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まさか、この私が敗れるとは!(演技)と捨て台詞を残してから300年、魔王な俺が新人冒険者になったワケ  作者: 藤谷ある
田舎暮らし準備編

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27話 新触感

※前回までのあらすじ


 ルーシェが室内で燭光トーチの魔法(闇バージョン)を使った!

【27話】新触感



「おわっ!? なんだ?? どうして急に真っ暗になった!?」



「見えねえ!! 前が見えねえよっ!!」



「おいっ!? ぶっ、武器を振り回すなっ! 危ねえだろ!!」



 盗賊達は突然やってきた暗闇に慌てていた。



 先程まで窓辺から燦々と陽が差していた室内が、急に真夜中のようになったのだから無理も無い。



 しかも月明かりも星の光も無い、魔法で作り出された純然たる闇なので、鼻先の様子すら視認できないのだ。



 今も彼らは、状況を把握しようと闇の中を手で探りながら摺り足で移動している。



 そんな中でも、魔力によって夜目の利く俺には大体の様子が見えていた。

 盗賊達が闇の中をゾンビのように徘徊する姿は実に滑稽である。



 さて、あまり長居はできないな。



 俺は早速、救出の為、囚われの少女の方へ足を向けた――のだが……。

 視界の端に燭光トーチの魔法を出したまま、体をふらふらさせているルーシェの姿が見えた。



 暗闇の中でも、それが気分悪そうな表情だということは分かる。

 心配になって問いかけた。



「おい、大丈夫か?」

「ダ……ダメで……ぷ」



「ぷ?」

「きぼぢわるい……うぅ……ぷっ……は……はきそう……」



「うおぉいっ!? 今は止めろ! ここでは止めろ!」



 恐らく、限界までMPを使い切ったことによる魔力酔いだ。



 闇の燭光トーチが揺れる。

 暗黒が薄れ、室内の輪郭が朧気に見え始めている。



 こいつは思ってたより長く持たないぞ……。

 事を急がないと。



「いいか! もう少しだけ堪えろ!」



 そう言い残すと俺は、徘徊する盗賊達の合間を擦り抜け、ロープで縛られている少女の元へと辿り着く。



 何か声を掛けている暇は無い。



「ちょっと我慢な」

「えっ……?」



 そうとだけ告げると、即座に彼女の体を小脇に担ぎ上げる。



「ふ、ふえっ!?」



 頓狂な声が上がるが、構わずルーシェの所へ戻る。

 そして今度は反対側の小脇に彼女を抱えた。



「うぷ……もうダメでひゅ……」



 力尽きたのだろう。

 ルーシェは、そう言い残して項垂れてしまった。

 同時に魔法の火が消える。



 やべ……。

 室内が明るくなり始めている。



 俺は二人を抱え、急いで玄関から脱出した。



 そのままの足で武器や荷物を隠してある繁みへと進む。



 そこで彼女達を降ろそうとした時だった。



 ふにゅ



「?」



 おかしな感触が右手にあることに気が付く。



 なんだこれは……こんな柔らかくて温かいもの……触ったことが無いぞ?



 すると、助けた少女が赤ら顔で困ったような表情を浮かべていることに気が付く。



「あ、あの……」



 その意味を理解するのに数瞬かかった。



 ええと……これは……。



 俺の手の中に彼女のたわわな胸が収まっていたのだ。



「どわっ!? っと、す、すまん!」



 俺は慌てて彼女をその場に降ろした。



 どうやら最初に抱えた時からずっとその状態だったらしい。

 暗がりだったから適当に掴んだのだが……それがまずかったらしい。



 少女は未だ動揺を隠せないようで、火照った顔をしている。



 と、こんな所で時間を潰している場合じゃなかったな。

 闇が消え去ったことで、盗賊達が俺らを追って外へ出てくるはずだ。



 俺はもう片方の腕にあるルーシェを降ろすと、少女のロープを解いてやる。


 そして未だ意識が朦朧としているルーシェを少女に託した。



「こいつを頼む」

「えっ……あ、はい」



 少女は戸惑いながらもすぐに理解してくれたようだった。

 そんな彼女に告げる。



「俺は後始末に行ってくる」



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