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防災用品・ライト

あ、大した内容はありません。

当たり前の事を当たり前にまとめてみただけです。


東日本大震災で経験した諸々が記憶の彼方に消えてしまう前に書いておこうかと。

私の趣味、幾つかありますが、昔からやっているのが無駄にライトを集めることです。

懐中電灯ですね。

一時期はマグライトが大好きでした。


■非常時にあると望ましいライトの数

 『最低限4つ』

 というのが私の定義です。


 あまり詳しい説明はしていませんが、なぜ私が4つと言っているのか、と興味を持って頂ければ幸いです。


【書こうと思った経緯】

私の趣味は秘密にしてませんでしたので、東日本大震災の直後、ライトを買いたいから教えてくれと言ってきた人が何人かいました。

ですが皆さん、とても困った要望を出されました。ええ、ひとつで全部まかないたい、という方がとても多かったのです。


当時は品薄(ホームセンターもコンビニも、棚が空になってましたね)でしたから、幾つも買えないというのは分かるんですけど、


「とりあえず多少高くても良いから(とか言いつつ予算は3000円とかでしたね、Kさん)、とにかく明るくて電池が長持ちなやつ。会社から家まで歩いて帰ることになったら困るからね。あ、計画停電もあるから自宅では明るいランタンとしても使えるのがいいかな」


……こんな感じでした。

これ、出来なくはないのですが、かなりの忍耐が必要です。

例えば十分な明るさのランタンにもなって、12時間以上点灯して、普通の懐中電灯としても使えるもの。

キャンプ用のランタンに懐中電灯機能がついた製品は実際にありました(今は更に色々進化してると思いますけど)。

確か、電池は単一を数本だったかな?

でも、それ、鞄に入れて持ち歩けますかね?

単1電池って137グラムくらいありますし、嵩張りますよ?

一人暮らしなら、自宅に置いておくライトの選択肢としてはありですけど、携帯できますか? それ?

※懐中電灯だけど、伸ばせばランタンになる、というタイプもありますが、私が知る限り、あの当時のそういうのは、オマケみたいな代物でしたので、お勧めできるレベルではなかったのです。


【重要】

★☆★ どんなに高性能ライトでも、必要なときに手元にないのなら、ないのと同じです ★☆★


ライトが大小様々出ているのは、用途に合わせた使い分けが想定されていて、実際万能型のライト(なくはない)では不便な局面が多いからです。

だから適切な選択をした方が楽なのです。そのための参考情報を書いているのだ、と思ってください。


★あくまでも参考で、答えは書いていません(この製品が。とか書くと、風化しちゃいますので)。


選択は大抵トレードオフです。

単1電池6本(電池のみで820グラム以上です)使うライトなら、普通の設計なら電池の持ちはかなり良いでしょう。

そこまで明るくなくて良いのなら、電池の持ちはかなり良いでしょう。

暗くて電池の寿命が短くて良いのなら、小さく軽くできるでしょう。

内蔵充電池を使うなら、電池の入手は気にしなくて良いでしょうけど、停電が長引いたときに困るかも知れません。


トレードオフについて考えるべきは

・明るさ

・点灯時間

・軽さ(電池)

・形状(ランタン、手持ちなど)

で、

付帯要素として

・防水性能

・電源の入手のしやすさ

・メーカーの信頼性

があります。



それでは、4種類について以下に記述します。


必要なライトのタイプ


 1.そこそこ軽くてそこそこ明るくて、そこそこ電池がもつ、軽めの普通の懐中電灯タイプ


  なんだよ、万能型じゃねーか。という声が聞こえてきそうです。

  いいえ、全てに置いて不満が残る程度の性能、というのが正解です。

  万能の天才ではなく、万能の凡才ですね。器用貧乏な平均点タイプ。


  可能なら電池複数本を使用する、電池寿命がそこそこ長くて明るい物が望ましいです。


  想定用途

  大型商業施設とか地下道とかで被災し、停電した際に、そこから明るい場所まで逃げ出すまでのメインの灯りとして使います。

  電車で移動中に被災、交通網が麻痺した場合なんかも、徒歩で自宅(または最寄りの避難所)まで移動する際に使います。


  停電していたら、信号も街灯も消え、真っ暗になります。

  いえ、被災後すぐであれば、幹線道路はバカみたいに明るくなりますけどね。

  交通麻痺が発生すると幹線道には自動車がたくさん並びますから、ヘッドライトの灯りで暫くは見えるのです。だけど、いつまでも渋滞し続けるわけではありません。

  ですので、夜間の移動が想定されるなら、最低でも交通標識を照らして現在位置を確認したり、路面に危険がないかを調べられる程度の明るさが必要です。

  かつ、移動中は明るさが確保出来て、普段から鞄に入れておいても苦痛ではない程度の大きさ・重さ。

  用途的には自転車の前照灯クラスが望ましいように見えますが、夜間の徒歩移動なら時速4キロ未満なので、あそこまでの明るさはなくても使用には耐えます。


  求められる性能は

  ・そこそこ小さいこと(鞄に入れて持ち歩くのが苦痛にならない大きさと重量であること)。

  ・そこそこ明るいこと(100ルーメン程度は欲しいが、ここは個人差あり)。

  ・防水・防塵(災害時が晴天とは限りません。屋外での使用が考えられますので防水は必須です)。

  ・点灯時間が10時間程度(時間は個人差あります。10時間というのは、5時間の移動と、移動開始するまでの時間、避難所などに入るまでの時間を想定しています。5時間も歩けないというなら、もう少し短くても大丈夫かも知れません。いや10時間歩けるというなら、その分長持ちである必要が出てきます)。

  ・災害時にも入手難易度が低い電池を使っていること(予備を持ち歩くにしても、いつかは尽きます)。


  以下は可能なら。

  ・自分の持つ、他の製品と電池の互換性があること(電池備蓄をする際や、予備電池を持ち歩く際に楽です)。

  ・明るさを変更できること(これで電池寿命が大きく変わります)。

  ・ズーム機能なんかもあると助かります(ひとつのライトで、近距離ワイドと、遠距離スポットを照らせますので、真っ暗な町の中を歩く時は便利です。標識は遠いのでスポット、足元はワイドで視野を広めに、とかですね)。


  明るさ、点灯時間、軽さや大きさの好みには個人差があります。

  例えば単3電池1本の重さはざっくり23グラム。単4だと11グラムですから二倍違います。

  単2電池は66グラムですので、単4の6倍です。

  これが単1になると137グラムです。

  重い方が点灯時間は長くなるのが普通ですし、暗い方が点灯時間が伸びます。


  だから、まず鞄に放り込んでいても邪魔に感じない大きさ、重さを把握しましょう。

  で、その範囲内で、適切な明るさとか使用電池とか、必要な点灯時間とかを考えてみてください。


  とにかく、大事なのはそこそこ小さく、必要な性能(何を切り捨てるのかは個人の判断です)があること。


  でも、これを鞄に入れておけば、まあ一安心? ホントですかね?




 2.暗くてもいいからとにかく小さいライト(スマホでも可)


  え、トレードオフは? 小さいのを選んじゃって良いの? という声が聞こえてきそうですが。

  いえ、これはあくまでも1のライトがある上でのお話です。


  ボタン電式池でも構いませんが、とにかく、自宅の鍵なんかと一緒にキーホルダーに付けておけるサイズのライト。


  想定用途

  1のライトは鞄の中に入れて持ち歩いているとします。

  ですが、会社なんかで、トイレや食事、打ち合わせなど、席から離れるときは鞄からも離れますよね?

  そういうときのための予備のライトがこれです。

  鞄から離れて被災した時、まず鞄のところまで移動して、鞄の中からライトを取り出すまでの繋ぎのライト。

  まあ、スマホでも構わないんですけど、個人的に情報機器のバッテリーは温存しておきたいのです。

  あと、避難所なんかに入った場合、夜中にトイレに行く時とか、1のライトでは明るすぎて迷惑になります。

  ついでに、1の電池が切れて、電池交換する場合、もう一つ灯りがあるのが望ましいですよね。

  なので、これ。

  とにかく小さく、外出先では常にポケットの中に入ってる。

  ボタン電池式と単四電池1本使うタイプとかがありますが、個人的にはボタン電池がお勧めです。

  ボタン電池は手に入りにくいですが、とにかく小さいのが魅力です。ライト本体が単四電池とほぼ同サイズとかのもあります。

  それでいて、ボタン電池を3つとか4つとか使うので、結構明るいです。まあ、個人的には明るさはほどほどにして時間延長の方に振って欲しいのですけども。。。


  求められる性能は

  ・とにかく小さいこと(肌身離さずが苦痛でないサイズで、可能ならキーホルダーになったもの。自宅の鍵とかに付けとくのが吉です)。

  ・明るさは、暗い廊下を歩く際に障害物を発見できる程度、かつ、鞄の中を照らせる程度(20ルーメンもあれば良いと思っています)。

  ・防水・防塵(屋外利用はあまり想定していませんので防滴でも可、ですが、汗かきなら防水のものを選びましょう)。

  ・点灯時間は2時間程度あれば、まあ何とか。



 3.ランタン

  まあ、これについてはあまり多くを語りません(個人差の塊なので)。


  想定用途

  主に自宅とかで停電時の照明にします。

  蝋燭とかだと火事の心配がありますので、電池式が理想ですよね。

  室内の照明として使いますから、明るさと点灯時間が長いことが求められます。

  ただ、自宅での運用となると、個人差が更に大きくなりますので、必要性能なども大きくブレます。

  例えば小さいお子さんがいるなら、暗いのを怖がったりするかもですので、少しでも明るさが欲しいところですし、ライトも複数並べたいです。

  ひとり暮らしなら、ライトはそこそこ明るいのがひとつあればよく、求められるのは明るさよりも点灯時間になるでしょう。

  電池はその他の製品と互換性のあるものにするという選択肢もありますが、敢えて単一複数本で長時間使えるという選択肢にして、予備電池をしっかり買い込んでおくのもありです。

  何を重視するのかは生活環境によって異なりますが、ランタンは特にその傾向が強いように思います。


  それでも求められる性能を書き連ねるならば

  ・可能なら、明るさを変更できること(これで電池寿命が劇的に変わります)。明るさは最初に一番暗く点灯するタイプにしましょう(最初に一番明るく点灯するタイプだと、その明るさに耐えられる電力が残ってないと『暗い』を選択できないこともあり得ます)。

  ・ご家族が安心する光の色(電球色から青っぽい白まで色々な灯りがあります。うちは、温かく感じるので電球色を使っています。震災時、電球色のライトを探している人とかもたまに見掛けました)。

  ・明るさ(300ルーメン程度は欲しい。なお、参考値として、6畳の部屋の天井灯は3~4000ルーメン前後で、自動車のヘッドライトは6000ルーメンくらいです)。

  ・防水・防塵(屋外に避難することもあり得ますので)。

  ・点灯時間は最低でも20時間程度(中程度の明るさを選択したときの点灯時間ですね。一番暗いのを選択したときは、100時間くらいは保って欲しい)。

  ・電池が重くても自宅での運用なら問題なし?


  人によって必要な性能が大きく変わりますので、もしも何を選んだら良いのか分からない、という場合は

  ・明るさ

  ・点灯時間

  ・軽さ(電池)

  ・形状(ランタン型か、手持ちからの変形型かなど)

  ・防水性能

  ・電源の入手のしやすさ

  ・メーカーの信頼性

  ・電池交換難易度(たまに難しいのがあります)

  あたりを選択基準にしてみると良いかもしれません。


  あ、明るさはそこまで求めないとか、小まめな電池交換は苦にならないとかであれば。1のライトを電場からぶら下げたり、1のライトで水の入った透明なペットボトルに、側面や下から光を当てたり、コンビニ袋を膨らませてそれを照らしたりしても良いです。

  ランタンはあくまでも自宅などで使う灯りですので、他に代替できる品があるなら、別に必須というわけではありません。



 4.電池式のセンサーライト(暗くなり、人がいると付くタイプ)


  なんか急に毛色の違うのが出てきました?

  まあそうですね。これは持ち歩くためのものではありません。


  想定用途

  肌身離さずの2のライトを手放す場所があります。

  お風呂です。

  入浴中に地震+停電が発生したらどうなるでしょうか?

  立っているなら、慌てずに壁に手をつき、ゆっくりしゃがめばまあ安全です。慌てると、滑りやすい所ですので、ひっくり返ります。

  湯船の中だとお湯が顔に掛かったりするかもしれませんが、まあ慌てなければ安全です(ただし、慌てると十分に溺れるだけの深さはあります)。

  まあ、揺れが収まるまで待って絞ったタオルで体を拭くくらいなら手探りでも出来ます。

  問題はその後です。

  脱衣所では、洗面台の諸々が飛び出し、もしかしたら鏡とか割れてるかもしれません。衣類とかも散乱しているかもだし、洗濯機が動いちゃっている可能性もあります。

  そんな中、割れたガラスが散乱するかも知れない真っ暗な脱衣所に出て着替えを探す?

  最低限の灯りがないと怪我しますよね。いえ、灯りがあっても危ないですけど。

  というわけで、壁にしっかり固定したセンサーライトです。

  脱衣所に手を伸ばしてセンサーを反応させれば安全に灯りが得られます。

  いえね、風呂場や洗面所に3のランタンを置いとくのでも良いんですけど。水場に置いとくと劣化が早そうですので、個人的にはあまりやりたくないのです。。。


  求められる性能は

  ・明るさ(50ルーメン程度は欲しい)

  ・可能なら防水(設置場所的に)

  ・点灯時間は最低でも20時間程度(長時間の連続点灯は想定しませんが、センサーで毎日少しずつ消耗しますので、長持ちなのが理想)

  ・可能なら1や2のライトと互換性がある電池だと便利


  まあ、あり得ないと切って捨てるかどうかは皆さんのご判断です。

  風呂に入っている時間なんて、24時間の内、30分かそこらです。48分の1の確率ですからね。

  ただ、洗面所には最低でも足を守れるものは置いておきましょうね。風呂場を洗うときのサンダルでも良いですが、ガラスを踏んでも大丈夫そうなヤツ。



というわけで、私が考える防災用のライトでした。

なお、これは必要最低限です。


これに加えて、100m先まで明るく照らせるサーチライト級のライトとか、手回し充電ができるライト、ヘッドランプなんかもあると便利だと思います。

でも、そういうライトって、一番最初に思いつくでしょうから、それ以外のアプローチをしてみました。


ちなみに、東日本大震災の時、上述のライトは4番以外は揃っていました。

まあ、趣味ですからね。



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