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ワタシ 5
彼の車で、間違いなく夜景スポットに連れていかれるワタシは、なんか走馬灯のように頭の中で色んな今までのことが駆け巡っていた。
ほぼ、それは、原口と過ごした日々だったが、そうでないこともあった。
ワタシは、それを自然と原口と過ごした日々オンリーにしていった。
なにか少しボーッとなって、気づくと車のフロントガラスから綺麗な夜景が見えていて、停車していた車の中、彼はオモムロニ話し出し、
ホンワカしていた頃、
「…だから、僕と結婚してください!」の彼の、その声だけが、しかと、ワタシに聞こえ、
「え?」
と、ワタシは、なった。
嬉しかった。
でも、その時、どうともワタシは表現できず、走馬灯が回り出した、彼以外の記憶、
あの日、父と母が、何か、とてつもないものに、打ちひがされていた、あの記憶が多少なりともインマイヘッドを霞めたせいか、
少し強い口調で、こんなことがマイマウスから出てしまった。
「あなた、以前と何か変わったわ…あの、一度、別れた、あの時から、何かあったの?」と…。




