8話 三魔帝降臨
第8話、よろしくお願いします。
書く意欲が足りんかったから相当短め
「始原光魔法ー万物を照らす神の閃光!」
始原光魔法の最上位魔法とやらを放ってみたのだが、予想以上の威力だ。
射程◎威力◎魔力効率◎の優れもの魔法だった。
するとそこに、奥からただならぬ気配を纏った者が現れた。
「お嬢さんですか?この迷宮を荒らすのは」
「…だれ、あなた?」
全身黒一色の見慣れない服を着た男が私の前に悠然と立つ。
その瞳は綺麗な深い青と深い赤のオッドアイだ。
「私は、この迷宮の主と契約している悪魔です。真なる主は今はいないようですが、代理人に喚び出されましてねぇ…前の方とは仲良くさせていただいたので、帰ってきていただきたいのですが」
「あく…ま」
悪魔と聞いて固まる私。
悪魔なんてものは、村の言い伝えでしか聞いたことのない伝説上の存在だとばかり思っていたからだ。
もし伝説通りだとするならば、私の目の前にいるのは、1人で国ひとつを滅ぼすことのできる存在だということになる。
ちなみに、その村の言い伝えというのは、昔、欲深い王がこの地を支配していて、さらに領土を広げようと、大悪魔アスタロトを召喚した。
だが、王は悪魔に願いに見合う対価を支払えなかったから、悪魔は喚び出した国を逆に滅ぼしてしまった。
それほどまでに悪魔は強力なのだ。
「先に依頼を済ませなければなりませんからね。さぁ、死んでください」
「おい、悪魔。名前はなんだ?」
「…ふむ、確かに、名乗りは上げておいた方がいいですね。私は悪魔族を統べる三魔帝の一角をやらせていただいております。アスタロトと申す者です」
「アスタ…ロト……」
まさかのお伽話の本人が出てきてしまった。
い、いや、嘘ついてるだけかも知らんし、そんな強力な悪魔がこんな辺鄙な所にいるはずもないし…
「嘘だよね?」
「ホントですとも」
そう言い終わると同時、音もなく私の間合いを侵略するアスタロト。
その手は鋭く変形している。
コレで刺されたらまずいことは明白だ。
間一髪、手刀と体の間にコラーダを挟み込んでなんとか攻撃を防いだ。
「それは…いや、まさか…」
一旦飛び退いたアスタロトがぽそりと呟くも、私にはその意味はわからなかった。
追撃をするために、県の切先をアスタロトに向けて、『伸びろ』と念じる。
コンマ1秒にも満たない時間で変形したコラーダは、アスタロトをしっかりと捉える。
「うむ、やはりこのお力は、あの御人の物…」
「さっきからブツクサと!美形の顔が台無しじゃんか!」
「おや、嬉しいことを言ってくれますね」
短く会話をした後、アスタロトが黒い霧となって消え、別のところでもう一度姿を現す。
その手には一振りの剣が握られていた。
それは、紛れもなく、迷宮の宝剣の形を取っていたが、色が違っていた。
「これは私の持っている剣、迷宮の魔剣。迷宮の宝剣と対をなす剣です」
そう言って剣を真っ直ぐに構えるアスタロト。
ゾッとするような気迫がその剣から放たれている。
次の瞬間、アスタロトが私の後ろに立っていた。
その剣は血に塗れている。
みただけで、何が起きたか悟る私。
それがわかったと同時に、全身から血を吐きながら、地面に倒れ込む。
「はや、すぎる…」
「ふむ、これでも致命にはなりませんか…間違いなさそうです」
立たないと死ぬ。
その思いが私を奮い立たせた。
「お前を殺して、私は生き残る!」
そうして、『昼の夢』をアスタロトに向ける。
魔法を撃つ瞬間、アスタロトが笑うのが見えた気がした。
【 名前 】ユーリ・ラナバーズ
【 年齢 】?
【 性別 】女
【 能力 】固有スキル:知恵者
権能・生之智慧・気配感知
鑑定・能力増強・思考加速
隠密回避・空間操作
魔法:火起こしの魔法
魔法:始原魔法-光
【 実績 】捕食者・一定生存・知的好奇心・危機管理
迷宮の洗礼③・鬼殺し・時は金なり
【 耐性 】苦痛無効・毒無効
【 装備 】魔剣コラーダ
昼の夢
今回から若干ステータスの書き方変えます。
毎回毎回戦っているような感じがする今日この頃。