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12話 アスタの本気

短め。というかめちゃ短い。

キリのよさ的にここで切るしかなかったんです、許して…

 私がゴーレムを抑えている間、詠唱に専念するアスタ。

 戦いながらでも、凄まじい魔力が背後に集まっていくのを感じられる。


「ちょっとこれ、厳しいかも…」


 ゴーレムの攻撃をコラーダで弾きつつ、隙あれば万物を呑む闇の深淵(アビス・デ・トラガ)を発動するも、ゴーレムを少し削るだけにとどまる。

 しかもそのゴーレムは、超速再生ときた。

 …時間、稼げるかな?

 ウジウジ考えていても仕方がない。

 私はパッと切り替えて、時間稼ぎに徹する。

 ちょうどその時、アスタの詠唱が済んだようだ。


「ユーリ、そこを離れて!」

「うん!」


 アスタの声に従い、一気にゴーレムと距離を取る。

 そして…


「全てを呑み、消し去れ!始原闇魔法、万物を呑む闇の深淵(アビス・デ・トラガ)!!!」


 光さえ飲み込んでしまうような漆黒が、アスタの手から広がって、ゴーレムに絡みついて、侵食していく。

 ゴーレムは再生しようとしているようだが、ムダだ。

 アスタが言うには、始原闇魔法は原点にして終点の魔法。

 その魔法の影響下では、全てのスキルや魔法が効果を飲まれてしまうのだ。


「ギギギ…」


 ゴーレムを最終的にすっぽりと包み込んだそれは、徐々に小さくなって、小石くらいの大きさとなった。

 そしてそれを、アスタが飲み込む。


「ふぅ、ようやく本来の力を取り戻しました」


 私が、訳のわからないという顔をしているのを見てか、アスタが教えてくれた。

 さっきのゴーレムの力の大半はアスタなものだそうで、ウィーナ…アスタが言うには私のお母さんのために貸し付けていた力なのだとか。

 迷宮が乗っ取られた今、その力は不要とのことで、回収したらしい。


「あれ?ちょっとおっきくなった?それに、角も…」

「おや、気が付きましたか?これが私本来の姿なのですよ。お嫌でしたら、前の姿に戻しますが?」

「いや、かっこいい!」

「っ…!ありがとう、ユーリ」


 アスタってそんな顔するんだ…

 ちょっとドキッとしたぞ、もう。

 ちょっとすると、3階層…つまり最後の層に繋がる扉が開いた。

 よし、用心していこう。

 いくらアスタが強いと言っても、ここは迷宮。

 それに、いつ何時、アスタに頼らなくなるかわからない。

 万全を期して問題はない。

 私たちは、意を決して階段を降りて行った。




◇◇◇




 最終層は凄まじいことになっていた。

 そこら中をアンデッドが徘徊しているのだ。

 彼らは聖属性攻撃しか受け付けないと聞く。

 ただ、生憎、聖魔法なぞ使えるわけがない。


「これはあまり知られていないですが、光属性の攻撃も効きますよ」


 お、アスタが耳寄りな情報をくれた。

 どうやら、聖属性は光属性からの派生らしく、その大元である光属性攻撃も効くとのこと。


「じゃあ昼の夢(スェノ・ディエルノ)が大活躍するじゃん!そうと決まれば、しゅっばーつ!」


 意気揚々と進もうとする私。

 その背中をアスタは若干呆れ顔で見つめていた。

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