第18話 初めてのギルド登録と、冒険者との出会い
朝の異世界の街は、昨日よりも少しだけ活気があった。
荷馬車が石畳をきしませ、
市場では早くも果実の箱が積み上げられている。
(……ギルド、行ってみるか)
拓海は軽く伸びをして歩き出した。
昨日の“買い物成功体験”と、
如水流斬の初成功で、
心の奥がふわりと軽くなっている。
◆ ◆ ◆
冒険者ギルド──初めて見る建物
通りを抜けた先。
ひときわ大きな石造りの建物が目に入った。
入口には、剣と盾を模した看板が掲げられ、
扉を開けると、木の香りと人の声が混ざり合う。
(うわ……
普通に“それっぽい雰囲気”出てる……)
広いカウンターの奥には職員らしき女性、
壁には討伐依頼や輸送依頼の紙がずらりと並ぶ。
◆ ◆ ◆
受付の女性
「いらっしゃいませ。
冒険者ギルド・シュパイン支部へようこそ」
さらりとした銀髪の女性が微笑んだ。
「冒険者登録をご希望ですか?」
「はい。お願いします」
「ではこちらの用紙に、
お名前・種族・年齢・武器・使用できる技を記入してください」
(……現代の役所かよ!)
拓海は心の中で突っ込みながら書き込む。
・名前:白石拓海
・種族:人族
・年齢:17
・武器:日本刀
・使用可能技:如水流斬(初級)
「はい、ありがとうございます。登録料は 小銀貨2枚 です」
(小銀貨2……2000円……安い!)
小銀貨を渡すと、
受付の女性はにこやかに頷いた。
「白石拓海さんを Fランク冒険者 として登録します」
「Fランク……一番下?」
「はい、ここからです。
ただし、日本刀の使い手は珍しいので期待できますよ」
その言葉に拓海は少しだけ胸を張った。
◆ ◆ ◆
現れた、Bランク冒険者チーム
登録証を受け取り、
依頼掲示板を眺めていると──
「おい、新入りか?」
背後から声がした。
振り向くと、
三人組の冒険者が立っていた。
⸻
◆ リーダー:ガイル(Bランク剣士)
・大柄で厳つい
・だが目つきは優しい
・使用武器:大剣
・口調:兄貴分
・出身:ラインハルト公国の辺境村
⸻
◆ 弓使い:リーナ(Bランク)
・エルフ
・静かでクール
・使用武器:ロングボウ
・言葉遣い:丁寧で柔らかい
・出身:亜人族領の森
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◆ 盾役:ヴォルク(Bランク)
・獣人(狼系)
・見た目は怖いが義理堅い
・使用武器:タワーシールド
・出身:獣王国
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「ガイル。
新入りを脅かすのはやめなさい」
「脅してねえよ! 挨拶だろ!」
リーナが呆れ、ヴォルクが笑った。
「お前、武器は何だ?」
「あ、日本刀です」
「ニホントウ……?
ああ、東の方で使われる細身の刀か」
ガイルが腕を組んで拓海をじっと見た。
「Fランクにしちゃ、いい目してるな。
……気配の取り方も悪くねぇ」
「え!? なんでわかるんですか?」
「戦場で“強い奴の雰囲気”はわかるもんだ」
(……俺、強いのかな……?
いや、昨日から調子乗ってる気もするけど……)
リーナが一歩前に出て微笑む。
「白石さん。
もしよければ、依頼を一つご一緒しませんか?」
「え?」
「Fランクの初依頼は危険になりやすいので。
安全のため、Bランクが同行することもあるのです」
ヴォルクが尻尾を振りながら言った。
「軽い護衛任務だ。飯代くらいは稼げるぜ!」
(……行きたい……!!)
異世界の街で食べた定食を思い出す。
(飯代……稼げる……
いや、それより冒険……やってみたい……!)
「お願いします!!」
三人が笑顔になる。
「よし、決まりだ!
新入り、俺たち“蒼狼隊”が最初の相手だ!」
(かっこよ……)
拓海は胸の奥が熱くなるのを感じた。
⸻
**(つづく)
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