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ダンボールハウス

それから俺とヒナタはこの河原で何回もスキルの実験を繰り返した。


ヒナタがスキル養成学校から帰ってきてから孤児院の門限までの3時間ほど、俺たちはあらゆるものをコピーしペーストした。


ヒナタはとても楽しそうで「こんな事をして欲しかったんだ!」と言って、はしゃいでいる。


俺はヒナタのいない時間は国立図書館に行き、スキルについて自分なりに色々と勉強した。


こうして2週間ほどが経ち大きく分かった事は2つだ。


久東は今までの事をまとめたメモを開く。


■コピーをするには

①コピーしたいものに体が触れた状態で「コピー」と発言する

② ①を終えた状態で「ペースト」と発言するとコピーしたものが現実に現れる。


こんなもんか。ヒナタについて今わかってる事は。いやもう一つ書いとこ。


*ヒナタの俺の呼び名

おじさん


久東は疲れていたのかメモにコピースキルと全く関係のない事柄を記入した。


考え疲れたとは言え、久東はコピースキルの重要な法則2つ判明させた。


そして、次に久東が研究するのは【何をコピーする事ができる】のかだ。


*****


今日も学校を終えたヒナタがここへやってきた。


「ただいま。おじさん。今日も研究早くしよーよ!」


俺の寝床であるダンボールハウスに土足で入ってくるヒナタ。


「おい、ヒナタ。ここはおじさんの家なんだ。泥だらけの靴で入ってこないでくれ。それにおじさんじゃなくて久東凛な」


「はーい」


ヒナタは靴を脱いでダンボールハウスの中に入ってきた。


「今日は何するの?」


「今日もヒナタが何をコピーする事ができるかの実験だな。ヒナタは今のところ手で触れたものとか、手で触れた人の考えてる事をコピーしたいと思えば出来る事は判明したよな」


「うん」


「それが、他にどんな事をコピーできるのか調べていくんだ」


「でも、他にって例えば何なの?」


「まず調べたいのは、【スキル】だ」


人の思考という抽象的な概念をコピーする事ができたヒナタ。という事はヒナタは【スキル】もコピーする事が出来るんじゃないか?俺は今そう思っている。


「でも、スキルをコピーするってどうやってコピーするの?おじさんスキル持ってないでしょ」


グサっと心の中に何かが刺さる音がした。めげずに久東は話を続ける。


「俺はスキルを持ってないからなぁ。ヒナタの友達とかに頼めないか?明日にでもここに一緒にきてもら」


その時だった。大型台風が来たときのような突風が俺のダンボールハウスを襲った。


ハリボテのダンボールハウスの屋根が一瞬で吹き飛ばされる。俺は急いでヒナタの体を守る。


「おい、ヒナタ。大丈夫か?」


「うん。大丈夫」


俺は屋根がなくなったダンボールハウスから首をひょっこりと出して辺りを見回した。すると、見覚えのある少年が立っていた。


「あ!いたいた。ヒナタはっけーん!」


それはいつか見た、ヒナタをいじめていたあの少年だった。

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