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コピースキルでスキルをコピーする!!

「前田くん、私とスキルでバトルしよ!」


「はぁ?ヒナタとスキルバトルしても相手になんねーだろ!雑魚スキルのコピーなんかに負けるわけねーじゃん」


「負けるのが怖いんでしょ!」


「んなわけねーだろ!やってやるよ!知らねーからね!どうなっても!」


ヒナタは前田くんの前に手を差し出した。


「握手。正々堂々闘うって言う誓いを込めて」


「そんなことしなくても、俺は正々堂々堂々闘うってーの」


バチン!


ヒナタの差し伸べた手を叩いて拒む前田くん。ヒナタはその一瞬の体の接触を見逃さなかった。


「コピー」


「ん?なんか言ったか?」


「別に」


ヒナタは前田くんからトコトコ離れ距離を取る。そして、呟く。


「ペースト」


作戦と言えるか分からない程度のものだったが、さっき言った作戦は見事に成功した。ヒナタがスキルをコピーするには相手に触れる必要がある。そのためバトルの前に握手を求めるようにヒナタに言っておいたのだ。ヒナタのやつ、案外演技が上手いな。


どうだ?ヒナタは今確実にコピーをしてペーストをしたはず。これでスキルがコピー出来ていれば……


「おい!もう始めるぜ!」


ヒナタと前田くんが対峙する。ヒナタの髪の毛が風に逆撫でされ、ヒナタの顔を包むように舞う。


【第一のスキル 風巻】


小さな竜巻がヒナタ向かって飛んで来る。ヒナタは走ってそれをなんとか避ける。


「おい、逃げてばっかじゃ勝てねーぜ」


前田くんが再びスキルを発動させようとしたときだった。ヒナタも同時にスキルを叫んだ!


【【第一のスキル 風巻】】


前田くんの手から、そして、ヒナタの手から、竜巻が発生した。


二つの竜巻は衝突し合い、大きな突風を生み、そして消滅した。


「おい!ヒナタ!今のは……」

「うん!私、出来たみたい!スキルのコピー!」


すごいぞ!いやマジでこれは凄いことじゃないか?


ヒナタは今、他人のスキルをコピーしたんだ。これから他の人のスキルもどんどんコピーする事ができれば……ヒナタはこの世で最強になるんじゃないのか?


「はぁ?何で俺のスキル【風体】がヒナタも使えるんだ?ヒナタのスキルはただ石ころをコピーするだけじゃなかったのかよ!」


前田くんは当然何も分からない。スキルがコピーされたことすら分かっていない。


「ヒナタいいぞ!お前のスキルはやっぱり最強だ!」

「うん、おじさんのおかげだよ!」


おじさんでもいいや!久藤はメモに追加記入した。

③ コピーは物理的なもの以外でもできる。例えば思考、スキルなど。


「よし、ヒナタ一気に行っちまえーー!!」


風になびくヒナタの髪の毛。正面から見たらメデューサみたいになってて、顔が隠れて見えないだろう。


「何調子乗ってんだ!俺の方が強いに決まってるだろ!」


【第二のスキル 神風】

【第二のスキル 神風】


ヒナタは前田くんに数秒遅れでスキルを出す。技名だけは一度聞かないと分からないから仕方がない。


「何でお前が俺の技を出せるんだよ!意味わかんねーよ」


「それはね、ちゃんと前田くんの言う通りスキルの研究してたからだよ」


ヒナタが怒涛の攻撃を仕掛ける。


【第一のスキル 風巻風巻風巻風巻風巻風巻】


大量の竜巻が前田くんの元に飛んでいく。


「くそが!ヒナタなんかに負けるわけには行かねーんだよ」


【第一のスキル 風巻風巻風巻風巻風巻風巻】


負けじと反撃する前田くん。少し泣いている。


竜巻は同じ大きさ、同じ速度、同じ数放たれ両者ともに全くの互角でせめぎあっている。


「いけええエェェェェ!ヒナタァァアァア」


その時、風上から風下に突風が吹いた。それは自然な風。スキルによる風ではなく、自然に起きた風であった。


再びヒナタの顔を包むように風がなびく。


そして、その突風は風上にいるヒナタの竜巻を少しだけ後押しした。


「うおおおおおおおお」

「いっちゃえええええ」


突風により風上のヒナタの竜巻は大きさを増し、前田くんの竜巻を飲み込む。


「くそぉ!なんでなんでなんで??俺がヒナタなんかに負けるんだぁああああ」


全てを飲み込んだヒナタの竜巻は前田くんを吹き飛ばした。


数メートルほど吹っ飛ばされた前田くんはしばらくしてから、ゆっくりと起き上がった。


「くっそぉぉ。たまたまだからな。ヒナタ。たまたま竜巻が起こって勝ったんだ。お前は何もしてない。運で勝っただけだからな!これはオレの負けじゃないからな!」


泣きながら前田くんはそう言って去って行った。


風が収まる。ヒナタの髪は重力に従い、しなだれるようにダランと垂れている。


「おい!ヒナタ大丈夫か?」


ヒナタの目はいつも以上に輝いていた。


「ホントだった……私、スキルをコピーできた!やったよ!やったよ!」


ヒナタがオレの足に抱きついてくる。


「あぁ、やったよ。ヒナタ、お前は凄いよ。これは世界最強のスキルに違いない」


「私が凄いんじゃない。このスキルの使い方を導いてくれたおじさ……じゃなくて、くとぅ、くつぅ 、くとお」


ヒナタが一生懸命、くとう と言おうとしている。しかし、言いにくいのかなかなか発音できない。


「くつう、くつぅ、けつぅ、ううん。……くーちゃんのおかげだよー!」


最終的に俺はくーちゃんになった。まぁ、おじさんよりは全然いっか。


久藤はメモに以下の項目を追加した。

■ヒナタの俺の呼び方

おじさん → くーちゃん


--------------------------------------------------------------------

【ヒナタの戦果】

・前田くんのスキル 風舞

・前田くんのステータス


■如月ヒナタのステータス



 学生 Lv3 → 学生 Lv5


 HP 30/30 → HP 90/90


 攻撃力 16 → 攻撃力 46


 防御力 16 → 防御力 46


 速攻性 16 → 速攻性 46


 命中力 16 → 命中力 46


 知力 5 → 知力 5 


 創造性 5 → 創造性 5


【スキル】

名称 : コピー 

属性 : 無所属

Rank : D


※所持コピースキル【風体】

これにて、出会いの章完結です

面白いと思ったらブクマ評価頂けたら嬉しいです〜


次章からダンジョンへ行きます

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