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まさか、この私が敗れるとは!(演技)と捨て台詞を残してから300年、魔王な俺が新人冒険者になったワケ  作者: 藤谷ある
田舎暮らし準備編

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48話 新生活応援セール

※前回までのあらすじ


 アルマが転んで死にかけた!

【48話】新生活応援セール



 ルーシェが倒れているアルマに回復ヒールの魔法をかける。

 しかもドス黒い視覚効果エフェクトが出ている回復ヒールである。



 こんな時まで見た目に拘らなくていいから!



 だが、そんな回復ヒールでも、アルマの体力は元々がゼロに近い数値なので、すぐに全快した。



「ふぅ……助かりました。ありがとうございます」

「いえいえ、これくらい赤子の手を捻るより簡単ですよ」



 おい、なんか言葉の使い方、間違ってるぞ。

 しかもちょっと物騒だ。



 ってか、アルマの奴、そんなんで今までよく生きてたな……。



 ステータスを見る限り、この魔力転化というやつは身に受けた魔法を物理防御力に変換できるが、それは時間経過と共に徐々に減衰するっぽい。



 言わば制限時間付きの防御力ブーストって感じか。



 しかしこのままでは魔法防御は完璧でも、物理防御がペラペラすぎる。

 せっかく金も入ったことだし、何か防具でも買ってやった方がいいかもしれない。



 それも含めてジモンに相談してみよう。



 そんなわけで、歩けるようになったアルマを含め、三人でジモンの店へと向かった。



          ◇




「おい、居るか?」



 入店するなり、ぶっきらぼうに尋ねた。



「居ないなら居るって言わねえよ。ったく、また来たのか。暇人かよ。冷やかしはゴメンって言ったろ」



 奥で荷物の片付けをしていたジモンは、俺達に気付くと憎まれ口を叩く。

 しかし、その顔は然程嫌そうには見えない。



「ああ、約束通り、冷やかしじゃなくて商品を買いにきた」

「なぬ……」



 少し驚いたような様子を見せると、ニヤニヤしながら俺のことを肘で小突いてくる。



「なんだよ羽振りがいいじゃねえか。冒険者としての初稼ぎでも入ったのか?」

「まあ、そんなとこだ」



 そこでジモンは、入り口の辺りで商品を眺めているアルマに目を向ける。



「それに嬢ちゃんが一人増えてんじゃねえか。お前も隅に置けねえなあ」

「彼女は成り行きだ」

「ん?」



 ジモンは怪訝な表情をしたが、構わず話を進める。



「それより、こいつだ」



 俺は荷物から麻袋を取り出すと、それを彼に手渡す。



「なんだこれは?」

「出世払いだって言っただろ。もらった剣の代金だ」

「えっ……」



 ジモンは麻袋の紐を解いて中身を確認する。

 袋の中には金貨がぎっしりと詰まっているのが見えた。



 しかし、彼の目は点になっている。



「全部で500万Gある。それで足りるか?」

「じょっ……」



「じょっ?」

「じょ、冗談じゃない!」



「足りないのか?」

「ちっ、ちがうわ! もらいすぎだって言ってるんだ! こ、こここんな大金、いくらなんでも、もらえねえよ!」



 ジモンは凄く狼狽えた様子だった。

 俺は腰にある剣に手を置きながら言う。



「しかし、こいつはあんたにとって大事な剣だろ。それくらいは……」

「そうだとしても普通のショートソードはそんな値段しないから! 10万Gもあれば結構良い奴が買えるから!」


「……」



 ここにきてジモンが商売人として成功できない理由がなんとなく分かった。



「じゃあ、残りの金でこの店にある商品を買いたい」

「は?」



 彼は目を丸くする。



「実はこの町に家を買ってな。丘の上の家なんだが……」

「えっ……あの家を買ったのか……? お前が……?」



 どうやら、あの物件のことは彼も知っているらしい。



「一体、どんなクエストを受けたんだよ……」

「そこそこのヤツをな」



 と言ってニヤリと笑う。



「……」



「それで、その家に置く家財を揃えたい。この店で大体揃うんじゃないかと思ってな」

「そ……そりゃ、うちの店は種類だけは豊富だが……全部、中古品のオンボロばかりだぞ?」



「実際に使えれば充分だ。それに新品では金が足りないだろ」

「お前……どんだけ買う気なんだ……?」



「そうそう、彼女、アルマが装備できそうな防具もあったら一緒に頼む」

「……」



 それでジモンはもう何も言わなくなった。



 彼が持ってきてくれたのは軽そうな胸当て(ブレストアーマー)と、脛当て(グリーブ)。そして腕に取り付けるタイプの小盾(バックラー)だった。



 どれも使い込まれているが、比較的綺麗な品。

 それをアルマに渡す。



「えっ、私に? いいんですか?」

「また道端で死にかけられたら困るからな」

「あう……すみません」



 申し訳なさそうにしながら、それを身に付ける。



 サイズはぴったりだった。

 シンプルな形なので上品に映る。



「これ……大切にしますね」



 彼女は、はにかみながら俺にそう言ってきた。



 その後は皆で必要そうな家財を選び、ジモンが外に用意してくれた荷車へと積み込む。

 それを丘の上の家まで運ぶのを繰り返すこと数回。



 俺が密かに魔力を使って荷車を軽くするサポートをしておいたが、全てを終えた頃にはルーシェとアルマはヘトヘトになっていた。



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