第二部54話── 黒災、三国を襲う。公国防衛戦 開幕
【公国・城壁上──黒炎の柱、接近】
警鐘が鳴り響く。
甲冑の音、叫び声、指揮の声が
公国全土を揺らした。
兵士
「黒い影が南の丘に出現!!」
「三体確認──いや、五体……もっと増えてる!!」
「魔法障壁、第二段階へ移行!!」
団長・グランドクロスは城壁上に立ち、
光学鏡のような魔具で黒炎を見た。
団長
「……やはり、来たか。」
黒炎は“歩く”のではなく、
地面すれすれを滑るように進んでくる。
その速度は、普通の魔物とは桁が違った。
ソフィア
「……あれ、上位屍人だ。
たぶん初代が直接“号令”をかけてる……。」
タク
「初代の号令……?」
悠真
「黒の頂点が、群れに“意思”を与える。
だから奴らは迷わず動く。
今回は──明確にターゲットが“公国”だ。」
キャスは尻尾を固く立て、
タクの腕をぎゅっと掴む。
キャス
「お兄ちゃん……怖いよ……でも……やる……!!」
タク
「……ああ。
一緒に戦うんだ、キャス。」
団長は4人の前に立ち、
剣を地面に突き立てて号令を発した。
団長
「紅の騎士団よ、全軍聞け!!
“黒の災厄”がついに公国へ到達した!!
これより防衛戦を開始する!!」
兵士たち
「「「おおおおおっ!!!」」」
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【黒炎の軍勢──公国へ襲来】
丘の上。
黒い霧の中から、
人型の屍人がゆっくり姿を現す。
顔の半分は闇に溶け、
目だけが紅く濁っている。
屍人
「……ころ……せ……ころ……せ……」
その声に、
兵士たちは震えた。
しかし──
タク
「一体ずつ来いよ……全部斬る。」
悠真
「俺も行くぞ。
タク、合わせろ。」
ソフィア
「援護は任せて。」
キャス
「お兄ちゃんと悠真くんの後ろ、守る!」
団長が叫ぶ。
団長
「第一波──迎撃開始!!
前衛、突撃!!」
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【開戦──タク&悠真の同時抜刀】
屍人三体が一斉に飛びかかる。
タクは蒼光を纏い、
悠真は蒼炎を纏う。
タク
「いくぞ、悠真!!」
悠真
「おう!!」
二人
「──同時抜刀《双閃・蒼牙》!!!」
ゴォォォォンッ!!
蒼光と蒼炎が交差し、
三体の屍人をまとめて“吹き飛ばした”。
屍人
「ギャアアアアッ!!」
ソフィア
「ナイス!右から六体来るよ!!
“光障壁!!”」
光の壁が兵士を守り、
屍人たちが叩きつけられる。
悠真
(ソフィアの魔法……いつもより速い……!)
タク
「キャス!!」
キャス
「うん!!いくよ──!!」
キャスがガントレットを構え、
金色の獣気が噴き出した。
「獣化──第一段階!!」
跳躍、突撃、連撃──
屍人の胸に三連撃を叩き込む。
屍人
「ガ……ア……!」
悠真
「キャス、後ろ!!」
キャス
「わかってる!!」
後方の屍人に回し蹴り。
その動きは獣王国の戦士と同等。
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【紅の騎士団も参戦】
団長
「我らも続け!!
公国は二度と落とさせん!!」
騎士たちが一斉に突撃し、
白い槍と赤いマントが黒炎へ突入する。
公国騎士
「うおおおおお!!」
兵士
「英雄たちが戦ってるぞ!!続けぇ!!」
民衆までもが城壁の上から祈る。
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【連携の極み──四人の戦場支配】
ソフィア
「タク!!悠真!!
蒼光、蒼炎、合わせて!!
“理の流れ”、私が補助する!!」
タク
「任せろ!!」
悠真
「ついて来い、タク!!」
三人同時に飛び出す。
ソフィア
「光補助・高速化!!」
蒼光と蒼炎の速度が倍増し、
屍人の動きが追いつけなくなる。
タク
「如水──蒼光乱刃!!」
悠真
「蒼炎──双牙乱舞!!」
屍人の群れが、
蒼光と蒼炎の竜巻に飲み込まれた。
キャス
「まだいく!!“金獣爪!!”」
地面が割れ、
キャスの一撃で三体が掴み上げられ吹っ飛ぶ。
団長
「……すさまじい……
これが……白石・赤石・エルフ・獣人の力……」
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【しかし──異変が起こる】
屍人はどんどん倒れていく。
しかし。
ソフィア
「……タク!!悠真!!
魔力反応……増えてる!!」
悠真
「増えてる?減ってるんじゃなくて……?」
ソフィア
「ううん……違う……
“別種の反応”が来る……もっと大きい……!」
キャスが振り返って叫ぶ。
キャス
「お兄ちゃん……あれ……!!」
タク
「……なっ……!?」
丘の上に“黒炎の柱”が再び立ち上がった──
先ほどのより、三倍は太い。
団長
「第二波──いや……
今度は“将級”だ……!!」
ソフィアの顔色が青ざめる。
ソフィア
「タク……悠真……
あれは……まずい……」
悠真
「将級屍人……!?」
タク
「つまり……“黒炎核の上位体”ってことか……!」
風向きが変わる。
空気が重くなる。
地面の黒炎が集まり……
“巨大な影”が立ち上がった。
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