第二部51話── 港決戦:黒炎獣 vs 五人。灼熱の突入戦
【南港手前──炎の匂いと悲鳴】
石畳が赤く照らされている。
燃えているのは店でも船でもない──
海そのもの だった。
黒炎が波の上を舐め、
黒い狼の影が炎から生まれるように姿を見せる。
キャス
「……これ、海が……燃えてる……?」
ソフィア
「黒炎よ。水にも消えない“闇の火”……!」
悠真
「初代……どこまで魔術を……?」
タクは刀を握り、歯を噛みしめた。
「こんなの……遊びの範囲って言ってたのかよあいつ……」
その時──
港に響く轟音がひとつ。
ガォォォオオオオオッ!!
黒炎獣 が姿を現した。
・体高は人の2倍
・影のような毛皮
・眼は炎のように赤
・口から黒炎を噴き、触れた物を腐らせる
団長
「負傷者を守れ!港を死守しろ!!」
紅の騎士団が声を張るが、
黒炎獣は数が多く、すでに押されていた。
(……間に合わなかったら……公国が壊滅してた)
タクは息を吸い込む。
「五人で行くぞ!!」
「「「「おう!!!」」」」
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【開戦──五方向からの同時突入】
グランド・クロス団長が真っ先に前へ出る。
「紅の騎士団!!突撃!!」
赤いマントが炎のように揺れ、
団長の剣がひと閃。
ザッ!!
黒炎獣の体が大きく弾けた。
タク
「団長、速っ!?」
団長
「まだ本気ではない。お前たちも来い!」
悠真が横並びに跳びながら言う。
「タク、左は俺が行く!右を頼んだ!」
「任せろ!!」
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【タク──蒼光水の斬撃】
タクは深く息を吸い、蒼光の理を走らせる。
(静……動……光を乗せる……!)
刀が蒼白色を帯びた瞬間。
「──蒼光水・断流ッ!!」
スパァァァァッ!!
黒炎獣の前脚ごと地面が裂け、
蒼光の波が三体同時に切り落とした。
キャス
「お兄ちゃん、めちゃ強い!!」
ソフィア
「落ち着いてる……昨日より確実に!」
タク
「まだまだいくぞ!!」
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【キャス──獣化+篭手吸収】
キャスの身体が金色に光り、
獣気が爆発するように吹き上がった。
キャス
「いく!!獣化──“完全解放!!”」
バチィッ!!
篭手のルーン文字が光り、
キャスの筋力と跳躍がさらに跳ね上がる。
キャス
「とりゃぁぁ!!」
黒炎獣の頭へ一撃の跳び蹴り。
その蹴りが黒炎を砕いた。
タク
「キャス、危ねぇぞ!?」
キャス
「大丈夫!!お兄ちゃんの匂いがあるから怖くない!!」
ソフィア
「匂いが基準!?」
悠真
「まぁ……キャスらしいけどな。」
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【悠真──蒼炎の奥義(光追加Ver.)】
悠真は短く呟いた。
「蒼炎──“焔牙・煌破”……!」
ゴォォォッ!!
濃い蒼炎に光が混ざり、
黒炎獣を内側から燃やし溶かす。
タク
「悠真、お前の炎……光が乗ってる!」
悠真
「お前の影響だ。
蒼光水を見た瞬間に、俺のも反応したらしい。」
ソフィア
「理寄りの赤石術に光魔力……恐ろしく相性が良いのよ。」
悠真
「つまり──“蒼光の兄弟”だな、タク。」
タク
「やめろ!恥ずい!!」
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【ソフィア──光魔法、港全体を覆う】
ソフィアは両手を横に広げた。
「光膜展開──
“全域防護”!!」
黒炎獣の腐食火が、
ソフィアの光の膜に触れた瞬間に弾け消える。
タク
「ありがとう助かった!!」
キャス
「お姉ちゃん凄い!!」
悠真
「これで黒炎の脅威は半分以下になったな。」
ソフィア
「えっへん♡」
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【五人で押し返す──黒炎獣の群れが後退】
黒炎獣たちは徐々に後退を始めた。
タク
「行ける……この勢いならいける!!」
団長
「押し切るぞ!!」
悠真
「次は俺が前に!」
ソフィア
「キャス、右から回って!」
キャス
「任せて!!」
五人が同時に前へ跳び出した──
だが。
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【黒炎が急激に濃くなる】
港の中央、
黒炎がひとつに集まり……
巨大な影を形作り始めた。
タク
「……なんだ……あれ……?」
ソフィア
「まずい……!“核”が出てくる!!」
悠真
「初代の召喚体か……!」
団長
「構えろ!!来るぞ!!」
黒炎獣百体を束ねたような巨大な影が、
黒炎の中心から姿を現す。
その咆哮は──
港全体を震わせた。
ガァァアアアアアアアアアッ!!!
キャス
「お兄ちゃん……これ、やばいよ……!!」
タク
「……ああ。
ここからが“本番”だ。」
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