2 東の国の軍の殲滅
東から攻めてくる連中は悪い連中らしい。誰に聞いても良く言われない。
2 東の国の軍の殲滅
一般民衆の影は見えない。でも民家の中には人がいる。そこにいれば安全と思っているのか。私いた世界では当てはまらないがこの世界は中世ヨーロッパ風、この時代の戦い方なら川が国境となっている侵略戦争の場合、その付近の住民は皆殺しにするのが定石だ。橋を落とされる危険がある。状況の変化に対応出来ない指揮官は無能だ。退却を余儀なくされる場合を想定するなら国境付近の住民は皆殺しにしておくべきだろう。私も旧時代の戦いに詳しくはないが戦いの中にはセオリーがあり、それを無視して敗北した例を知っている。敵が無能なことを祈るばかりだ。
家の中では多分助からないこと、それから今の状況が知りたくてなるべく金持ちそうな家の中に転移した。
「マリエールお嬢様、どうしてこちらへ。」
殺人鬼に命を狙われたことを話、安全な場所は何処にもないこと。戦いのセオリーとしてここ攻め込んでくれば殺される事を話た。男は言い伝えで北の山に逃げる話は聞いた事はある。これから準備をしよう。と言った。彼をテレパスしておよそ理解出来た。東の国恐らく大勢で攻め込んで来る敵だろう。は毎年多額の金品を要求するが応じないと武力に訴えより多く金品を強奪する。100年前にもあった。その時は北の山に逃げた。この男にとっては東の国は悪の権現のような存在のようだ。逃げるなら早くした方がいいと伝えた。
今度は辺境伯軍に会いに行った。ここでも歓迎はされない。
「マリエール様、こんなところに居ては危ないですよ。ここは戦場ですよ。」
また、暗殺者に命を狙われたこと。安全な場所は何処にも無いことを伝える。
私は敵の荷台隊を襲う事にした。長い旅になるかも知れない。荷物は多い方がいい。荷台隊はそれ程厳重には守られてはいない。こっそりと忍び込み略奪を繰り返した。食料だけでなく武具や防具、衣料なども回収した。そして国境の川の橋を全て破壊した。自分の魔力がかなり大きい事を自覚した。
また、辺境伯の軍のところに行った。責任者への伝言頼んだ。
「今から東側から攻撃をかける。辺境伯軍も明朝から攻撃をかけて欲しい。」
東側から東の国の軍に爆撃魔法を放った。夕食時荷台隊が襲われた事も伝わっているのか明るさはない。そして爆撃魔法。際限なく続く爆撃は夜になっても続く。
伝言は責任者に届き、爆音は響き続ける。しかしそれを託したのがマリエールと信じる事が難しかった。晩の内に早朝から敵陣に攻め込む事を決めた。それに応じるように朝6時には爆音は止んだ。朝7時から進行開始だ。敵の姿はほとんどない。敵意のない敗残兵の姿があるだけだ。ただ将兵クラスの兵の姿もない。勝ったと言う実感もない。途中マリエールの姿があった。
「マリエール様、あなたが退治してくださったのですね。」
マリエールはとても6歳と思えない雰囲気だ。
「あまり妥当とは思えない手段でしたがやむを得ずこの方法を取りました。この先も同じような状態です。敗残兵の対処は必要でしょうが、全軍で行く必要もないと思います。国境の橋は全て落としておきましたが国境には注意する必要があると思います。」
一部兵隊を除いて引き上げる事になった。
辺境伯軍に連絡してから、東の国の兵を殲滅した。辺境伯軍は一部を残して引き上げた。