不明瞭な要求
船は日本を出てから三日間走行を続け、ギデオンの港に到着した。つまり、ここからがもうダンジョン大陸である。
「これがダンジョン大陸なのね。この船を降りたらもう、大陸全体がダンジョンになってるなんて。信じられないわ」
「……わたし……たのしみ……」
「危険もいっぱいなのよ?くるみ。あんたは私とおんなじで戦闘には向いてないんだから気をつけなさいよ」
一同は船を降り、ダンジョン大陸へ足を踏み入れた。
「とうとう来ちまったな、ヒナタ」
「うん!試験のダンジョンも楽しかったけど、ここは本当のダンジョン!!」
ヒナタ、くるみはダンジョン大陸に降り立ち大興奮の様子だった。小さい子は純粋でいいな。久東は客観的にそう思うはずだった。
「なんだか、俺もすごく楽しみになってきたぞ!!」
久東もヒナタ同様興奮していた。昔と比べて久東はだいぶ単純な性格になってきている気がした。
船を降りると1人のスーツ姿の男が立っていた。
「皆さん、長旅ご苦労様でございます。チームヒナタワクワク探検隊の皆様ですね」
ピシッと横に整えられた髪型、黒のスーツに革靴。人目見てダンジョン大陸のものではなく外部の人間であると思った。
「ヒナタ、あんたそんなチーム名つけてたの?」
「探検隊だよ!カレンちゃんも」
男はペコリと執事のように頭を下げ、話を続けた。
「申し遅れました。私、大会運営委員会の押見裕己と申します。皆さんに二次試験の詳細をここで説明させていただきます」
久東は港から周囲を見渡した。日本と見た目は変わらない。港のすぐそばには森林が続いている。
「皆さんにはこのギデオン国で1ヶ月の間過ごしてもらいます。そして、1ヶ月後に【何かしら成果】を上げてもらいたいのです」
「何かしらの成果?随分とぼんやりした評価方法ね」
「すいません、簡単に言えばあなた達は小隊と思っていただければ。このダンジョン大陸は戦地である事はご存知だと思います。二次試験はより実践的な内容となっております。このギデオンから何かしら日本に対する恩恵を持って来てください」
「何かしらってどうやってそれを判断するんだ?」
「合格者10名はダンジョン大陸の国へ各々派遣されています。1ヶ月後、どのような成果を上げたのか【首相の前】で発表していただきます。そこで判断されます」
「首相……って、あの宮本首相?」
「さようでございます」
二次試験の規模の大きさに久東は驚きを隠せなかった。
面白いと思ったらブクマ評価お願いします




