表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
DREAM WAR  作者: バルルン
序章
1/4

プロローグ:ドリーマー

夢は素敵だ。

どんな所へも行けるし、何にでもなれる。

そしてなにより自由だ。何をしたって誰にも怒られない。

空を飛んだり、好きなものを好きなだけ食べたり、憧れの人とデートしたり…


― 人を殺すことだって許される ―



そもそも夢の世界に私の敵はいない。

謂わば『私の国』。そう、まさに『私だけの世界』なのだ。



私がこの力に目覚めた…というか気づいたのは小学生のころだ。

私は幼い頃から夢の世界を操れた。世間一般でいう『白昼夢』ってやつかな。

白昼夢とは夢の中で「自分はいま夢を見ている」という自覚があって、

ある程度操ることが出来る夢のことである。


普通はあまり見れないらしく、

ネットで得た知識で無理やり白昼夢をみようとしたところ精神異常に陥った…

…なんて話を聞いたことがある。


物心着いた頃からすでにいつでも好きな夢を見ることができた私からすると、

逆になぜ見れないの?と不思議だった。



しかし、小学校に上がって図書室で偶然見かけたある本にその答えはあった。


それは『ドリーマー』という素質だ。


ドリーマーは生まれつき持っている素質で、夢の世界である『ユメセカイ』を自由に操ることができる。

ドリーマーが作り出す世界を『ユメノクニ』、そこで流れる時間を『ユメジカン』という。

このネーミングセンスに子供ながらに思わず「そのまんまじゃん」とつっこんだ記憶がある。



まぁそういうわけで私は小学生の頃から『ドリーマー』をしている。

特別なこの力は本当に魅力的だ。

難点を強いてあげるなら『ユメセカイ』の着地点を選べないことかな。


着地点っていうのは、夢を見始めて『ユメセカイ』へ来た時に、一番最初に降り立つ場所のこと。

ユメセカイへは、なんていうか…現実世界から大きな穴に飛び込んでゆっくりふわふわと落ちていく感じ?

上手くは説明できないけど、そうだなぁ…。

丁度「不思議の国のアリス」の穴から落ちて不思議の国へ行っちゃう、あのシーンみたいな感じかな。


ストン、とユメセカイに降り立った瞬間、足元から『ユメ』が広がる。

その降り立った瞬間の『ユメ』は自分では決められない。

だから、悪夢が広がることもあるし、ときにはいかがわしいピンク色の世界が広がっていることもある。

でもそんなときはすぐに自分の『ユメノクニ』を呼び出しちゃう。

だから悪夢にうなされちゃうことはないんだけど、

いちいち自分の『ユメノクニ』を呼び出すのがすこし面倒なんだよね。




『ユメノクニ』はスノードームみたいなものに保存できて、いつでも呼び出すことができる。

私が持っているユメノクニは3つ。


一つ目は「お菓子の国」。これは私が幼稚園のころに作り出した夢。

全部がお菓子で出来ている、まぁよくみんなが一度は夢見る世界かな。

基本私はこの国の公園の「キャンディー広場」にいる。

ここでは『ユメジカン』がすごくゆっくりで、いつ行ってもほぼ3時だ。


二つ目は「お城の国」。これは中学生のころ、憧れの先輩の夢を見たくて作った世界。

この国では私はお姫様で、いつでもかわいいドレスを着てる。王子様はもちろん、いつでも憧れの人。

まぁ、その時の気持ちであこがれの王子様は変わっちゃうんだけどね。

ここの『ユメジカン』は比較的早くて、いつの間にか一週間ぐらいたってることもある。


そして最後は「処刑広場」。これは私にとって国じゃない。ただの広場。

気に入らない奴を殺すための世界。殺し方は様々。もちろん夢の世界だから罪には問われない。

それに嫌いな奴の汚い血で自分が汚れることもない。


ほかの二つはメルヘンチックなのにって驚いた?でも、きっとドリーマーならみんな持ってると思うよ。

…まぁほかのドリーマーに会ったことないからわからないけど。




いくら現実が最悪でも、この力がある限り夢は私の味方だ。

だから寝てしまえば何も恐れることなんてない。






―――――― そう思ってたんだけどなぁ… ――――――










評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ