第二部52話── 黒炎の核、降臨。五人の新陣形
【港中央──“黒炎の核”覚醒】
黒炎が渦を巻き、
巨大な影がひとつに収束していく。
黒炎獣百体分の怨念がまとまり、
獣とも人ともつかぬ“塊”の姿となった。
全長は七メートル。
四足だが背中に人影の形が浮かび上がり、
黒い炎が絶えず噴き出している。
キャス
「ひっ……お兄ちゃん……怖い……」
タク
「大丈夫だ。五人いれば倒せる。」
ソフィア
「……あれは“核守護個体”ね。
初代が黒炎を集めて作る、特別製の化け物。」
悠真
「本体じゃなくて、その“核”の護衛……か。」
団長
「どんな化け物だろうと──
ここで止めるしかない。」
五人が武器・魔法を構えた、その瞬間。
ガァァァァアアアアッ!!
黒炎の核が、港の水面を裂くように飛び出した!
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【先手──悠真の蒼炎・突破】
「俺が前に出る!!」
悠真が炎を纏い、前線に飛び込む。
「蒼炎──“焔牙・煌破!!”」
ゴォォォォッ!!
光を帯びた蒼炎が核の前脚を焼き斬る──
……が。
ズルッ……
黒炎が再生した。
悠真
「再生速度が速い……!」
ソフィア
「黒炎の守護体は、核が壊れない限り無限再生よ!!
悠真、深追いはダメ!!」
悠真
「ああ……了解した!」
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【キャス──獣化+高速攪乱】
キャス
「じゃあ私がやる!! お兄ちゃん見てて!!」
金色の獣気が爆発し、
キャスが“消えた”。
ソフィア
「速すぎるわよ!? ちょっと!!」
タク
(見えねぇ……!)
キャスは黒炎の核の右側に現れ、
キャス
「獣爪──ッ!!」
ガギィンッ!!
殴った瞬間に黒炎が裂け、内部の肉が露出した。
しかしすぐ再生。
キャス
「く……これじゃキリがない……!」
タク
「焦るな! キャスは“攪乱”に徹しろ!!」
キャス
「わかった!!!」
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【ソフィア──全域の光結界】
ソフィアが両手を掲げる。
「光膜展開
──“対黒炎封殺結界!!”」
パァァァァッ!!
港全体を覆う大きな光の膜が発生し、
黒炎の広がりを封じ込める。
団長
「助かる!! これで被害が広がらん!」
ソフィア
「核守護体を倒す所までは維持するわよ!!
みんな、頼んだわ!」
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【団長グランド──前衛の壁】
グランドが黒炎の核の前に立つ。
団長
「五人の中で一番“死ににくい”のは、わしだ。」
黒炎の爪が迫る。
団長
「受ける!!」
ガガガガガッ!!
グランドの大剣が衝撃を金属音で弾き返す。
タク
「団長!?正面から止めた……!」
団長
「タク!!悠真!!
“核”へ向かう道はわしが作る!!」
悠真
「了解!!」
タク
「行く!!」
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【タク──蒼光水、核心抜刀】
タクは刀を逆手に持ち換え、深く呼吸した。
(暴れるな……蒼光……
俺と一緒に──行け……!)
刀身が蒼白く輝き、
水の理と光の理が流れるように混ざる。
グランド
「今だ、白石!!」
「──蒼光水・
奔流穿ッ!!」
ドオォォォォォォォッ!!
蒼光の奔流が黒炎の核に突き刺さり、
周囲の黒炎を“蒼白く押し返しながら”貫いた。
核守護体
「ガァァアアアアアアアア!!」
ソフィア
「効いてる!!タクの蒼光は黒炎そのものを“押し流してる”!」
悠真
「よし、次は俺だ!!」
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【悠真──蒼炎の“核破壊狙い”】
蒼炎を一点に集中させる。
悠真
「蒼炎・断焔──
光穿ちッ!!」
ズガァァァァァン!!
蒼炎の光柱が黒炎の核を“抉り込む”。
核守護体
「ギギィィィィ……!!」
タク
「悠真!!そのまま押せ!!」
ソフィア
「いけるわ!!核が暴れてる!!」
キャス
「トドメだぁぁぁぁぁ!!」
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【キャス──獣化跳躍・集中打撃】
キャスが獣人篭手を光らせ──
「──獣爪・砕閃ッ!!!」
バキィィィィィッ!!
核の外殻が砕け、
中の“黒い球体”が露出した。
ソフィア
「出た……これが核!!」
団長
「あと一押しだ!!」
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【五人連携──核粉砕】
タク
「行くぞみんな!!」
悠真
「合わせる!!」
ソフィア
「光、最大展開!!」
キャス
「お兄ちゃん!!」
団長
「全力で行く!!」
五人
「「「「「せぇぇぇぇのッ!!!!」」」」」
──蒼光
──蒼炎
──光魔法
──獣化打撃
──紅の剣撃
五つの“光”が核へ叩き込まれた。
ズゴオオオオオオオオオォォォォッッ!!!
黒炎核
「ガァァアアアアアアアアアアッ!!」
パリンッ!!!
黒い球体が砕け、
港を覆っていた黒炎が一斉に霧散した。
海風が優しく吹き抜ける。
ソフィア
「……やった……!」
キャス
「勝ったぁぁぁ!!」
悠真
「ふぅ……なんとかなったな。」
タク
「団長……助かりました。」
団長
「礼は不要だ。
お前たちがいなければ、公国は灰だった。」
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【そして──嵐の前の静けさ】
だが、タクはふと気付く。
(……終わったのに……なんでだ……?)
胸がざわついて仕方がない。
悠真も同じだった。
悠真
「……タク。黒石初代の“本当の動き”は……
こんなもんじゃないと思う。」
タク
「……ああ。
これは──“前兆”だ。」
ソフィア
「でも、怖がる必要はないよ。
だって……」
キャス
「みんな一緒だもん!!」
団長
「……次に備えろ。
黒の災厄は、まだ序の口だ。」
蒼光の海風が吹き抜ける中、
五人は静かに前を見据えた。
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