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体温維持も大事だよね・レイヤードシステム他

備蓄にも書いた3の法則。

人は3分間呼吸できないと危険。

人は3日間水がないと危険。

人は3週間食べ物がないと危険。

人は3時間体温異常が続くと危険。

ってやつですけど。


正直、空気については登山用の携帯酸素、水没したらペットボトルを首の位置で抱えて顔を水面に出しておく(溺れないように浮き輪)程度しか思いつきません。

素人の装備では空気はどうにもなりませんので置いておきます。


水と食料については前回触れた通りです。

ローリングストックとかして無駄なく備蓄しておくことを強くお勧めします。


なので、今回は体温維持について。


これ、実はアウトドアに学ぶのが正解です。


以上。


だと不親切なので、登山とかする人なら常識だろそれって言われそうな事ですが、幾つか並べておきます。


体温維持ってことで主に冬場を想定します。


■衣類

重ね着を想定した用意を。

アウターは防水防風のものを。

昭和の山屋風に言うなら、肌着は化繊、上に綿。

まあ色々な説がありますので、「レイヤードシステム」で調べてみてください。


もう少し具体的に書きますが。


まず、動く(汗を掻く)可能性がある場合、肌着はドライシャツにしましょう。()()にヒートテックは、ヒートテックの性能が良いほど、後々体が冷える可能性があるので厳禁。


肌着にドライ、上に綿という重ね方をすると、化繊が肌の汗を吸い取り、綿が化繊から汗を吸い出します。

布の材質ごとに吸水、保水能力が違うからです。

もちろん吸水、保水能力には上限がありますので無敵じゃありません。が、山に登ったりする人たちには昔から割と有名なお話。

これなら、肌に触れる部分の汗は少なめです。

その代わり、綿のシャツが汗まみれになりますので、()()()()適時着替えてください。

もちろん、暴風吹き荒れる中での着替えはNGですよ。

汗を掻いた状態で風を当てると体温を奪われますから。


肌に触れる布が汗で重たい、とかだと一気に体温奪われたりしますので着替えまで含めて、こうした対処は大切です。


汗をかくのが予想される場合、綿ヒートテックなどを肌に直接とかはやめましょう。

ヒートテックの場合、運動で出た汗でヒートテックが発熱して更に汗。それが続くとヒートテックの発熱能力は機能しなくなります。

で、体を休めたら汗が引いて、濡れた綿のシャツに一気に体温が奪われます。

このとき、濡れた綿のシャツと肌の間にドライ素材が一枚あるだけで結構違うんです。


逆にあまり汗をかかないならヒートテックは肌に直接がお薦めとなります。

十分な湿度がないとヒートテックは機能しないので。

状況によって最適解が変化しますので、重ね着の順序の意味を理解した上で着方を変えることをお薦めします。



今のお話はレイヤードシステムにおけるベースレイヤー。いわゆるインナーです。


冬場はその上に、ミドルレイヤー、アウターレイヤーの2層というのがレイヤードシステムの考え方です。


全ての衣類をひとつのダウンジャケットと見做した場合、

ベースレイヤー(インナー)は裏地に相当します(分かりやすさのための比喩ですので、ここだけは機能的には異なります)。

で、ミドルレイヤーが羽毛。空気の層を作って熱を保持する部分ですね。

羽毛をくるんだ防水・防風の素材がアウターレイヤー。風や水がミドルレイヤーの熱を奪わないように守ります。


ですがミドルレイヤーについてはあまりお薦めはありません。

羽毛に相当する層ですので、厚い方が良いわけですが、まあここは個人差の世界なので。

素材によって利点と欠点が色々ありまして、運用次第で何が最適なのかが変るのです。

軽さ、嵩張り具合、耐水性能などが異なります。

分かりやすいのが羽毛で、

綿入りより軽いというのは利点です。

力任せに押し縮めると小さくなるのは携帯性の点では利点ですが、体積が小さい状態では空気の層も小さくなり、保温能力も低下するので、これは欠点でもあります。

羽毛が濡れてしまうと、乾くまでは保温能力は失われるが、乾くまでに時間が掛るのも欠点です。フリースなんかは化繊ですから乾くの早いです。

あとは生物由来素材はメンテが面倒。

とかでしょうかね。

なので私は移動中はフリース。休憩時はダウン、みたいな運用にしています。

避難を想定するなら、避難所では化繊の毛布を被り、寝るときはダウンの寝袋、みたいに、衣類以外も選択肢に入れて考えると良いかもですね。


ミドルはベース(インナー)の上に前開きのシャツ。材質は綿とかかな?

で、その上に前開きのフリース、その上にダウンのベストその他。

状況によって色々変えてください。

個人的に活動時には頭から被るタイプのセーターとかは脱ぎ着がしにくく、面倒だからと着たままで汗で体を冷やす原因になりがちなので非推奨です(寝るときとかはむしろ推奨ですが)。


活動時に大事なのは前開き。

暑ければ前を開ければ簡単に温度を下げられます。

また、上述のようにインナーが汗で濡れた際に、それを着替えるのも簡単です。

温度調整と着替えやすさから前開きをお薦めします。

※昭和から言われてる事ですけども。


アウター(一番外)は防水、防風性能が高い前開きの何か。

適当なのがなければレインコートでもOKですが、その場合、破けにくいことも大事。

しっかり着込んだ上に防水防風のレインコートなら、防寒性能も高いです。

ダウンジャケットだって、外側は薄い生地1枚ですけど暖かいですよね。あれと似たような考え方です。


アウターに絶対に必要なのは防水・防風であること。

「レインコートなんかでもOK」と書いたのは、風と水が抜けなければ、着込んだミドル部分が体温を保持してくれるから。

逆に言いますと、風や水が抜けるようなら、一気に服の中に貯め込んだ熱を持って行かれます。

アウターは風と水からミドルを守る鎧であり、城壁です。

なので、丈夫であることも大事です。


ここでも前開きは大事ですが補足しときます。

着替えにくいと多少の汗なら我慢しちゃうかもしれません。

平時なら良いのですが、非常時にそれは危険です。

この程度ならOKって物差しが、非常時は短くなりますので、汗を掻いたら体が冷える前に素早く着替えましょう。

なお、例えば前開きのファスナーは、そこから雨や風が入り込むかもしれません。

なのでレインコートなんかはファスナーの部分を覆うように前立て(ファスナー部分のカバー)が付いていて、雨が入り込みにくくしているものもありますので、そうした構造の意味を理解して上手に選んでください。


下半身もまあ似たような感じで。

例えば男性の場合スポーツ用であってもストッキングとか履く人は少ないですが、ジーパンの下にジャージを履いておく。

ジーパンの上に丈夫なレインコートの下を着ておく。

みたいな感じがお手軽かつお薦めです。

化繊のジャージと綿のジーパン。上に防水防風とか言うと上半身と似たような感じになりますね。

※こういうジャージがあると、避難したときに寝間着代わりにもできるので重宝すると思います。


靴下は予備を用意し、寒いときは二枚重ねも考えましょう。


手袋は季節により防水防寒重視+軍手のようなもの。


首元は襟巻き。

アウターとか、口元近くまできっちり留められるものもあり、そういうのも案外温かいのでお薦めしておきます。


日本国内なので防寒具としての帽子は考えません。

必要な方は必要に応じてですね。

※日差しや障害物から頭を守るって意味では、工事用ヘルメット。分厚い綿の帽子などがお薦めではありますが。



夏場の衣類についても少し書いておきます。

ドライ素材の長袖シャツとかがお薦めです。

夏なのに長袖です。しかもできれば首元まで締まるもの。

これ、霧吹きで水をちょっと掛けて風を当ててあげれば一気に涼しくなるんです。

気化熱が奪われるってやつですね。湿度が高すぎると蒸発してくれませんが。。。

ポイントはかけ過ぎないこと、直射日光を避けること。

長袖は余計な日焼けを避けるのにも役立ちます。



衣類のオプション。

タオル。

オールシーズン使える登山の小技ですが。

シャツの下。肌に直接触れる感じでうなじから腰にかけてタオルを垂らします。

その上にインナーを着ます。

山頂に着いて長時間休憩みたいなタイミングで、タオルを引き抜きます。

本来シャツに吸い取られる汗がタオルに吸われますので、それだけ取り出せるようにするわけですね。

※仕込みが面倒なので、一回の登山で一回しか使えませんが、山登りしている間はタオル入れておいて、頂上についたら体温下がる前にタオルを抜く感じです。

 目的地が明確で、到着したら体が冷えることが予想される場合などに使える方法です。





■衣類以外(火を使う系)

※被災時に火を使うと火事の恐れもあります。

 なので、常に人がそばにいて、消火できるようにしましょう。


卓上ガスコンロ。

市販のガスを使えますし、大きめなので、アウトドア仕様のものよりも使いやすいです。

お湯が沸かせるというのは、本当に大事。

お湯があれば体の内側から温められますし、湯たんぽだって作れます。


白金カイロ

うん。正直舐めてましたが使ってみてビックリ。

普通(目茶苦茶熱くなるタイプではなく)の使い捨てカイロより温かいです。ただ、あくまでもカイロですので、当てた部位が温かくなるレベル。当たり前ですけど室内を暖めるとかは無理です。

長時間使えるし、引火の危険性は低いし、ゴミもあまり出ません(燃料のペットボトルっぽい容器はいずれゴミになりますし、火口部分は耐用年数1年くらいと言われてます)。

発熱時の独特の匂いを苦手と言う人もいますが、普通の使い捨てカイロを一箱用意するくらいなら、これと燃料一本(市販のだと、500mlペットボトルサイズ:公式はこれで480時間って言ってます)、あと最初の化学反応起すのにライターを用意しとくのもご検討ください。

予備の火口を買っておけばなお安心。


アルコールストープ(ストーブって言っても暖まる系じゃなく、調理用など)

※アルコールって言っても、メチルアルコール(人間が飲んだら100%体を壊します)とかもありますので、飲んだら危険です。ご注意を。

燃料としてエチルアルコールを用意しておくのなら、80%に薄目れば被災時に消毒用アルコールとして使えます。

アルコールストーブは、あくまでも上級者向けです。

慣れている人にとっては本体サイズがとても小さくて液体の燃料もボトルだから持ち歩きに便利です。

が、不慣れな人がコレを使うと、簡単に火事になります。

ありがちなのが、ひっくり返して一面火の点いたアルコールの海とか、燃料入れすぎて加熱したら中身が噴き出すとかの事故。

慣れてる人でもたまにやらかしますので、扱いはとても面倒です。

ただ、サイズが小さいというのは防災時には大きなメリットとなるので一応書いておきます。


固形燃料。

必要な道具が少ない(固形燃料があれば後は工夫しだい。100均のでも少し手を入れれば使えます)という意味では扱いが簡単。

未開封なら固形燃料の長期保存も可能(開封したら密封して冷暗所保存しないとアルコールが飛びますが)。

デメリットは、決まった時間燃焼するので、ちょっとずつ使うとかには向いてません(アルコールランプの要領でやれば不可能じゃないでしょうけど、私はやったことないです)。

こいつとメスティンを使えば時間は掛りますが1合炊きとか可能です。水に浸けるのと、分量計測を間違えなければ飯盒より簡単です。


液体のアルコール燃料。

100%に近いアルコール(普通は100%。80でもいける)を入れて使います。

メチルとエチルがあって、値段を考えないならエチル(エタノール)がお薦め。

ちなみに80%くらいのエチルは消毒用アルコールとして使われたりもします。

メチルはダメですが、100%のエタノールに加水して80%のエチルにすれば消毒にも使えるものもあります。

先に書いたようにアルコールストーブは慣れると簡単ですが、不慣れな内は燃料入れすぎて圧でアルコールが噴き出すなんて事故が割と頻発します。

必要な道具は割と小さいです。100均で330円とかで売ってるのを試したことがありますが、あれは使えなくはないけどってレベル。蓋にも隙間があるし。

燃料用アルコールはボトルとかに入ったのが薬局などに売っていて、必要な分だけ注いで使いますので、慣れれば必要な量だけ注いで使うことも可能。

デメリットは慣れないと固形燃料より使いにくい(危ない)こと。液体ですので、零れるし吹き出します。


灯油ストーブ・石油ストーブ

ファンヒータじゃなく、昔ながらの石油ストーブ。

単一電池2本くらい入れておけば、マッチ不要のやつです。

密室とかだとダメですけども。火の上に鍋くらい載せられますので暖を取りつつ料理も出来ます。

※昔はそこにやかんを乗せて、部屋を加湿したりもしてました。また寝るときにそのお湯を湯たんぽに入れて使えたりもします。

灯油が必要なので、普段は石油ファンヒータを使ってるようなお宅向け。

これの利点は電源不要(まあ点火は電池の電力使うのもありますが、マッチでも行けます)。

避難所向きというより、真冬に停電したときとかの備えですね。


金属の水筒など

お湯を沸かせる前提ですが、これにお湯を入れてタオルでくるめば湯たんぽになります。

熱湯でないならペットボトルでも使えますが、熱で変形してお湯が漏れると大惨事ですので、専用の湯たんぽがない場合、金属製の密閉可能な容器を推奨します。



■衣類以外(火を使わない系)

電熱線入れたベストなどは、電力供給の問題があるので触れません。


毛布

これは割と汎用的。

嵩張るのがネックですが、それ以外は便利。

化繊にしておけば、濡れても乾くのが少し早いです。


寝袋

これも嵩張るのがネックですが、それ以外は便利。

種類が色々ありまして、羽毛と綿で、同じ暖かさなら小さくなる羽毛がお薦めです。

ただし、圧縮した状態での長期保存には向きませんし、濡れると乾かすのが大変です。

個人的には、寝るときは寝袋、それ以外は毛布を被って生活がお薦めですかね。


アルミブランケット

結構小さく畳んだ銀色の薄いやつです。

一応、わたしも防災用品にいれてますがこれは、基本的に使い捨ての品です。

あくまでも、出先で被災した時に、鞄に入っていて助かりましたというのが正解。

避難所で使うなら毛布なりが適切かと。


311ではあまり寒さで困らなかったので、割と普通のことしか書けておりませんが、御参考までに。

なお、防災とアウトドアは割と似たような品物が多いので、たまにアウトドア用品店とか覗いてみるのも良いのではないかと思います。


それでは今回はこの辺で。。。


#あ、現在次回作書いてまして、追放サバイバル系です。今は5万文字くらい書き溜めてますので、今月末くらいにはなんとか??

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[良い点] 次回作お待ちしています。 [気になる点] アルコールストーブ、液体のアルコール燃料は危ないのでおすすめしない方がいいです。 特に夏場とか自然発火したり取り扱いが難しい、煮炊き用ならカセット…
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