《 序章 》 〈 第二話 〉 鏡中の宇宙
( 推奨 BGM ) ヨハン・シュトラウスⅡ作曲
『美しき青きドナウ』 (リピート)
カラヤン&ベルリンフィル
https://www.youtube.com/watch?v=jc5iFBxDMGc
いってらっしゃいって言われても、
私はただ鏡の中を見られればそれでいいのに?
私は首を傾げながら鏡の方へ視線を向けると、その鏡の中には ・・・
あっあああー、あの~お二人が鏡に映っているではないか?
あれっ?しかも凄くお楽しそうに、手まで振っておられる ・・・・・
が、しかし、何事が起きているかは分かった。
体が自然に硬直している。
何故って、わたしは~すでに~かがみ~の中だ!
はめらっ、いやっ、だまされた~~!
私の周りは三百六十度、無音の暗い空間 ・・・
でも小さな光の粒が、たくさん見える ・・・?
しかも背中が妙にあったかい。
小さい光の粒?これは星なんかじゃない!
そう、断じてここは ・・・ うちゅうちゅ・・・
違うちがう! うう~、ふっ震えがあ ・・・
「 いやだああああ~。」
私は両手で頬を押さえた。これじゃあムンクの叫びだ~。
もしくは、ケロロ軍曹だあ~。
ゲェ~~ロオオォーーッ。
《 あのね、そんなことはいいですから、
早く後ろを見ないと危ないですよ。》
これまた楽しそうに叔父様の神様は鏡越しにおっしゃった。
隣のスミレ様ときたら、
かなりのオーバーアクションで手を叩いて大爆笑である。
《 おじさまった~らサーイコー、
キャッキャッ、ふんふふんふ ふ~ん♪》
うう、なんて神様だ。こんな時にスキップですか。
こっ、これは絶対危険だ。
後ろを振り向いてはいけな ・・・ い 。
私は振り向かない。
ふりむ ・・・ うん? 体が勝手に動いてゆく~。
直立不動で金縛り~。 私は神様のおもちゃ~。
ででで、でもでもでも、やっぱり太陽だぁけど ・・・
い、いかん、ちかちかちかっ、近すぎるでショー ・・・
・・・ ああ~太陽フレアがあ~頭の上をををを ・・・
死ぬ ・・・ 有り得ない有り得ない ・・・ あう、ああう~。
ここまで太陽に接近したのはぁ、人類初の快挙であります。
しかも生身?で~ ・・*
人工衛星ひのでぇ~ も 真っ青 ~~
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・ あっ、あぶっ ・・ *%$# ・・・
おう? ・・・ あ ・・・・・・
あ ・・・ あ、拙者も武士の端くれ、なんのこれしき、
気など失っている場合ではないわ ・・・ がががが、
ガツンと言わねば、ははは、はあ~~~
かッかッ、
「 神様、スミレ様、助けてください。
こんなに近いと熱いやら恐ろしいやら、
フレアの直撃を受けそうで危ないです。
お願いです。ちっ地球に戻して下さいぃ~~。」
私は気を付けの姿勢のままで必死に祈った。
はあ ・・・ 武士の面目丸潰れでござる。
《 あ~ら、御不満のようね。》
エッ! な、なんか隣から声がするのだが、首が動かない。
仕方なく目線だけを右下に恐る恐る向けた。
あっ、あれっ、なんか妙に丸くて、
白い大きな雪だるまっぽい何かが私と同じ向きで漂っている。
これって、この場面どこかで見たことがある。
そうそうトトロの 「雨のバス停」 の場面と似てる。
ただゴーストバスターズのマシュマロマンや
雪だるまではなさそうだ。
手足や胴が丸っこくて異常に短い。
寸足らずだ。完全二頭身。
その大きな顔には三本の髭。
真ん中には小さい鼻がポチッと付いていて、
目は黒目だけの縦長楕円形?
頭の上には三角の耳が付いている。
それに赤い ・・・ リ、リボン!
えっ、きっ、キティちゃん?!!
拙者は絶句した ・・・
キティちゃんの衣装は、
相当アンバランスな例のスミレ様のお召し物が
着せられているではないか。
まさか、着ぐるみ? それとも変身?・・・
これって本当にスミレ様?
えっ、そっ、それにしても悪趣味だし不恰好。
私は笑いを堪え切れず、
「 ぷっ 」と吹き出したが、すぐある事を思い出した。
私の思ったことが神様には筒抜けであることを ・・・
あ、案の定さっきから妙に静かなお隣のキティ様から、
ただならぬ殺気が ・・・
横目で見ると白いこめかみの辺りに、
漫画で良く見る怒りマークが ・・・
ついでに目から怒りの炎が ・・・
ついでに ズゴゴゴゴゴ~ッ って字幕が ・・・
ちっ 血の気が失せて震えが ・・・ さささ、さむっ。
「 スッ、スミレ様、申し訳ございません。
あのぉ 悪気はございませんですし、
そんな変なコスプレされるとおかしくて・・・ 」
あっいかん!凄い殺気と言うかオーラが轟々と燃えて、
白くて短い毛が金色に光って逆立ってきた。
えっ、スーパーサイヤ人 じゃなくて、
スーパーキティちゃん!!!???
「 あの、お怒りは分かりますが、目付きが悪過ぎると・・・」
《 おっだまりなっさ~い!
さっきから黙って聞いていれば、
雪だるまだのトトロだの悪趣味で不恰好だのと、
おまけに馬鹿にして笑ってくれたわね!
そんなふうに言われた上に笑われたことなんて、
ここ一万飛んで八百と三十五年程無いわよ。
言ったのはあそこにおられる叔父様よ。》
鏡の奥で、気まずそうに叔父様の神様がお手を振られた。
《 あなた、その程度のレベルでしかないのに、
いい度胸しているわよね。覚悟はよろしいかしら。》
「あっ、ははは、ハイ、も、申し訳ございません。
心を入れ替えて何でもおっしゃることを、
い、致しますので、
ど、どど、どお~かお許し下さいませ~。」
《 へぇ~何でもするんだ。
じゃ~あ、何にでもなって頂こうかし~ら~♪》
「 へっ、何にでもなるって?
・・・何のことでございましょう。」
《 ん~っと、何がいいかしら、
あっそうそう、あれがいいわね。》
すると、お決まりのように魔法のステッキが出てきてって、
このステッキはスミレ様の、なが~い髪の先に付いていた、
あの龍が持っていた物だ。そのステッキを左手にお持ちになり、
とってもかわいくプリティにこうおっしゃった。
《 ふん、お世辞言っても遅いのよ。
え~い!うっさぎっにな~あれっ!☆☆ 》
スーパーキティ様は、
じゃなくてスミレ様は魔法のステッキの二重螺旋部分を
右にくるくる廻された。あれって回転するんだ。
すると、リリリリリ~~ン☆ とか音がして、
ステッキの先からキラキラと光が出て私の体を包み込んだ。
すると、やっぱりお決まりのように煙が ボワッ と出て、
あれっ、体が縮んだ ・・・で、何かに変身したらしい、
じゃなくてウサギになった筈だが?・・・
でも、電撃じゃなくて良かったあ~。
ほんと電撃じゃあ洒落になんないし、
へたするとアフロになっちゃうからねって、
いやいや問題が違うだろ ・・・
う~わ~どうしよ 。私は頭を抱えた。
《 ねっ、信造殿はうさぎ年生まれだから丁度いいでしょう。
とってもカワイイわよ~ん。ほほほほ~。》
スミレ様は、とっても愛らしいお顔
(元のキティちゃんにお戻りになられて )でおっしゃった。
「ははは、はあ、よくご存知でいらして・・・」
むむ。妙だ。
頭を抱えたと思ったが、手が短くて届かずに、
ほっぺで止まっている。
ガ~~~ン!まさか、カエル軍曹か?
でも体は白いし、これは何だ?ピンクの頭巾か?
それに皮膚感覚がおかしい。
何か、ふわふわフカフカだし、
あたまがいじょうにおおきい ・・・
ありゃま、うさぎってこんなんだったかしら?
てはまるくて、ゆきだるまかな ~~?
これじゃあパソコンのキーボードうてないわね ・・・
あれっ?こえまでへんだわね。おんなのこだわ ・・・
でもネ、あたし、きにしないの。
だって、とってもゆかいでたのしいきぶんなの~♪
《 は~い、おおきな鏡ですわよー。》
あたくしは不適切発言の多い、
マイメロ化した信造の前に大きな鏡を差し出したって、
わっ、私が、一々説明するの?
ナレーター? 何よそれ~ ・・・
「 わ~い、キティちゃんだ。かわいい~、
そのいしょう、とってもおにあいよ。
うふっ、なでなで ・・・」
《 あ、あのね、気安く触らないでくれる。》
はあ~、同じ背丈にしちゃったのが間違いよ。
せっかく驚かせてあげようと思ったのに、
鏡を無視するとは、こやつどうしてくれよう。
はあ~・・・ しかし、何で私が作者でもないのに
こんなナレーターやらなきゃいけないの ・・・
って言ってもしょうがないか。
私がこのキャラに変身させちゃった訳だからねえ~~。
性格まで同じにさせたのが失敗よ。
ぶつぶつぶつぶつ ・・・
わたくしったら手抜きすることしないからね~。
完璧過ぎるのよね~。
はあ~ ・・・ ぶつぶつ ・・・
以上、修羅場の場面をお送りしました。ですがスガスガ ・・・
まだまだ、修羅場は続くのでありました。ああ~~!
ところで、あなたはマイメロをご存知でしょうか?
サンリオの人気キャラなのですが、
キティーちゃんほどメジャーではありません。
がしかし、アニメを見れば、はまりますよ。
私は以前、甥っ子が遊びに来た時に嫌々一緒に見たのが始まりで、
その後も放送終了まで見ておりました。
ではイラストを貼り付けると、著作権の問題が生じますので、
サンリオと大阪テレビのURLを貼っておきます。
http://www.sanrio.co.jp/special/mymelody/
http://www.tv-osaka.co.jp/mymelo/index.html
ピアノちゃんを是非チェックしてください。
直に登場してまいります。
ピンクの羊ですよ。
あ、それと歌ちゃんも忘れずに ・・・
おやすみなさ~~い!
いい夢を ・・・