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Travel the world  作者: 伊島蒼
愛を謳い哀を抱け
6/12

アンチはどこにでもいる

こんな時間に、しかもまためっちゃ短い文章でごめんなさい。なんとか今日中にもう一話書き上げますので。


目を開くと、部屋はもう薄暗かった。

近くに落ちていたリモコンを操作し、部屋を明るくする。


「う〜ん」


体を捻るとバキバキと音が鳴る。割と長時間電脳世界に潜っていたせいか、体が硬い。

結局、宿屋…セーブポイントに着いた後も、街を探検したり森を探索したりと色々していたら時間が飛んでいた。楽しいとすぐに時間が過ぎちゃうあの現象だ。


「お腹空いたな」


時計を見れば時刻はもう午後七時、晩ご飯を食べるにはちょうどいい時間だ。今は家に親が居ないので、自炊か弁当を買ってくるかをするしかない。


「外出るのも面倒だし、なんか作ろうか」


そんな訳で自室を出てキッチンへ。

冷蔵庫を開け中を覗くと、豚バラ肉を発見した。たしか野菜もそれなりにあった筈だ。となると、今日のメニューは肉野菜炒めに決定かな。


「さすが今最も売れてるゲームだったなぁ」


フライパンに油をひき、切った野菜と肉を突っ込みながら呟く。どうでもいいけど、一人になるとなんか独り言が多くならない?

完成した肉野菜炒めを皿に移しテーブルへ持っていく。


「いただきます」


味はまあまあである。元々僕は料理は得意じゃないから仕方ない。


「フルダイブVRに危険はないのか、ねぇ」


行儀が悪いのはわかっているけれど、静かな食卓に寂しさを感じてつい自分の端末をいじっていると、そんな題名の記事を見つけた。

第十世代と呼ばれる家庭用フルダイブVRやARの搭載されたアーケードゲームが登場して二十年近くになるけれど、未だに危険性を叫ぶ人はそれなりに居たりする。彼らは、脳の電気信号を無理やり〜だの、よりリアルになったゲームのせいで価値観が〜だのと微妙に否定しきれない部分をネチネチと突いてくる。僕も詳しくは知らないけれど、フルダイブVR技術も元は医療系に使われていたりしたから、危険性がどうとか気にしなくても良い気がするのだ。発売当時ならまあわからないでもないけれどもう二十年近く経っている、さすがにその辺りはもう問題ないと思うんだけどなぁ。価値観の方は人それぞれだから何とも言えないけど。


「まあ僕には関係ないか」


趣味に理解のある家族を持って僕は幸せ者だなぁ。







――――――――――――――――

PN:キッド

LV:13

JOB:魔法使い

所持金:3250


HP:10

MP:30

STR:20

VIT:10(DEF+10)

DEX:15

AGI:45

INT:45

LUC:5

スキル

アクセル

スマッシュ

バックステップ


魔法

火魔法(LV1)

水魔法(LV1)

――――――――――――――――



再び潜って電脳世界。

セーブポイントでもあるベッドに腰掛けてステータスのチェック中だ。レベルアップで得たステータスポイントはAGIとINTを中心に振り分けてみた。AGIに振ったのは一人でも立ち回れるように速さが欲しかったから、INTに振ったのは魔法の威力の底上げだ。この育成ビルドが良いものなのか悪いものなのかは、わからないけれど……いや悪いに決まってるか。完全に後衛職なのにソロだもんね。まあどれだけ通用するかわからないけれど、暫くはこの方向性で頑張ってみよう。


「あ、そういえば装備の確認してなかったや」


とは言っても何か新しい装備を買ったりした訳じゃないから、本当にただ現在着けている初期装備を確認するだけだ。

宙に浮かぶ画面を操作し、装備の欄を表示させる。


――――――――――――――――

装備

武器:旅人の杖

頭:旅人の帽子(DEF+2)

胴:旅人の服(DEF+2)

腕:旅人のグローブ(DEF+2)

腰:旅人のベルト(DEF+2)

足:旅人の靴(DEF+2)

アクセサリー:なし

――――――――――――――――


へぇ、初期装備は旅人の〜で統一されてるんだ。

こういうのってなんか一式売ったりしないでとっておきたくなるんだよね。それで倉庫とかに入れておくんだけど、圧迫されてきたら迷わず売るのは、たぶん僕だけのあるあるだ。


「そういえば杖の耐久がもうヤバいんだった」


親愛なる経験値ゴブリンをタコ殴りにしたんだから仕方ない。途中からはドロップアイテムの錆びた剣を使ってたから壊れなかったけど。


「武器屋行って杖買おうかな」


思い立ったが吉日、すぐに立ち上がって部屋を出る。


「あれ、キッドさんお出かけですか?」


声を掛けてきたのはこの宿屋の娘NPCリーナだ。


「うん、ちょっと買い物にね」


「この時間だともう露店のお店は開いてないですよ〜」


そうなんだ。まあたしかに外だし、暗くなったら店は閉じるよね。


「ありがとう。でも僕が行くのは武器屋なんだけど、まだ開いてるかな?」


「あっ、露天じゃない武器屋さんならまだ開いてると思いますよ」


それは良かった。でも「まだ」ってことは当然だけど深夜になると閉まるんだろうね。その時間帯にしかログインできない人はどうしてるんだろう?

まあいいか、僕はまだ学生で帰宅部だからそんなに忙しくないし。


「それじゃあ行ってくるよ」


「いってらっしゃいです!」




この作品では生命力、持続力、抵抗力、防御力をまとめてVITになっています。VITの隣にあるDEF+は、先程上げたものの内、防御力のみが上昇していることを表しています。

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