第77話 女性陣は、なぜ、こんな態度なのでしょう?
領地の屋敷まであと1日となった日の夜。連珠は、夕食の用意をすると部屋を出て行った。私に対して、未だよそよそしい連珠に肩をすくめるしかない。
「そんなに気を落とさなくても、連珠も元に戻るから」
「そうだと嬉しいです。そんなに私を避けなくてもいいと思うのですけど……」
ため息をつきながら、煌蔣の後ろで護衛している斉を睨んだ。
……元はといえば、斉殿が、連珠をからかうからいけないのに、なぜ、私が避けられているのかしら? あれ以来、連珠との言い合いは減ったみたいだけど、徹底的に連珠が避けているみたいよね。
チラチラと斉を見るので、「何か御用ですか?」と聞かれてしまう。「何でもないですよ!」と言いながらプイっと明後日の方向を見た。
「主、女性陣は、なぜ、こんな態度なのでしょう? 連珠殿も変な感じですし」
「それは、斉が連珠をからかいすぎた結果だよ。からかうのも程々にしておかないと、本当に嫌われるからな?」
「いや、嫌われるのは別に構わないですけど、さすがに、桜王妃との連携に支障が生じますから,止めてほしいんですけどね?」
一番の原因があまりわかっていないようで、私も煌蔣も大きなため息をついた。どうしてこんなに疎いのか! と、ヤキモキせざるを得ない。いや、実際、斉は連珠のことをどう思っているのか知らないが、私もそろそろ、この状況を何とかしてほしい。
「斉は連珠のことをどう思っている?」
「どうって?」
「思ったことを率直に言えばいい」
「そうですね……仕事はできるし、気遣いもできる。そのうえ優しいし、可愛いところもある。美人だけど、素直じゃなくて意地っ張りなところもなんというか……」
聞いているこっちが恥ずかしくなってきたかも。
斉の言葉に私が赤面していると、煌蔣も手で顔を覆っている。耳が少し赤いのは、何とも言えないこの場のものだろう。
斉のそれを聞いていたのは、何も私たちだけではなかった。夕食の膳を持って入ってきた連珠もそれを聞くことになったのだ。チラッと見たら、顔を真っ赤にして俯いていた。
「あぁ、連珠殿。手伝いますよ!」
「け、結構です! これくらい出来ますから」
強めに言ってしまった連珠に、多少驚きはしていた斉が、「そう言わずに」と、膳を取り上げてしまう。煌蔣の前に置き、毒見を始めた。淡々と職務を全うしながら、私たちの信じられないという視線を感じたようで、「今晩のめちゃくちゃおいしい料理ですよ!」なんてのんきなことを言っている。私と煌蔣は大きなため息をつく、連珠はこめかみのあたりをぐりぐりと押さえ始めるのだった。




