或る男が書いた1枚のメモ書き
『彼の腕から零れ落ちた私に、もう救いは無い。
彼の腕はあまりにも短すぎるのだ。私だけではない、君も、あいつも、数多の人々が零れ落ちている!!
私は考える。
1.魂の純度をより濃くするためのに、あらゆる美徳を成すことを私が壊れるまでそれを続ける。
私が犯してきたものたちに祈りながら、許しを乞いながら、私は。
2.私は魂を砕く! あらゆる手段を使い、砕き、鳴き砂よりも細かく。
ああ、二人であの砂浜をもう一度歩きたかった。ペンを持つ指が震える、
3.鳴き砂よりも細かく美しくなった粉砕された私の魂では、肉体の維持は不可能!!
壊れかけたこの檻を出ることは実に容易いことだ。
4.中空を舞う私の魂は様々な分子と結びつく。そう私はまだ見ぬ分子という娘と踊り明かす。
私はそれを良しとし、私はそれを救いとする。
5.私がないがしろにしてきたもの、愛したもの全てに、私は祝福を送る。
私は犬に、猫に、花や木に、路傍の石に、鳥に空、
もちろん、君のそばにも、いつもいる。
私を視認することは不可能! それはもう仕方のないことなんだ。
だから君たちは私のことをいつか忘れてしまう、
しかし、もしかしたらこれをいつか、どこかで読んだときに君は思い出す!
君が今まで憎んできたもの、愛してきたもの、これから憎むもの、愛するものすべてに……、
私は祝福をし、愛し、それらの傍でそれらと共に朝が来ない夜の中で踊り続ける。』
了