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短編集

箱庭の姫

作者: 桜橋あかね

R15は保険みたいなものです。


それでは、どうぞ

『貴女には、一生逃れられない呪縛の罪を与えよう』


とある判決文に、書き記された1節だ。


▪▪▪


……私は、一体いつからここに居るんだろう。


『過去からの意思』を持ったあの日から、ずっと思っていた事だ。


四角い箱の中に、テーブルに椅子に、ティーセット。

木が何本かあって、近くには小さな池がある。


身体は動かない。これはどうしても無理だ。


女の子がこちらを見ている。


私にしてみれば、巨人にしか見えない。


『私の大切なお姫様、今日も綺麗だわ。』


その女の子が言った。


……そう、私は箱庭の姫だ。


此処から出られない姫だ。


声を出そうとも、声は出ない。


私は 此処から 出たい


自由に 大きな世界を 歩きたい


一生 動かずに 居たくない


ご………めん……な……さ……い………っ!


▪▪▪


香穂(かほ)、あの箱庭はもういいの?」


あの箱庭を売った後、母にそう言われた。


小学校の時に、伯母から貰った『箱庭の姫』。


いつからだろう。()()()()()()()()()、と。


最近知ったことがある。

『箱庭の姫』の呪われた過去、と言うものを。


あの姫をモチーフにしたのは、『血塗られの悪姫』と呼ばれた――


▪▪▪


それ以降、その家族がどうなったかは知られていない。


実は、その伯母も『箱庭の姫』を渡した数ヶ月後に亡くなったという。




今も何処かで、脈々と受け渡しているのだろう。


罪重(つみかさ)ね』、と言うものを。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 『私』は実は元々生きた人間で、現在は意識の宿った人形になってしまったのかなと思いました。本人だけではなく所有者も不幸にしている辺りが恐ろしいです。
[良い点] すごい引き込まれる [一言] 枝豆です
[良い点] うわあ……中々に恐ろしいストーリーですね。 ただ、姫がこうなるに至った背景とかその後の事とかを妄想すると、ただ怖いだけじゃないとも思えてきたのが不思議な感じでした。 こうやって人から人へ…
2021/10/14 23:25 退会済み
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