、

ただ巨大なだけの魔物ではなかった。


 理解してしまった。

 “速い”のではない。


速さの質が違う。


 蛇特有のしなりと、異界の瘴気、

そして二つの頭が“完全に別個で狙う”という異常。


(まずい……

 まずい……一瞬たりとも止まれない……!!)


 


     ◆ ◆ ◆


迅雷空歩──反応はできる。だが追いつかない。


 黒い頭が低く構え、

蛇道を描く軌道で襲いかかってくる。


「迅雷空歩!!」


バシュッ!


 拓海の身体が地面から半歩浮き、

滑るように横へ逃げる。


 避けた──


はずだった。


ガッ!!


「……え?」


 視界が揺れた。


 黒い頭の尾が、

避けた先に“回り込んでいた”のだ。


(そんな……

 あの速度で……

 軌道を変えた……!?)


 脇腹を打たれ、

身体が宙を舞う。


ドサッッ!!


「っ……ぐ……!!」


 肺から空気が抜け、血の味が広がる。


(やばい……

 一瞬で……死ねる……)


 


     ◆ ◆ ◆


二段攻撃──赤い頭が追い打ち


 大地が震えた。


 黒い頭はまだ“攻撃態勢”のまま。

 その裏で──赤い頭が口を開く。


ガアァァァァ……ッ!!


 腐敗息が溜まる音がする。


「まずい……!!」


 身体がまだ動かない。

 脇腹が痛む。

 視界が霞む。


(撃たれる……!!

 避けられない……!!)


 


     ◆ ◆ ◆


雷歩の“残像”でかろうじて逃げる


「……動け……動けぇ……!!」


 拓海は残った気を全て脚へ集中させた。


「迅雷空歩・解放──!!」


バチッ!!


 雷気が一瞬だけ脚から走り、

身体が残像のように横へ飛ぶ。


 ギリギリで──

腐敗息が地面を焼き裂いた。


ドゴォォォォ!!!!


 土が爆ぜ、木々が炭のように崩れた。


(……あと数秒遅れてたら……

 消し飛んでた……)


 息が荒い。

 片膝をつく。


(……やばい……

 まじでやばい……!!)


 


     ◆ ◆ ◆


静の技は封じられた。雷も追いつかない。


(この距離じゃ……

 水の技が全く届かない……!!)


 黒い鱗は刀を弾く。

 赤い頭の瘴気は近づくだけで危険。


(近づけば死ぬ。

 遠ざかれば殺される。)


 そして一番致命的なのは──


(迅雷空歩……

 これでさえ……追いつかない……!?)


 


     ◆ ◆ ◆


大蛇、本気の構え


 双頭の大蛇の身体が沈む。


 右と左、二つの頭が同時に拓海へ向く。


 これまでで最も強烈な、

“殺すためだけの構え”。


(くる……!!

 本気だ……!!)


 脇腹の痛みを抱えながら、

拓海は立ち上がる。


(でも俺は逃げない!

 ここで引いたら……

 ガイルたちが……死んだ意味がなくなる!!)


 刀を構え、足を踏みしめる。


(耐える……!!

 絶対に……生き残る!!)


 森の空気が裂けるように震えた。


双頭の大蛇が──飛びかかってきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ