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運命を変える者たち  作者: 紳羅 修羅
第二章 変化する環境
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第四話 〜二人の主張〜

第一節 小さな変化

家に帰ると桜咲さんが玄関で出迎えてくれた

いつもとは違って、出迎えのあるその光景に〝どこか懐かしい〟そんな感情が溢れる

その後、桜咲さんと楽しく会話をしながらご飯を終えると、その日は少し疲れたのかすぐに眠ってしまうのだった




次の朝、学校にいつものように登校すると、クラスの雰囲気が重いのを感じる

その中心にいたのはふうだった


「いい加減にしなよ〝いじり〟が良くない事を分かっていて、和解するのに〝あいつら〟が〝謝る事〟で〝全部水に流すよう〟僕に太陽そらを説得しろだって!

紅葉くれは、お前の言ってる事は僕には理解しかねるよ!」


そう怒鳴るような怖い表情と、口調でふう紅葉くれはに叫んでいた

そのふうに負けないくらいの勢いで


「だから、これ以上お互いが喧嘩しても何も生まないから、妥協して和解する為に〝いじり連中〟が謝って太陽そらが許す場を設けるべきだと言ってるんだよ

わざわざ、今までの悪事を公開してクラスを崩壊させる気かい、そっちの考えこそ理解に苦しむ」


紅葉くれはも言い返している

その時丁度、朝のホームルームが始まるチャイムが鳴り響いた


「ちっ、この話はホームルームの時に先生を交えて話し合おう

ただし覚えておけ、お前は〝太陽そらの事だけ〟しか見ずに〝他のクラスメイトの事〟を一切見てない

ただお前は〝太陽そらが苦しんでいる時〟に〝何も出来ず後悔してる自分〟を〝恨んで〟周りに八つ当たりしてるにすぎないんだよ」


紅葉くれはは言い残し席に座る

それに対してふうは怒り狂っているのか、顔を真っ赤にするが、それを横からゆきなだめてどうにか席に座らせていた

みんなが席に着くと担任の先生が来て


「一応みんな昨日の晩、頭を冷やしてこれまでの事考えてきたと思うが

多分さまざまな考えがみんなにはあるだろう

だから特別に一時間目の橋本はしもと康重やすしげ先生の、数学の時間を貰った

だからじっくり話し合って、今後どうするか話し合おうか」


と淡々とした口調で告げる

こうして昨日あった〝話し合い〟の続きが始まるのだった




最初に話を切り出したのは担任の先生だった


「ではまず昨日頭を冷やして、いろいろな考えが出たと思うが、何か意見のあるやつはいるか?」


その問いに紅葉くれはふうが手を挙げる

二人の間には今朝の事があるせいか、目線を合わせて火花が飛び散っていた

それに対して担任の先生は


「二人とも何があったか分からんが少し落ち着け

とりあえず、太陽そらの親友であるふうの話から聞こうか」


と仲裁と、ふうの意見を聞く流れを作る

それを聞いて紅葉くれはは、静かに手を下げるとふう


「わかりました」


とだけ答えて意見を述べ始めた


「まず彼らは、自分のしていたことを〝いじり〟だと表現して、まともに反省している様子がありません

本来、これを学校に当てはめて言うなら〝いじめ〟として、校長先生等を含め親と生徒、先生方との〝正式〟な話し合いで解決すべきものです

つまり、出る所に出てきちんと罪を納得した上で、彼らには然るべき処置を言い渡すべきだと思います」


そこまでふうはスラスラと意見を言い終える

しかしそこまで言われては〝いじり連中〟も黙ってはいられなかった


「なんだよそれ、なんで俺らがそんな面倒な事しないといけない訳」


「そーそー、そもそも、そんな事言うなら、見てた連中も全員同罪っしょ

他に参加してたやつらも一緒に処罰すべきじゃね?

そうすると、クラス全員退学になるけど〝ふうっち〟はそれでいいわけ」


と口々に反論し始める

それに対してふう


「そう言う態度が、反省してないって言ってんだよ…

〝ふうっち〟だぁ、そんなふざけた呼び名までつけてるけど、僕と君らにそこまでの仲良い関係はないんだけど?」


と冷たい目で睨みつけながら答えた

そんな言い争いになりかけている〝それ〟を見かねた担任の先生は


〝パンパン〟


と教室内に響く音を立てながら手を叩いた




「話が脱線して来てるから、ひとまず落ち着いて、今度は紅葉くれはの意見も聞いてみないか」


そう言いながらさっき手を挙げていた紅葉くれはに意見を求める


「あー、はい分かりました」


そう答えると今度は紅葉くれはが意見を述べ始めた


「まず初めに彼らは謝っているので、もう許してもいいと思います

そもそも徹底的に追い詰める様な、解決をすべきでしょうか?

僕はそうは思いません

穏便に解決できるなら、本人達の心が大切だと思うし、心から謝っているなら許してもいいのではないでしょうか」


そう言い終えた紅葉くれはに便乗する様に


「そうそう、僕らも心から太陽そらには悪いと思って謝ってるって」


と〝いじり連中〟の一人が言う

しかしその発言に


「そのチャラついたような口調の何処に反省の色があるって」


とすぐにふうが横槍を入れる


「そんな軽く心を込めて謝ってるって言われて、やられた方が納得するとでも思ってるの?」


そう言い切るふうの冷たい目線を見て、それ以上は誰も声を出せないでいた

それを見ていた担任の先生が〝パンパン〟と手を叩きながら


「はいはい、ふうもみんなも落ち着いて」


と止めに入る

それから少し考えて


「いろいろ意見があるのはわかった、取り敢えずみんなが考えて来てる事は伝わったよ

ただ少し熱くなりすぎてる様だし

ここは、まず当事者の太陽そらにも意見を聞いてみてはどうだ?」


太陽そらに意見を求める

その瞬間、クラス全員の目線が太陽そらに集まった

太陽そらはその中の〝いじり連中〟の目線に、少しビクつきながら口を開く…


「僕は・・・」


しかし太陽そらはそれ以上言葉が出てこなかった

『僕は・・・〝どうしたいのだろう〟』

それが頭をよぎり分からなくなったからだ

そしてそのまま少しの沈黙が流れるのだった

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