非常用持ち出し袋について
非常用持ち出し袋
2011年3月11日から、13年。
僅か13年ですが、沢山の地震がありました。
1995年1月17日を基点にする人もいるでしょうけれど、私はあの時、都内にいましたので、あんまり実感がないというのが正直な所です。
さて。
ここまで
懐中電灯。
ご家庭で簡単にできる水や食料の備蓄。
防寒。
について触れてきました。
今回は非常用持ち出し袋について考えてみます。
これ、人によって詰めるべき物や量が異なりますので正解はありません。
あくまでも私の考える最低限です。
・灯り
・水、食料
・防寒
・防雨
・医薬品
・情報
・その他
ここらが基本です。
■サイズと重量
持ち出し袋です。
例外もありますが、大半は背負える範囲とします。
その上で、長時間、動き回れる程度を上限とします。
※この条件ですら、人それぞれですよね。
ちなみに私は、背負える範囲をひとつ、それとは別にカートを想定した荷物も用意しています。
が、地震で路面が荒れたりすれば、それでは移動は困難です。
カートはあくまでも、近所の避難所に移動するなどの、極めて短い距離の移動を想定したものです。
ほら、水とか持って行くなら2リットル6本入の段ボールって12キロとかですし。
ただ、路面が荒れてたりすればカートは無理です。だから、あくまでも背負える方がメインです。
■袋の性能
袋の中身に入る前にこちらも。
・燃えにくい材質、溶けにくい材質であること。
火の粉がついたらアウト、みたいなのは論外です
・可能なら防水であること。または、防水カバーを用意すること。
雨の日の避難とかもあり得ます
・背負い紐にクッション性があること。
長時間背負う場合、クッション性がないやつだと、怪我の元になったりします
・大きさは、サイズと重量が、背負って低山のハイキング出来る程度であること。
理由は敢えて言うまでもないですよね
・紐やカラビナをくっつける場所があるのが望ましいです
中に入りきらない物を外側にくっつけることも出来ます。
嵩張る軽い物とか、こういうのがあると、結構便利です
・蓋は大きく開き、2つのブロック(二気室)に分かれている
中が分かれていると、下の方の荷物を取り出すのが楽です
また、こっちはXX用、みたいに決めておくことで、慌てていても探し物が見付かりやすいです
・上と相反するようですが、中があまり細かく分かれていないこと
4気室とかだと、個々の気室が小さくなりますので、大きい物を詰め込みにくくなります
・反射素材などがついている。もしくは簡単に付けられる:カラビナとか付ける場所があると簡単です
まあ、理由は言うまでもないかと
■小分けにする袋
ビニールでもOKですが。
防水のものと、そうでないもの。
それぞれ適当に。
洗濯物や食器を即座に洗える環境である保証もありません。
■電池
ライトやラジオの前に電池について意識して下さい。
例えばライトが単四なら、ラジオも単四にしておきましょう。
用意する予備電池を一種類でまとめられます。
手回し発電機付ライトみたいなヤツは例外です。
仮にソーラー充電があるとしても、充電出来るかどうかは天候次第。予備は大事です
■灯り
先に色々書いている中の
『そこそこ軽くてそこそこ明るくて、そこそこ電池がもつ、軽めの普通の懐中電灯タイプ。防水』
がひとつは欲しいです。
ランタンだなんだとあると嬉しい物はたくさんありますが、ここは最低限を書いています。
重要:アルカリ電池を使う場合、電池は抜いておきましょう。
液漏れしてても、外からだと中々気付けないんです。
そして、液漏れで接点が劣化したりすれば、使い物になりません。
非常時に即時、使えないじゃないか、という事なら、エネループ(もしくは同等品)を使っておくと良いかも知れません。
■水、食料
入れっぱなしにしておくなら、水は5年くらい保つ防災用の水。
水道水をローリングストックしてあるなら、それを持ち出すのでもOK。
ひとりあたり4リットルは欲しいですが、ダイレクトに重さになってくる部分なので、実際は背負って走れる程度を目安にしてください。
食料は嗜好品(高カロリーのもの)を数点。
栄養バランスは二の次で、炭水化物、糖質、脂肪分を優先。
次点でタンパク質と塩分。
食い物がなくても1,2週間程度は動けます(3の法則参照)。
理想を言えば缶詰や羊羹。乾パンなど、火を使わない系統。
のど飴などもあると良いでしょう。
後は背負える範囲と相談してください。
■防寒
下着と靴下の替えが2セット(これも防寒です。濡れた服を着ていたら体温が失われます)。
下着と靴下は馴染むもの。シャツなんかは化繊が望ましいです(私は関東民なので、ヒートテックは1枚で十分。ドライの重ね着とかでもそこそこ凌げます)。
化繊の上着(濡れても乾くのが早いし、乾いていれば温かい)。
ウインドブレーカー(アウターにこれがないと、フリースは風が抜けて体温が失われます)、もしくはセパレートのレインコート(ウインドブレーカーとして使います。透湿性能があるのがお勧めです)。
寝袋(可能なら綿。ただし重くて嵩張るので羽毛でもOK。羽毛は濡れると乾くのに時間が掛るのがネックで、長期間、つぶした状態で保管する事を考えるとあまりよろしくないのです。その辺とのトレードオフです)。
または毛布。毛布は風を通すので、薄くて風を通さない何かがあると良いでしょう(ツェルト(極めて簡易的なテント)とか、何ならブルーシートでもOK)。
敷物(空気を入れるタイプは穴が空いたらアウトなので、キャンプ用のロールマットなど、雑に扱っても使用上の問題が発生しにくいのが良いです)。
避難所などで座布団代わりにしたり、寝るときに使う事を想定。
手持ちがないなら、ブルーシートと段ボールの組み合わせでも代用可能です。
カイロ
嵩張らない品として、白金カイロとその燃料(500mlペットボトルサイズですが、私はこれをスキットルボトルに入れています)。燃料を計測して入れる道具。後は火種。小さなポーチに余裕で入りますが、使い捨てではないので、燃料がなくなるまで繰り返し使えます。
■医薬品関連
飲み薬は保ちの問題があるのであまり入れません。入れるとしたら痛み止め(使用期限にご注意を)。
基本、消毒用アルコールと綿と包帯。絆創膏、シップの類いですね。
まあ、精々、ちょっとした怪我の応急手当用です。
私は、そこに花粉症用の目薬(市販)も入れています。
医者から処方された薬は、種類によって消費期限が異なりますので、薬剤師に聞いてみてください。
私が飲んでるのは2年くらいは保つと言われましたが、ものによっては1年とか、もっと短いのもあるそうです。
■情報
ラジオとかです。
適当に小さいのを。AM、FM共に入るのが良いと思ってます。
私は手回し充電も可能な防災用ラジオ(ライトとサイレンの機能もあるやつ)を入れています。
電池式でもOKですが、ライト同様、電池は抜いておきましょう。
■その他
歯ブラシなど。
タオルなど。
ガムテープなど。
裁縫セット。
予備の電池やモバイルバッテリー。
スマホ充填用のケーブルとアダプタ。
鏡(小さいので良いので)。
トイレットペーパー。
火種(ライターで良いです。マグネシウムマッチは趣味で使う物です)。
固形燃料とそれを使える折り畳みのストーブ(暖房ではなく、お湯を沸かしたりするコンロ)。
小さい鍋(最近だとメスティン。上述のストーブと燃料(数回分)も丸ごと入ります)。
シェラカップ(皿兼コップとして。割と軽視されがちですが、こういう容器がないととても不便です)。
パラコードなどの紐。
箸やスプーン、ナイフ(最近見掛けませんが、必要なら缶切り)。
金属の水筒(断熱じゃないやつ:お湯を入れてしっかり締めれば湯たんぽになります)。
これで足りてるかな?
その他の中で特に重要なものは以下です。
歯ブラシなど。
タオルなど。
ガムテープなど。
予備の電池やモバイルバッテリー。
スマホ充填用のケーブルとアダプタ。
トイレットペーパー。
ライター。
皿兼コップ。
パラコードなどの紐。
箸やスプーン、ナイフ(最近見掛けませんが、必要なら缶切り)。
※ナイフは、パラコードを切断出来、リンゴの皮むきが出来る程度が目安。
一回アウトドアで、どういうのがあると良いのか、とか、使い方を経験しておくと、色々見方が変ると思います。
私は、寝袋とかの嵩張る品は持ち出し袋に入れていません。一緒においてあります。
必要なら、持ち出し袋の外側にくっつけられます。
追記。
志郎さんからのご指摘で、目が悪い人はメガネも入れておくべきとのこと。
震災で起きたらメガネが部屋の中で行方不明になってるかもしれません。
倒れてきた本棚に潰されてるかもしれません。
こういうのは個人の状況に応じて、杖だったりサポータだったりコルセットだったりと色々あると思います。
何に不自由するのかは人によりますが、そういう「個人ごとに異なる事情」なところは、一般的な支援物資では賄えません(老眼鏡程度なら或いは、ですが、乱視入で近視用のメガネなんかは完全にオーダーメイドですし)。
ちなみに、私もメガネが必要でして、メガネを買い換える際に古いメガネをメガネ拭き(トレシーとかああいう類)と一緒にハードケースに詰め込んで持ち出し袋に入れています。
ここに書いたのは、あくまでも私の考える最低限でしかないのです。あなたやあなたのご家族の最低限ではない点、ご注意ください。
あくまで一例として。
たとえば、虫除けが必須な人もいます。
大勢が出入りする体育館とかに避難して、季節が夏場で停電してるなら、風を通すためにあちこち開けたりもしますよね。当然、虫が入ってきます。
私はなくても大丈夫ですが、蚊に刺されたらひどく腫れたりする人なら、対策が必要でしょう。
みたいはお話です。
ご自分に必要なものを知っておきたいなら、背負える範囲の荷物だけ持って、3日ほどのキャンプ(近場で良いです)などに行くのもひとつの手段です。
水も食料も燃料も、全部持ち込んだ分だけで賄うって前提でやれば、自分に必要なものが見えてくるかも知れません。