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愚者の本懐  作者: ネンマツ
1/1

過去

つまらない人生


親の顔は知らず、奴隷から逃げ出して盗賊になった。

生きるためならそれこそ、あらゆる犯罪を犯した。


どこかで野垂れ死ぬか、捕まって首を吊られるかと思っていたが

まさか古井戸の中に放り投げられるとは誰も思わないだろう。


王都の地下には大きく深い縦穴があった。穴を下りる為に

作られた昇降機に乗らされて底までいき、古井戸のフチに押さえつけられる。


ただただ静かに処刑は行われ、俺は井戸に落とされた。


落ちて死んでいればどれだけよかったかと思わずにはいられない。




自分の手すら見えない暗闇の中、膝まである腐った匂いのする泥をかきわけて沼を進む。


俺と同じように落とされたのか、ぼろきれを着て武器を持った盗賊風情の連中と戦った。


何度殺されてもかならず沼の中から起き上がることができた。

もっとも、それは連中も同じだったが。


沼だけではなく森も、町に城、山も、川も海もあった。

上の世界と違うのは化け物しか居ないということだけだ。


自分の背の倍は巨大で風を操る狼だったり

雷の槍を放つ巨人、見たこともない武器を操るあらゆる武術に

長けた人間、触手だらけの得体の知れない海の生物、

死者を操る深淵の者、炎を操る魔女達。


途方もない時間をかけて全て剣で倒した。

いつしか手に持っていた剣は手と一体となり、

体は何の影響かドス黒い色になっていた。


最後に王座に座る銀色に輝く鎧を纏った人間と戦い勝利し、

そうしていたように座る。



下の世界に落とした連中に復讐を強く願うと、呼応するように

目の前に扉が現れた。


扉を開け、階段を登り地上に出る。


かつての王都に復讐をしに行くために。











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