表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
芳桜妃伝 〜 お仕事妃は、夢叶える 〜  作者: 悠月 星花


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

88/97

第88話 どうしてそんなに冷たいのさ!

 翌朝、目が覚めたら、勉強したまま眠っていたらしい。机につっぷしたままだったらしく体痛い。ゆっくり体を伸ばしていく。

 喉が渇いたので、お茶を飲みに行くと、机の上のお菓子にも手を伸ばした。


「煌蔣様、買ってきてくれたのよね。朝餉までにいただきましょう」


 私は箱からお菓子を取り出し、パクリと口にする。ほんのりはちみつの甘さが、疲れた体にちょうどいい。このお菓子は、三々とよく分け合って食べたものだった。


「今でも、覚えていてくれたんだ」


 感慨深げに齧ったお菓子を見ていたら、外が騒がしい。昨日のこともあるので、そっと扉を開け、外を見ると、そこには冬嵐が居座っている。あれほど、帰るようにと言ったのに、従わなかったようだ。

 私は仕方がないので、出ていくことにした。ただ、自分の部屋から出ていかないと、おかしなことを言われそうだったので、窓から飛び出てこっそり自室へ戻る。急いで着替えをして、扉に手をかけた。


「うるっさい!! いつまで騒いでいるつもり?」

「桜妃!」

「警備はどうなっているの? 私は、今朝までの滞在は許したけど、そのあとは許していないわ。勉強の邪魔になるから、早く追い返してちょうだい!」

「どうしてそんなに冷たいのさ! 勉強なら僕が教えるから、一緒にすればいいだろう? 一緒に都へ戻ろう!」

「いやよ! 私はあなたと絶縁したの! 関わってこないでよ。もし、今すぐに屋敷を出ていかないなら、役所に突き出すわ! 科挙状元を望まれている才子がこんなことで、躓きたくはないでしょ?」


 私の言葉に冬嵐は一瞬ひるんだが、拳を握り「かまわない!」と叫んだ。意志の強い言葉に、こちらが驚くほどだった。


「かまわない。桜妃がそうしたいなら、そうすればいい。僕は、桜妃を諦めるつもりはないんだから!」

「私は、冬嵐と結婚する意志はないし、今はとにかく、静かに勉強をしたいの!」

「桜妃は僕がいないと、科挙に絶対合格できない!」

「できるさ。桜妃なら」


 騒ぎを聞きつけた煌蔣が、屋敷の中まで入ってきた。この領地にいる間は、屋敷への訪問も許していたので、この事態に驚いているのは冬嵐だけだ。


「第三皇子が何用ですか? 桜妃を知ったように言わないでください。僕の幼馴染だ」

「そう、あつくなるな。怜家のが幼馴染なら、私は許嫁だろう? 桜妃」

「……どっちも、朝から変に張り合わないでください! 二人ともこの屋敷から出ていって! 私は、静かに勉強をするって決めたんだから! 誰か! 冬嵐を馬車に詰め込んで都まで運んでちょうだい! 洲巻にしてもかまわないわ!」


 私は煌蔣と睨み合っている冬嵐の元へ近寄っていき、首元に一発手刀を入れる。へなへなと崩れ落ちる冬嵐を慌てて抱き上げてくれる煌蔣。そのあと、この屋敷の護衛兵が寄ってきて、冬嵐を抱きかかえ、馬車まで連れて行く。

 私は、「今すぐ、都へ行きなさい」と言って護衛兵を出発させる。さすがに、何も食べるものを用意していなかったので、昨晩もらったお菓子を一つ、兵に渡し、馬車を見送った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ