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第20話 如水流斬の実戦鍛錬と、迫る影

 魔獣の異常行動を目撃した翌朝。

 異世界の空は薄曇りで、街全体に静かな空気が流れていた。


(昨日みたいなのが本格的に来たら……

 俺、本当に何もできなかったよな……)


 胸の奥に、悔しさが残っていた。


(もっと強くならないと……

 少なくとも、足を引っ張らないくらいには……)


 拓海は道場へ戻ると、

日本刀を手に取り、庭へ出た。


     ◆ ◆ ◆


如水流斬──実戦向けの訓練


(昨日みたいな斬り方じゃ……魔獣は倒せない)


 如水流斬は

“水のように抵抗を避け、流れを活かす斬撃”

それを実戦で使うには、もっと深く理解する必要があった。


(川の流れ……障害物を避ける……

 相手の動きも、その流れに含める……)


 拓海は木の枝を的にし、刀を構える。


ス……


 一閃。


 枝は落ちる。

 しかし──


(これじゃまだ弱い……)


 次は斜め後ろの木へ向けて踏み込み、

角度を変えて斬る。


シュッ……!


 空気を滑るような音がした。


(……少しだけ、“流れ”が速くなった?)


 技が“自然に動きへ溶ける”感覚がある。


「……なんか……分かってきたぞ」


 拓海は刀を構えたまま、足の運びを何度も確認した。


水は止まらない。

 水は詰まらない。

 水はぶつからない。

 ただ、目的地へ流れる。


(相手がどこへ動いても……

 その動きごと流れに入れるのが、如水流斬……)


 思考がまとまった瞬間──


スパァン!!


 さっきより一段強い斬音が走り、

枝が軽々と割れた。


「……よし!」


 少し調子に乗って、地面の小石にも向けてみる。


如水流斬──


シャッ!!


 小石が見事に真っ二つ。


「っしゃあ!!

 絶対昨日より強くなってる!!」


 拓海の声は、少し弾んでいた。


     ◆ ◆ ◆


蒼狼隊、再び現る


「おい、新入り。朝から精が出るな」


「!? ガイルさん!」


 声のした方を見ると、

蒼狼隊の三人が立っていた。


「昨日の件……ギルドが緊急調査を出した」

 ガイルが腕を組む。


「魔獣の群れの動きが変です。

 “何か”が森の奥にいる可能性があります」

 リーナが言う。


「俺らは調査班に加わる。

 今日はその打ち合わせに来た」

 ヴォルクが盾を軽く叩く。


(……やっぱり、ただのイノシシじゃなかったんだ……)


 ガイルが拓海の刀を見る。


「お前……斬れるようになってきたな」


「わかるんですか!?」


「ああ。斬った後の空気が違う。

 水の技を持つ奴特有の“残り流れ”がある」


(残り……流れ……?

 そんなのあるんだ?)


 ガイルはふっと笑った。


「よし、今日の午後……お前の腕を見てやる。

 実戦に混ぜる前に、どこまでやれるか確かめる」


「えっ、まじですか!!」


 リーナが優しく笑う。


「大丈夫です、手加減はしますから」


「手加減じゃなくて叩き潰すけどな」

 ヴォルクが肩を揺らして笑った。


「やめなさいヴォルク」

 リーナが即ツッコミ。


三人の空気は明るいのに、

どこか“戦う者の緊張”がにじんでいた。


(……なにか、本当に起きているんだ……)


 拓海の胸が静かに熱くなる。


「午後、裏の訓練場で待ってる。

 本気で来いよ、拓海」


「はい!!」


 蒼狼隊が去っていく後ろ姿を見つめながら、

拓海は刀を握りしめた。


(……絶対に、もっと強くなる)


 心の中で小さく誓った。



**(つづく)



少しづつ、PVも増えてきて、嬉しく思ってます。

今後とも、応援よろしくお願いします。

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