オレ 2
先日、本当に俺好みのジャケットに出逢った。
それをジャケットCと呼ぶ。
実は、それ以前に、一番に俺好みのジャケットA、それに次ぐ、好みのジャケットBに出逢っていた。
ジャケットCに、話を戻す。
ここ最近、出逢った、それは、ブランドものでデザインも特徴的だった。
ダブル仕立てのジャケットだった。
俺は、それを着て本当に欲しいと思ったが、その時に買わなかった。
でも、ジャケットCを試着した時にはマジで歓喜した。
もちろん、店内で奇声は発しなかったが。
俺の中では、
俺が着たジャケットでは、
まずもって、
ジャケットCより、
ジャケットBが良くて、
それよりも、ジャケットAは揺らがない。
だが、
ジャケットCを着た時に、A、Bを着た時よりもCを着た時の自分が一番イイと思った自分がいたわけだ。
ジャケットA、Bは、当時、着てみた時に購入には至らなかった。
そして、結果的には、Cを購入することもしなかった。
それは、なぜか?
自分自身で自分の事が分からないことを嫌う俺には、俺なりの、その理由があった。
デート向きではなく、
普段着としては上等過ぎて、
俺が好む、女性好みの
男性が着る服ではない、と判断したからだった。
俺は、家庭的な女性を欲していた。
つまり、ジャケットA、B、Cとも、そういった女性が好まないものだと俺が判断して買わなかった。
しかしだ…
俺の服の好みが何か、俺という人間を示唆していることがあるとしたら、俺は、正直なところ、心の何処かで“激しい”女性を求めているのかもしれなかった……。




