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6話 強敵撃破

第6話、よろしくお願いします。

大まかな章分けが決まったので一応報告しておきます。

 固有スキル『知恵者(サバイバリスト)』に含まれる権能の『生之智慧(イキルチエ)』は、『生存本能』の完全上位互換だ。

 能力の底上げ具合も、以前のそれとは比べ物にならない。

 さっき体を貫かれた時、私の能力は前の10倍ほどにまで膨れ上がっていた。

 我ながら恐ろしい権能である。

 思考加速の精度も上がっており、さっきまでなら目にも止まらぬ速さの攻撃だったのが、見えるようになっていた。

 見えるというだけで体が動くわけじゃない。

 そう思っていたのも、どうやら間違いだったようで、『生之智慧(イキルチエ)』による身体強化が凄まじく、引き延ばされた時間にあっても、スムーズに動けるようになっていた。

 うん、どういうこと?

 あくまで『生之智慧(イキルチエ)』は身体強化が主な権能のはず…

 もしかして、進化と共に能力もアップグレードされたのかな?

 そう思い、『生之智慧(イキルチエ)』を覗いてみると、『身体強化』が、『身体機能増強』というふうなものになっていた。

 どうやら、筋肉の緊張と緩和の切り替えがスピーディーになって、神経伝達とやらがとても速くなるみたい。

 瞬発力が爆上がりした、そういう認識でよさそうだ。


「もうお前なんか、私の敵じゃないもんね!必殺、三属性滅界破斬(トレス・アトリビュート・ディストラクト)!!」


 私は、常人の目には捉えられない速度の居合いを放つ。

 その攻撃は、万物を侵し、燃やし、呑み込む。

 貪欲に敵を滅ぼさんとする一撃は、相手の体が流体魔鋼(ガリンスタレア)であろうとも関係ない。

 その身が朽ち果てるまで、その効果は続く。

 斬撃も脅威になり得るが、真に恐ろしいのは、『万物を呑む闇の深淵(アビス・デ・トラガ)』、『万物を侵す猛毒(デッドリーポイズン・インベイト)』、そして、『万物を滅す紅蓮の業火(フェゴ・ロージョ)』の効果であった。

 もうゴーレムに助かる道は残されてはいない。

 そのゴーレムは、最後、ドロドロに溶けて機能を停止した。


「…あの状況から、なんで勝てたんだろ、私」


 ポツリと呟くも、それに反応するものはいない。

 目の前のゴーレムの亡骸が消え、ドロップ品が出現する。

 瓶に入った銀色の液体。

 それは、かなり重たかった。

 鑑定しよ。

 私は、その銀色の液体を見つめる。


【 流体魔鋼(ガリンスタレア) 】

魔銀(ミスリル)を3割とアダマンタイト2割を5割のガリウムに溶かした至高(ヒヒイロカネ)に近い金属。

その強度は上記2つの金属をも凌ぐうえに、柔軟性は極めて高い。

武具の素材にすることでより高みに近づけることが可能。


 魔銀(ミスリル)とアダマンタイトは冒険者から聞いたことあるけど、ガリウムって?

 …わかんないし放置でいいか。

 そんなことよりも、武器改造した方がいいかも。

 こんな重い物持ち運べる訳がないし、ゴーレムを見てると、今のままじゃ足りないような気がする。

 私は、いつも通り剣に流体魔鋼(ガリンスタレア)を重ねる。


『武具の超越進化の姿勢を確認。所有者の資格を確認…成功しました。武具の超越進化が許可されました。これにより、【 迷宮の宝剣(エスパダ・デル・テソロ) 】が、【 魔剣コラーダ 】へと超越進化しました。加えて、地最上位魔法【 万物を貫く不定の鋼(アセロ・ペネトラ) 】及び、【 意思変形 】が付与されます』


 見た目はあまり変わらないが、ところどころ鈍く銀色に輝いている。

 そして、少しばかり長くなった。

 あの声、意思変形って言ってたから、念じたら動くのかな?

 そう思い、刀身が長くなる想像をする。

 次の瞬間には、イメージ通りに刀身が伸びていた。


「うわ〜、かっこいい〜!」


 思わず、正直な感想を口にする。

 それほどまでにかっこいいのだ。

 ブンブンと素振りをしてみる。

 前の迷宮の宝剣(エスパダ・デル・テソロ)もよかったが、この剣も相当使いやすい。

 前よりも使いやすくなっているのは、私が無意識のうちに『使いやすくなれ』と念じ続けているからだろう…多分。

 私は、剣が鞘に収められているのをイメージしつつ、部屋の奥に出現した扉へ向かった。




《暗室にて》

「くっそ、あの忌々しい小娘はなんなのだ!」

「まったくだぜ。俺たちの用意した魔物どもが次から次へと狩られちまう」

「焦るでないわ。この迷宮は『死を齎す砦』と呼ばれているであろうが。そんなことも忘れおったんか」

「ああ、確かにそうだったな。この迷宮の最後の魔物は我らでも倒せなかった」

「そうだ。そんなどうしようもなく強い魔物もいるのだ。どうやったて負けるはずがなかろう」

「ガハハッ、俺としたことが、心配し過ぎちまったみてぇだな!」

「それに、儂らの連携の前には、あの魔物は攻撃もできなんだ。じゃから、儂らがいれば問題なかろう?」

「「うむ!」」

 

 怪しげな会話の後に、手に持ったワインを一緒に口に含む。

 その顔は一様に不気味な笑みを貼り付けていた。

【 名前 】ユーリ・ラナバーズ

【 年齢 】?

【 性別 】女

【 能力 】固有スキル:知恵者(サバイバリスト)

      権能: 生之智慧(イキルチエ)・気配感知・鑑定

能力増強・思考加速・隠密回避

空間操作

      魔法:火起こしの魔法

【 実績 】捕食者・一定生存・知的好奇心・危機管理

      迷宮の洗礼③・鬼殺し・時は金なり

【 耐性 】苦痛無効・毒無効

【 装備 】魔剣コラーダ


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