第二部58話── 四人全開。霧谷の反撃、始まる
すいません。体調崩してました。
これからもよろしくお願いします。
【霧谷・黒の大渦の中心】
黒霧はうねり、空気は刺すように冷たい。
理の乱れが重なり、“終わり”の気配すら漂っている。
さっきまで四人の行動を阻んでいた
黒死龍の亜種が、
まだ周囲で数十体も蠢いていた。
だが──
四人の表情は、もう“恐れ”を失っていた。
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【蒼光──タク】
タクが刀を構えた瞬間、霧が裂けるように静まった。
タク
「……行くぞ。
蒼光水──“静動一閃”!」
足元の空気が一瞬、沈む。
次の瞬間──
蒼白い水光の軌跡が横一直線に走った。
音が遅れてついてくるほどの斬撃。
黒死龍三体が、何が起きたか分からぬまま倒れ込む。
タク(まだ……荒いな。
でも一歩は踏み出せた)
その目には、迷いではなく
“初代に向けた覚悟”だけが宿っていた。
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【蒼炎──悠真】
悠真
「タク、道ありがとな! このまま押し上げるぞッ!」
悠真の炎が唸りを上げる。
赤い炎は光を巻き込んで変質し──
淡い蒼に変わった。
ソフィア「また進化してる……!」
悠真
「蒼炎奥義──《鳳焔穿》ッ!!」
蒼炎が槍のように細く鋭くなり、
前列の黒死龍をまとめて貫く。
ドゴォォォン!!
蒼の爆ぜる音と共に、霧が一気に引いた。
悠真(光を混ぜると……
タクの“流れ”と重なる……面白ぇ)
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【光魔法──ソフィア】
ソフィア
「遠距離は任せて!
光風陣──《ライトゲイルサークル》展開!」
十枚の魔法陣が霧谷の空間を明滅する。
光の暴風が黒霧そのものを巻き込みながら広がった。
霧谷の黒霧は闇属性が濃く、
光の魔法と“相性最悪”だった。
だからこそ──
黒死龍たちは光に触れた瞬間、
苦鳴も上げられず霧の粒になる。
タク「広すぎだろ……!」
ソフィア「闇と光は相性が最悪なのよ♪
ここでは“本職補正”が強いの♡」
悠真「本職って言いながら、撃破数がバケモノみてぇだぞ……」
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【獣化+武器同期──キャス】
キャスの髪がふわりと浮き、
瞳に金色の縦系が宿る。
キャス
「お兄ちゃん!!
ちょっとだけ……強いの使ってみる!!」
タク
「無茶すんなよ! でも任せた!!」
キャス
「いっくよぉ!!
獣化──《獣皇相・未形》!!」
黄金の閃光が爆ぜる。
完全な王族覚醒にはまだ遠い。
だが“一瞬だけ”王族の片鱗が重なる。
キャスの輪郭が揺らぎ──
次の瞬間には、五体の黒死龍が崩れていた。
タク(……まだ、完全じゃない。
でも、十分すぎるほど強い)
キャス
「まだまだぁぁあッ!!」
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【四人──“噛み合い”は最高潮に】
黒死龍は残り三十体。
だが、四人が動くと──
タクが蒼光で風穴を作り
悠真が蒼炎で前列を吹き飛ばし
ソフィアが光により霧そのものを削り
キャスが残った個体を刈り取る
全ての動きが“当然”のように連動していた。
悠真「……おいタク。
やべぇなこれ。動きが全部ハマってる。」
タク「今は……全員の気が一致してるんだよ。」
キャス「うん!!今なら……もっと行ける!!」
ソフィア「じゃあタク、ラストよろしく♡」
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【終の斬──蒼天裂波】
タク
「……行くぞ。
如水──蒼光水・終ノ型……」
周囲の霧が止まる。
大気の流れすら静まる。
「──《蒼天裂波》ッ!!」
バァアアアアアッ!!!
蒼の奔流が放たれ、
黒死龍の群れが
“中心から二つ”に割れて消えた。
霧谷の震動が静まる。
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【そして──静寂の奥から】
タク「……これで終わりか?」
悠真「いや。違う。
“核”の気配がまだある。」
ソフィア「霧が……揺れてる……
この奥……別の位相……?」
キャス「お兄ちゃん……見て……」
霧の奥。
黒い裂け目がゆっくりと揺らめいていた。
まるで“門”のように──
理が歪み、世界と世界を繋ぐように。
その奥から。
【……クク……聞こえるか、白石の子……】
タク「……初代……ッ!!」
黒石 清九郎 盛隆の声が、
霧谷全域へ響き渡った。
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