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【連載版】完璧な婚約者ですか? そんな人より私は地味な従者を愛しています  作者: 上下サユウ


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13/20

第十三話 国家の安定とディオン殿下の業務改善

本日、11時、12時、13時、17時、18時、19時、20時、21時の投稿に予定を変更。そして最終話まで投稿。

あしからず(汗)

 ルーク誘拐事件後、リリアーナとアルクはゼクス伯爵を『公文書偽造および王室に対する業務妨害罪』で告発し、感情ではなく法律に基づいて粛清した。


 この事件を機に、国民は『感情的な特権』よりも、『法による秩序』の重要性を認識し、リリアーナ夫妻の改革への支持は揺るぎないものとなった。


 彼女たちの改革により、国は安定し、財政は健全化。しかし王太子ディオン殿下と、その妻となった元ヒロインのアメリア夫妻の関係は、感情的な愛に疲弊し、破綻寸前となっていた。


 ディオン殿下は、愛と情熱を失った王室に絶望し、アメリアは『理想のヒロイン』という重荷に耐えかねていた。


 リリアーナは、この『感情的な破綻』という非効率を是正するため、『王太子夫妻の業務改善プロジェクト』に着手した。


「アルク、殿下夫妻の『愛の業務』は非効率で高リスクです。この不調和は国家の調和をも乱します」


 アルクが作成した『王太子夫妻の支出と幸福度の相関性レポート』は、衝撃的な事実を示していた。


 結論: 殿下がアメリア様に贈る高価な贈り物(感情的な愛情表現)は、王室の支出を増やす一方、アメリア様の『精神的満足度』は、半年で50%低下している。幸福に繋がるのは安定した生活費の管理である。


 リリアーナはこのレポートを携え、殿下夫妻との会談に臨んだ。


「殿下、そしてアメリア様。わたくしどもは貴方方の『感情的な愛』を否定するものではありません。しかし、その愛は貴方方の幸福度と業務遂行に対し、『負の貢献』をしています」


 リリアーナは殿下夫妻に『王太子夫妻の共同生活に関する業務マニュアル』を差し出した。


「わたくしの提案は『愛の業務提携』です。感情的な浪費ではなく、安定した生活を最優先の目標とし、業務報告書という形で、互いの『愛の貢献度』を可視化することですわ」


 ディオン殿下は最初は怒り狂ったが、浪費を減らすことで、アメリアの幸福度が上がるという論理的な証明に、徐々に納得し始めた。


 そしてアメリアはヒロインという役割から解放され、『殿下の生活を支える秘書』という、一見地味だが、確かな役割を得たことで心から安堵した。


「リリアーナ様、あなたの冷たさは私を重い役割から解放してくれたのね」


 ディオン殿下は最後に、リリアーナに静かに頭を下げた。


「君たちの『安定』こそが究極の幸福だと、今、理解した。ありがとう、リリアーナ。そしてアルク。君の書類は僕の人生を救ってくれた」


 こうしてリリアーナ夫妻は『感情的な破綻』という最悪の非効率を『地味な信頼』という最高の業務改善で解決した。

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