第六話 〜和解〜
第一節 小さな変化
彼が誰かなのはこの学校にいる人なら、誰でも知ってるであろう
何を隠そう、太陽が〝いじられる原因〟となったのがこの高校で〝不良の親玉〟と言われる〝目の前の彼〟だからである
彼の事で有名なのは、入学してたった二日で高校にいた〝不良を全員〟瞬殺した事で、みんなが恐れる人物となった事だろう
ちなみにそんな彼に〝やっくん〟とあだ名を付けたのは、言うまでもなく雪である
〝不良の親玉〟と言われた彼が、二つ返事であだ名を受け入れるほどの〝雪世界〟は今でも伝説になっている
そんな彼は〝いじり連中〟の視線に気づき目を開けると、ゆっくりと前に倒れる
倒れた先で彼は机に手を置きながら、猫のように伸びをして欠伸を一つすると
「君ら、なに見てるの?」
と一言放つ
その瞬間、周りの空気は一瞬にして凍り付く
そんな彼の前に雪は出てきて
「えーとね
あそこにいる〝いじり連中〟が〜
太陽をいじめたのは、君が原因だと言ってるんだけど
何か心当たりあるのかな〜〝やっくん〟」
とあだ名を〝わざと〟強調しながら首を傾げ〝鋭い〟目で見つめる
それに対して雪を睨み返しながら
「なんでそんな面倒な事を、俺がしないといけないんだ?」
と言い放つとため息を一つ溢し、少し呆れたような口調で
「何か誤解してるようだが〝俺は俺の生活を脅かす奴を許さない主義〟で生きてるだけだぞ
そこに意味もなく一方的に、誰かを傷つける事は含まれない、絶対にだ
まぁ、いつも周りにいた奴らは、俺を持ち上げて好き勝手してるようだけどな」
と言うとその目線を〝いじり連中〟に移す
それに気づいた〝いじり連中〟はすぐに目線を下へと落とすのだった…それを見届けると
「てか、これ俺関係ないからもう一度寝かせてもらうけど、また起したら殺すから」
と言い放ち体を後ろに倒して、猫耳付きのフードを被ると彼は眠りについた
それを同じく静かに見ていた雪は、彼が寝たのを見届けてから
「やっくんは嘘はついてないんだよね〜
てことはどう言う事かな〜
さっきの発言はさぁ?」
と〝いじり連中〟に〝鋭い〟視線を送る
彼らの表情には心なしか〝恐怖〟や〝後悔〟が見られた
それを見た雪は
「どうやらやっと、自分たちのした事が悪い事だと分かったみたいだね?
雪、彼らも悪気を感じ始めてるから、いい加減そう睨むなよ」
と横から雪に投げかける
その瞬間〝いじりの連中〟の一人が
「そう、だよな、、、
俺らのした事は本当に許される事じゃないよな…
太陽、、、本当にすまなかった」
としおらしく自分のした罪に押しつぶされそうな表情で太陽に謝罪した
それに同調する様に周りにいた〝クラスメイト〟も謝罪し始める
太陽はそれに少し申し訳なさそうに
「いや、そこまで謝罪してくれるなら・・・」
とみんなの事を許すが、その横では雪が不機嫌そうにしている
一方でさっきまで雪と言い合っていた紅葉は、知らない間に教室の隅で傍観を決め込んでいた
そんな横から雪が
「僕は納得いかないけど、、、
太陽が許すならこれ以上、僕はなにも言わないよ」
と〝クラス全員〟に一言だけ不満そうに言う
その横から担任の先生が
「じゃあ、ここは全員謝って当人もそれを受け入れた事だし、握手して仲直りといこうか」
と言い放つと〝いじり連中〟や〝クラスメイト〟が
「太陽、ごめん
今まで本当に、、、ごめん」
と言いながら握手をする
それに対して太陽も
「そんな気にしないで…
もう、本当に大丈夫だから
謝ってくれてありがとう」
とだけ返し、クラスの〝話し合い〟は幕を閉じるのだった




