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ダブり集

ゴミはきちんと分別して

作者: 神村 律子

 私の住んでいる家の近所には、とんでもなく過干渉なおばさんがいる。


 どこから引っ越してきたのから始まり、勤め先はどこだ、好きな人はいるのか、食べ物は何が好きだと、もううんざりするほど突っ込んでくる。


 やめて欲しいと言いたいのだが、その近辺の実力者の奥さんなので、事を荒立てたくない。


 平穏に生活するためには我慢するしかないのだ。


 私は争い事は好まない。


 言い合いするのもゴメンだ。




 ある日の夜、私は明日がゴミの日だと気づき、慌てた。


 何も整理していない。


 あのおばさんは「分別」に凄く五月蝿い。


 私は大急ぎでゴミの分別を始めた。


 これは燃える、これは燃えない、これは粗大ゴミ?


 疲れた頭でそういう判断を下すのはとても大変だった。


 結局分別は明け方までかかってしまった。


 私はゴミをゴミ袋に詰めながら、大欠伸をした。


 朦朧とした状態で、集積所に向かう。


 いつもはおばさんが集積所の前で監視しているのだが、今日はいなかった。


 まだ早いのかも知れない。


 まあいい。顔を合わせずにすんで良かった。


 私は家に戻り、仕事に出かけた。




 そしてその夜。


 仕事を終え、クタクタになって家に帰ると、おばさんが玄関の前で待っていた。


 おばさんは私が今朝出したゴミ袋を持っていた。


 何を言いに来たのか予測できた。


「あんた、何度言えばわかるのよ!」


 彼女は私の姿を見た途端、大声で言った。


「一体何年魔女やってるのよ! 蜥蜴の干物は生ゴミじゃなくて、燃えるゴミよ! いい加減覚えなさい!」

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― 新着の感想 ―
[一言] 一瞬、おばさんが分別されたのかと思ってしまいました。 この分別は、難しいです……。 トカゲの干物は、よく燃えるでしょうね。
2011/01/16 22:40 退会済み
管理
[一言] 魔女だったのかー! しかも近辺の実力者だったのかー! 何か日常的なのか非日常的なのか不思議なお話でした。 りったんわーるど炸裂ですね☆ 次作も楽しみにしています。
2011/01/16 14:39 退会済み
管理
[一言] 読みました。 5時まで男のほうが私は好きですが、文章がうまくて落ちがしっかりしています。素晴らしい。
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