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運命を変える者たち  作者: 紳羅 修羅
第一章 少年
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第一話 〜朝の日課〜

第二節 学校での日常

家で飼っていた子猫のクロが死んだあの日から、太陽そらの日常には少しだけ変化があった

あったと言ってもいじりが無くなる事はなく今でもそれは続いている

ただクロが死んだ時に一部の生徒が捕まった事があったせいか、周りの生徒は大事おおごとになることはしないように立ち回っている

そんな日常はいつしか決まった流れでくり返すようになっていった…




太陽そらの朝は普通の人と比べてかなり早い方だった

まだ日が登らない四時半過ぎには


「ケラケラケラケラ」


と不気味な目覚ましが部屋に鳴り響く

その目覚ましを止めて太陽そらは起きると、まず顔を洗いに洗面台へ向かった


「眠い」


と溢しながら小さな欠伸をこぼす

洗面台に着いたら最初に顔を水で洗うのが日課になっている


「う〜ぅ、冷たい」


と分かっていながらも体を一瞬震えさせながら呟いて、タオルで顔を拭き終えると


「うん、目が覚めた」


と気持ちを入れるように呟き、歯磨きをして寝起きの支度を済ませる

寝起きの支度を済ませた後は自分の部屋に一度戻る

太陽そらの部屋はシンプルな作りで八畳くらいはあるが、壁の方にベッドやタンスが置いてあるためそんなに広くは感じない

部屋の中心には座って勉強出来る用の小さなテーブルがあるだけで、後は使ったことのない押入れだけがあるだけだった

完全に目が覚めた太陽そらは、まずその部屋の掃除から始める


「やっぱり一日たっただけでも埃は溜まるもんだな」


と愚痴をこぼしながら掃除を慣れた手つきで終わらせていく

掃除をする理由は特にないが、ただ気になると勝手に体が動くようで、気づいた頃には習慣になっていた

今では慣れた手つきで掃除をしているが、それでも綺麗になるまでに一時間はかかる


「ふぅー、綺麗になった」


太陽そらは一息つく、やっぱり綺麗にした後の気分は清々しいものがあるようだ

さっきは理由は特にないと言ったが、この感じがあるから太陽そらは掃除をしているのかもしれない




「さてと、今日はどこをしようか」


そう考えながら太陽そらは別の部屋の掃除へ向かう

朝早起きはしているが、だいたい一部屋一時間ぐらいかかるから、どうしても一日で全部は掃除しきれない

そのため自分の部屋以外は基本的にローテーションで掃除を行なっていた


「昨日は居間を掃除したから、今日はその隣の客間でも掃除するか」


そんな感じにいつも、その日に掃除する場所を決める


「やっぱり、掃除せずにほったらかしにしてたら、埃が結構溜まってるな」


といつものように毎日掃除を出来ない事にため息をつく

それでも手に持ったはたきで埃を落とし始めると、調子が出始めるのか鼻歌を歌いながらみるみる掃除を済ませていく


太陽そらは鼻歌を歌いながら

『周りの人から見たら僕の姿は、どこかの清掃員に見えるのではないだろうか』

そんなことも思ったりもするが、それ以上に掃除する楽しさで体が動いているからか、その視線はすぐに埃へと向けられる

掃除を済ませると太陽そら


「ふぅ、今日も終わったな」


と一息つき朝風呂で汗を流す




汗を流し終えると七時ぐらいを過ぎた頃になり

起きてきた桜咲さんが朝食を用意して待っていた


「桜咲さんいつもありがとう」


と言っているのだが、いつものように返事は特にない

太陽そらは、それでもやっぱり作ってくれているからか、お礼はちゃんと伝えている

桜咲さんが準備を終えたら


「いただきます」


と二人そろって食べ始める

二人で食事する時間はなんとなく新鮮で、とても落ち着く

ご飯を食べ終えるとそれぞれに


「ご馳走さま」


と挨拶をしてから食器を自分で洗う

食器を洗い終えるとそれぞれ家を出る支度を済ませて、学校や職場に行くのだが

桜咲さんは結構のんびりしているから、太陽そらの方が早く出ることが多い


「行ってきます」


そう元気よく言いながら、太陽そらは今日も学校へと登校するのだった

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